認知度とは、商品・サービスの名前だけでなく、中身や魅力を理解してもらっている状態を指します。マーケティングにおいて売上貢献を図るには、認知度向上の取り組みが欠かせません。
「認知度向上の具体的な事例を知りたい」「企業による施策を自社のマーケティングの参考にしたい」とお考えの方もいるのではないでしょうか。
この記事では、認知度向上の重要性や、企業による具体的な認知度向上のマーケティング事例について紹介するので、ぜひ参考にしてください。
認知度向上とは?
認知度向上とは、自社商品の存在や名前だけでなく、事業内容や魅力などを深く認知してもらうための施策に取り組むことを指します。
認知度と類似した言葉に「知名度」がありますが、知名度は名前が知られている程度であるのに対して、認知度は特徴や価値などを知られている状態です。
消費者行動のモデルには「AISAS(アイサス)」があり、消費者が商品を認知してから購入するまでの行動が以下のように示されています。
- Attention:認知・注意
- Interest:興味・関心
- Search:検索
- Action:行動
- Share:共有
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つまり、消費者が商品を購入する際のはじめのステップが「認知」となります。
消費者が名前だけを知っていて商品の特徴や性質を知らない場合は、「知名度がある」に留まり、認知を獲得しているというわけではありません。
認知度向上が重要な理由
認知度向上が重要である理由は、「商品やサービスの購買につながること」や「ブランディング効果を高められる」という点にあります。
どんなに名前を知られていても、顧客が購入しない限り企業の売上拡大や利益アップにはつながりません。
自社商品が売れる仕組みを作るためには、常に「認知度向上」からスタートします。
最終的な目的は「自社商品・サービスを顧客に購入してもらうこと」で、認知拡大の施策を通じてリード獲得から購入につなげることが重要です。
また、認知度向上によって「この商品と言えば○○」のようにブランドイメージが浸透し、競合との差別化にもつながります。
認知度向上に効果的なマーケティング戦略の施策例
認知度向上に効果的なマーケティング戦略として、以下が挙げられます。
- マスメディア広告
- イベント・セミナー
- コンテンツマーケティング
- SNSアカウント運用
- SNS広告
- Web広告
- SNSキャンペーン
ここでは、それぞれの施策について順に解説します。
マスメディア広告
マスメディア広告とは、テレビやラジオなどのマスメディアに出稿する広告のことです。
番組の間に流れることが多いので、自社商品やサービスに興味がない人や、ブランドを全く知らない滞在層に向けてアプローチするのに向いています。
マス広告は、媒体に触れている視聴者数が多いほど認知度を上げやすいことがメリットです。ただし、長期的に掲載するとなるとコストがかかるので、負担が大きいというデメリットもあります。
近年はインターネットの普及によって、新聞やテレビを利用するユーザーが徐々に減少傾向にあるものの、マス広告はいまだに大きな影響力を持っています。
展示会・セミナー
オフラインで展示会やセミナーなどのイベントを開催するのも効果的です。
オフライン上でイベントを実施することで、直接顧客と顔を合わせて交流したり、顧客のリアルな声をヒアリングしたりする機会になります。
リアルイベントだからこそ、自社の取り組みや価値を理解してもらいやすくなるので、認知度向上に効果的です。
時間をかけて自社の商品やサービスの説明を行ったり、参加者からの質問に答えたりすれば、より理解してもらいやすくなるでしょう。
また、セミナーをWeb上で開催する「ウェビナー」もおすすめです。
コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングは、見込み顧客にとって有益な情報をコンテンツとして発信し、最終的に自社製品やブランドへの訴求につなげるマーケティング手法です。
たとえば、企業ブログやオウンドメディア、ホワイトペーパー、動画コンテンツなどさまざまなものが挙げられます。
直接自社製品を売り込むのではなく、ターゲットが抱える課題に対して解決策を示すなど、信頼できる情報を継続的に発信することがポイントです。
コンテンツマーケティングによってブランドイメージを確立することで、新規顧客やリピーターの増加が期待できるでしょう。
SNSアカウント運用
SNSを利用して知名度を高める手段として、X(Twitter)、Instagram、Facebook、TikTok、Youtubeなどのプラットフォームを運用することが有効です。
日頃から自社のターゲット層にとって有益なコンテンツを提供したり、新商品やサービスに関する告知を行ったりすることでファン化を図れます。
SNSは無料で利用できるため、低コストで徐々に認知度を高めていくことが可能です。
効率的に認知度を向上させるためには、自社のターゲット層に合ったプラットフォームを選択することが重要です。
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【SNS別】企業のSNSマーケティング成功事例8選!成功させるコツも解説
もし、「自社の施策に自社のマーケティングをどのプラットフォーム上で行うべきか」とお悩みの方は、ぜひ下記の資料をご参考ください。
- Twitter/Instagram/TikTok/LINEなどの様々なSNSの強みや特徴
- 各SNSの利用層の詳細
- 各SNSに最適なキャンペーン施策の詳細
SNS広告
SNS広告は、X(Twitter)やInstagram、LINE、FacebookといったSNSプラットフォームに配信する広告のことを指します。
SNS広告はタイムラインに溶け込みやすく、自然な形で訴求できるので、ユーザーに受け入れられやすいという点がメリットです。
各SNSでターゲットを絞って出稿することもできるので、狙ったユーザー層に向けて的確に広告を表示させられるでしょう。
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Web広告
Web広告は、Web上のさまざまな場面で表示される広告のことです。
主に、検索エンジンで検索したキーワードに連動して表示される「検索連動型広告」や、Webサイト上にある画像や動画形式の「ディスプレイ広告」などがあります。
また、自社サイトに訪問したことがあるユーザーに再度広告を配信する「リターゲティング広告」なども有効なWeb広告のひとつです。
SNSキャンペーン
SNSキャンペーンは、名の通りSNS上で実施するキャンペーンのことです。商品やブランドの認知度向上に加えて、販促や拡散効果なども期待できます。
たとえば、投稿のシェア・拡散を応募条件としたり、フォロワーからの投稿やシェアを募集するフォトコンテストを開催してプレゼントを用意するなどの方法があります。
SNSキャンペーンについて詳しく知りたい方は、下記の記事で詳しく解説しているのでぜひチェックしてみてください。
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【2024年最新】SNSキャンペーンの成功事例22選|効果や成功のポイントを解説
SNSキャンペーンの実施を検討しているものの、どのようなキャンペーンを実施すべきか分からないという方もいるのではないでしょうか。
このようなときにおすすめなのが「SNSキャンペーン診断」です。5つの質問に答えるだけで、
貴社に適したSNSキャンペーンが分かるので、ぜひ以下のページから試してみてください。
認知度向上のマーケティング事例10選
ここからは、認知度向上のマーケティング事例を紹介します。
1. JA全農にいがた|レシート投稿キャンペーン
参照:新潟茶豆 たくさん食べてご馳走を当てようキャンペーン
JA全農にいがたでは、枝豆栽培面積1位の認知獲得を目的に「新潟茶豆 たくさん食べてご馳走を当てようキャンペーン」を実施しました。
購入対象期間中に、新潟県産茶豆を購入したレシートで応募できるキャンペーンで、Webサイトもしくはハガキで応募することが可能です。
総計80名に豪華賞品が当たるという内容で、キャンペーンを通じて新潟茶豆の認知獲得や販売促進につながりました。
Web応募とハガキ応募の両方に対応することによって、幅広いターゲット層からの応募を見込めるのがポイントです。
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2. 株式会社テレビ東京|X(Twitter)RTキャンペーン
参照:やりすぎ都市伝説 放送記念キャンペーン
株式会社テレビ東京で放映する「やりすぎ都市伝説」では、放送記念キャンペーンとして、Amazonギフトが当たるX(Twitter)のRTキャンペーンを実施しました。
参加者全員で目標となるRT数を目指し、達成時には特典動画のパターンが増加したり、賞品のグレードが上がったりと、面白い仕掛けが用意されています。
あらかじめ特典動画の種類と抽選確率の一覧を公開することで、ユーザーの参加意欲を高めていることも特徴です。
以下の資料では、Twitter上でキャンペーン施策を行う際に押さえておきたいポイントを事例で確認できます。
今後Twitterにおけるフォロー&リツイートキャンペーンをご検討中の方は是非ご確認ください。
3. 株式会社カワダ|フォトコンテストキャンペーン
参照:第11回公式ナノブロック作品コンテスト『nanoblock AWARD 2022』
株式会社カワダでは、公式ナノブロック作品コンテスト「nanoblock AWARD」を開催し、ナノブロックファンからの作品を募集しました。
オリジナル作品を募集するコンテストとなっており、特設サイトのエントリーフォームやSNSからエントリーが可能です。
4つの部門が用意されており、各部門の最終選考作品や受賞作品、応募作品は特設サイト上で掲載されました。
SNS上で投稿されることで、ナノブロックを知らない、あるいは興味のあるユーザーに対して認知を広げられるのがメリットです。
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4. 株式会社湖池屋|X(Twitter)診断キャンペーン
株式会社湖池屋では、「ピュアポテト ブランド芋くらべ」シリーズの発売を記念して、X(旧Twitter)上で完結する診断キャンペーンを実施しました。
対象ツイートから診断に参加し結果をシェアすると、抽選で20名にピュアポテトの詰め合わせが当たるという内容です。
質問に答えるとおすすめのピュアポテトが紹介されるという内容で、商品の認知度向上や理解促進、販売促進などにつながっています。
数種類のピュアポテトの特徴を発信しつつ、ユーザーの投稿を効果的に促進することで、SNS上のブランドに関する投稿(UGC)を増加させた事例です。
診断キャンペーンにご興味のある方は、まずは「SNS診断キャンペーン」をお試しください。以下をタップすると、たった5問の質問に答えると、自社に合ったSNSキャンペーンが分かります。
5. ハーゲンダッツ|UGC生成による認知度向上
参照:幸せのハーゲンハート探し|ハーゲンダッツ
アイスクリームの大手ブランド「ハーゲンダッツ」では、認知拡大施策として、ハーゲンダッツの蓋にあるハートの形をシェアするUGCマーケティングに取り組みました。
元々はユーザーが自発的に発信をしていましたが、メーカー側が特設サイトを立ち上げて、ユーザーのアクションを積極的に促すように。
結果的に、Instagramでハッシュタグ「#ハーゲンハート」が拡大し、YouTube上での再生数向上につながるなど、認知拡大を実現しています。
ユーザーのSNS上でのアクションを分析し、SNSのシェアを仕組み化することで、上手くUGCマーケティングにつなげている事例です。
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6. 空庭温泉|LINE登録による謎解きイベント
大阪市の空庭温泉では、謎解きイベント「ジェリークエスト」を実施しました。会場に貼られたキーワードをLINEで送り、届いた謎を解く謎解きイベントとなっています。
謎解きに参加するには、空庭温泉へのLINE登録が必要だったため、お友だち登録数の増加やファン獲得・育成に成功しました。
館内を巡って謎を解くという子どもから大人まで楽しめるイベントは非常に好評で、開催期間が延長されるほど。
謎解き体験型イベントはさまざまな場所で実施されており、近年謎解きイベントを楽しんでいる人も多く見られるため、このような層の集客にも効果的です。
7. 大阪ガス|CM×検索広告の組み合わせ
大阪ガスマーケティングでは、テレビCMの放映時期と合わせてWeb検索広告などの入札を強化し、広告のクリック率(CTR)を121%増加させました。
検索結果にバナー広告を掲載し、検索広告を強化して画面占有率をアップさせることで、検索結果画面においてスムーズに誘導することができたそうです。
CMで検索量が増えることを見越して施策を展開しており、Web広告を増やすという戦略的なプロモーション事例となっています。
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8. コーセー|ターゲット層の見直し
化粧品メーカーのコーセーでは、雪肌精シリーズの認知拡大に成功しました。
雪肌精は、長きにわたってユーザーに愛されている商品であることから、購買ユーザーの年齢が上昇しているという課題を抱えていました。
そこで、雪肌精の発売35年記念を機に、20代をターゲットとした「雪肌精 クリアウェルネス」を発売し、ブランド再生を狙いました。
また、パッケージの環境負荷を軽減し、サステナビリティを意識していることをアピールすることで、20代前半の女性へのブランド認知度が向上しました。
9. ライカカメラ|YouTube動画による信頼性向上
日本製デジタルカメラを製造・販売するライカカメラジャパンでは、YouTube動画にて、職人がカメラを製造する様子を3分ほどの動画で紹介しました。
黙々とカメラを製造する職人技の手元を追うシンプルな動画ですが、実際の製造工程を知らないファンの関心を強く引き付けました。
また、企業のことをよく知らない消費者の間でも話題となり、広い認知度向上につながっています。
商品やブランドのこだわりや魅力も伝わり、職人によって製造されているという信頼性も向上した事例です。
10. mineo|ファンコミュニティサイトの運営
格安スマホの「mineo」では、ファンコミュニティサイト「マイネ王」を運営しています。
マイネ王には、ユーザー同士が交流できる掲示板や、分からないことを質問し合えるQ&Aコーナーが設置されています。
他にも、mineoをもっと良くするアイデアを募集する掲示板や、ユーザーが楽しめるコンテンツなどさまざまな情報が発信されているのも特徴です。
ファンコミュニティを運営することで、ファンの離脱を防ぐことに成功しています。
まとめ
認知度向上を狙うには、さまざまな施策があります。認知度向上の目的や自社ターゲット層のニーズを探り、適切な施策を展開することが大切です。
本記事で紹介した認知拡大マーケティングの事例を参考に、自社に合ったマーケティング施策を検討してはいかがでしょうか。
効率良く認知度向上を目指すには、拡散性や話題性が高いSNSマーケティングを活用するのがおすすめです。
一口にSNSマーケティングと言っても手法は多岐に渡りますが、SNSキャンペーンやUGCの活用、インフルエンサーの起用など、あらゆる施策を通じて認知度向上を狙えるでしょう。
以下の資料では、企業が注力すべきマーケティング施策とSNSをチェックできます。
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