Instagramマーケティングが盛んになり、UGC(User Generated Contents)を活用した施策が注目を集めるようになりました。
InstagramにおいてUGCマーケティングは、主にユーザーが投稿した画像や動画を指し、企業が活用しやすいコンテンツとして効果的です。
当記事では、InstagramでUGC活用するメリットや注意点、流れについて解説します。さらにUGC活用に効果的な施策や成功事例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
Instagram(インスタ)のUGCとは

そもそもUGCとは、User generated contentの略称で、ユーザー(消費者)によって作られたコンテンツのことです。
UGCの例には以下のようなものがあります。
- Instagramへの画像投稿
- TwitterやFacebookへの投稿
- 食べログのレビュー
- GoogleMapsのレビュー
- 価格.comやAmazonのレビュー
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UGCはユーザー自身が発信しているコンテンツなので、他のユーザーが親近感を持ちやすく、企業自身が発信する情報とは違った広告効果が期待できます。
InstagramにおけるUGCは、商品の写真を載せたフィード投稿や@メンションを付けたストーリーなどのコンテンツが該当します。

インスタでUGCを活用する重要性
InstagramでUGCを活用する重要性として、下記のような理由が挙げられます。
- SNS検索行動の需要の変化
- 女性が気になった商品・サービスの検索は「Instagram」が最も多い
ここでは、それぞれの理由について深掘りして解説します。
SNS検索行動の需要の変化
現代では、Z世代を中心に情報収集の方法が大きく変化しています。
特にSNSは、トレンドや他のユーザーが発信する情報を確認できるツールとして定着。若年層にとって「情報を集める場」としての重要性を増しています。
日経BPコンサルティングによる調査では、「仕事や勉強の情報を得るために検索エンジンや専門サイトを利用する」と答えたZ世代は49.5%で最多。
一方で「SNSを見る」とした回答も39.9%を占め、SNSが検索行動において重要な役割を担っていることが明らかです。

参照:Z世代「TikTok好き」は本当か?4000人調査で見えた意外な実態|日経クロストレンド
これにより、SNSが単なる娯楽の場から、実用的な情報収集のプラットフォームへと進化していることがわかります。
Z世代にとって、SNSは仕事や勉強においても重要な位置づけとなっているといえるでしょう。
女性が気になった商品・サービスの検索は「Instagram」が最も多い
2023年4月にスマートシェアが実施した調査によると、女性が気になる商品やサービスを検索する際に最も多く利用されているのは「Instagram」でした。
さらに、閲覧する投稿数について「4投稿以上」と回答した人が73.8%と圧倒的多数。これは、多くの投稿を比較検討する行動が購買意思決定に大きく影響していることを示しています。
特に女性をターゲットとした商品やサービスを展開する場合、Instagramを通じて認知度を高め、購買につながるユーザー導線を設計することが非常に重要と言えるでしょう。
以下の資料では、生活者の意思決定におけるSNS影響度の調査について解説し、マーケティング戦略を組み立てる際に知っておくべき生活者のSNS利用状況をまとめています。
事業会社のマーケティング責任者・担当者や、広告代理店にお勤めの方はぜひダウンロードしてご活用ください。

インスタのUGCを活用した購買までの導線
InstagramのUGCを活用することで、下記のように購買までのユーザー導線を引くことができます。
- ユーザーとの接点を増やす
- 新規ユーザーからの流入が増える
- SOVにおける露出度を高める
それぞれ順に見ていきましょう。
ユーザーとの接点を増やす

Instagramを利用するユーザーは、複数の投稿を閲覧しながら興味を深め、最終的にサービスサイトや購入ページに到達します。
例えば、「寝室関連」の投稿を見たユーザーが「マットレスを買い替えたい」「最近疲れが取れない」と感じた場合、関連するハッシュタグを巡回しながら情報を収集することが多いです。
このようなユーザーの行動に対応するため、情報収集のプロセスにおけるタッチポイントを増やすことが重要になります。
特に、UGCを活用すれば、ユーザーにとって信頼性が高い投稿をもとに、効率的に情報認知を拡大できます。これにより、多くのユーザーとの接点を持つことが可能です。
新規ユーザーからの流入が増える

UGCを活用する上で、インフルエンサーを起用して自社商品・サービスを紹介してもらう手法があります。
ただし、インフルエンサーマーケティングでは、フォロワー数が多いアカウントを利用するだけでは十分ではありません。
フォロワーが多くても、フォロワー全員が紹介する商品に興味を持つとは限らないからです。一方、ハッシュタグなどの特定のキーワード検索や自主的な行動で投稿に辿り着くユーザーは、行動力や購買意欲の高い層と言えます。
このような「フォロワー外」のユーザーを引き込むことで、本当に購買につながる新規ユーザーを獲得しやすくなります。特定キーワードによる検索結果で見つけてもらう仕組みを作ることが、効果的なリーチ拡大に繋がるのです。
SOVにおける露出度を高める

自社の商品や投稿が検索結果でどれだけ露出しているかを測る指標が「Share Of Voice(SOV)」です。この指標は、競合他社に対する自社の露出度を可視化し、マーケティングのインパクトを定量的に把握できます。
SOVを高めることは、ブランド認知を強化するだけでなく、マーケティング施策全体の効果を最大化するために不可欠です。
最近では、SOVの推移を追跡できるツールも登場しており、デジタルマーケティングの重要な基準として注目されています。
Instagramでは、質の高いユーザーに効率的にリーチすることで、短期的な成果だけでなく、中長期的なSOVの向上も期待できます。このような戦略を継続的に実行することで、競合に対する優位性を維持・拡大することが可能です。
■関連記事
「ハッシュタグSEO」による認知〜購買のユーザー導線を徹底解説|ハッシュタグ活用による認知拡大ノウハウ
インスタでUGCを増やすメリット5つ
Instagram上でUGCを増やすメリットは6つあります。
- 信頼性の高い口コミを集められる
- 顧客のニーズを把握できる
- 自社アカウントの外側にリーチできる
- アイデアや企画立案に役立つ
- インスタ運用を効率化できる
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ここでは、それぞれのメリットについて解説します。
1. 信頼性の高い口コミを集められる
一般ユーザーが消費者目線でUGCを投稿することで、企業の宣伝よりも信憑性の高いコンテンツが出来上がります。
実際に商品・サービスを利用しているリアルな声を聞いて購入を判断できるため、UGCを増やすことで信頼性を高めることができます。
また、身近な友人や知人が投稿している場合は、「友達が使っているからほしい」「この商品信用できそう」と思ってもらえるでしょう。
さらに、顧客が新たに商品の活用方法などを拡散することによって、これまで想定していなかった顧客層にまでリーチできるメリットもあります。

2. ファン獲得・育成につながる
UGCを活用することで、自社の新たなファンの獲得・育成につながる点もメリットです。
一般ユーザーにとって、企業アカウントはあくまで「企業」です。しかし、企業アカウントと直接交流を図ることで、その企業をぐっと身近な存在に感じられます。
たとえば、自社商品に関わる写真をInstagramに投稿し、「自社アカウントで紹介してもいいですか?」とメッセージをすることで、ユーザーとの関係性を構築することができます。
このように、企業と個人のユーザーがコミュニティを築いていくことは非常に大切です。
3. 自社アカウントの外側にリーチできる
ユーザーが自社に関するコンテンツ(UGC)を投稿することによって、そのユーザーのフォロワーにもリーチを広げることができます。
自社アカウントをフォローしているユーザーのフォロワーが、自社の商品・サービスを知るきっかけになり、認知が拡大していくイメージです。
また、UGCを投稿したユーザーのフォロワーは、ターゲット属性が類似している可能性があります。そのため、リーチだけでなく実際に売上につながりやすいというメリットもあります。
4. アイデアや企画立案に役立つ
ユーザーが投稿したUGCによって、自社の投稿や企画のアイデアを思い浮かべやすくなります。UGCには、自社の商品やサービスに関する情報が記載されています。
「○○という機能があれば嬉しい」「こんな使い方ができる」といったユーザーのリアルな声を収集し、今後の商品開発やマーケティングに役立てることもできます。
商品の購入数や売上だけを見て判断できない部分も、ユーザーのリアルな声を聞いて具体的な課題を発見できるようになるのです。
I収集した口コミをもとに、今後のマーケティング活動やキャンペーン施策の最適化につなげることができます。
5. インスタ運用を効率化できる
企業はアカウント運用で高い成果を得ることのほかに、運用にかかるコストを下げることも必要になります。
UGCを活用することで、自社のコンテンツや投稿素材を用意できるため、コンテンツ制作のコストを削減することが可能です。
ユーザーによる質の高いコンテンツを使用できれば、クリエイティブ作成の手間も省けるため、魅力的な投稿を継続しやすくなるでしょう。
ただし、投稿したユーザーへの使用許諾を取るための工数が発生することにも留意しましょう。
インスタ上でUGCを増やすための4つの施策
Instagram上でUGC生成を促す施策は主に3つあります。
- ハッシュタグキャンペーン
- インフルエンサー施策
- フォロワーとのコミュニケーション
- 4. UGCを投稿したくなる導線作り
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ここでは、それぞれの施策内容について解説します。
1. ハッシュタグキャンペーン
Instagram上でハッシュタグを付けた投稿を呼びかけるキャンペーンは、短期間のUGC生成に非常に効果的です。
ハッシュタグキャンペーンを開催中に、Instagram広告やリポスト投稿型キャンペーンを併用することで、より多くのユーザーに参加してもらえます。結果、短期間で多くのUGC生成を見込めるでしょう。
キャンペーンは数多くのUGCを生み出せる施策ですが、運用には大きな手間や工数がかかります。工数を抑えつつUGC活用を最大化するには、キャンペーンツールの利用が必要不可欠です。
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【最新】UGC活用ツール比較10選!主な機能や選び方などを解説
2. インフルエンサー施策
既に知名度や影響力のあるインフルエンサー(インスタグラマー)を起用して、商品やサービスのPRを依頼するのも有効です。
影響力のあるUGCを生成できるため、自社のターゲットとは異なる層にも広くリーチできるメリットがあります。
UGCは「信頼できる情報である」という点が重要です。そのため、企業が良い情報だけを伝えて投稿してもらうのではなく、インフルエンサー自身の言葉で発信してもらいましょう。
普段から商品やサービスを愛用している、共感してくれているような人物を起用するのがおすすめです。
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Instagramのシステムにとって評価の高いインフルエンサーを把握し、それらにPR投稿を依頼することによって、投稿の外部露出が増え、潜在顧客の獲得が期待できます。
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3. フォロワーとのコミュニケーション
ユーザーが自ら話題にしたくなるような体験を提供することで、Instagram上でUGCが生成されやすくなります。
たとえば、話題になりそうなフォトスポットを設置したり、商品のパッケージを工夫したりと、UGC生成につながる仕掛けを用意するのが効果的です。
ユーザーにとって投稿のハードルを下げるためにも、普段から投稿するハッシュタグを指定し、投稿を呼びかけましょう。
指定のハッシュタグが付いた投稿から、素敵な投稿をピックアップしてリポストするのもおすすめです。
4. UGCを投稿したくなる導線作り
UGCを獲得すると商品やサービスの認知度が広がり、UGCが発生する可能性も上がります。しかし、Instagramアカウント運用の初期段階でUGCを自然発生させるのは非常に困難です。
商品やサービスの認知度が低く、自社に関するハッシュタグが少ない場合は、自社に関するコンテンツを投稿してくれる可能性は低いでしょう。
アカウント運用の初期段階では、商品やサービスを紹介したくなるような導線や特典を作ることで、積極的なUGC獲得を目指すことが有効です。
たとえば、次のような導線や特典があります。
- 指定のハッシュタグをつけて投稿すると○○円割引
- 商品を紹介してくれた方に次回来店で使えるクーポンをプレゼント
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インスタでUGCを活用する流れ|中・長期編

キャンペーンやインフルエンサー施策は、短期間で効果が出やすい手法です。しかし、UGC生成は、中長期的な視点で効果を出すことが重要となります。
ここでは、中長期的にUGCを生成して活用する流れを解説します。
1. 独自のハッシュタグを設定する
キャンペーンの企画内容やブランドを伝えるために、企業オリジナルのハッシュタグを設定しましょう。
自社アカウントのプロフィールやキャプション内で、設定したハッシュタグを紹介し、ユーザーに使用を呼びかけます。
なお、初期段階ではUGCの自然発生が難しい可能性もあります。アカウントのプロフィールに使用を促す文章を記載したり、特典を用意したりと、投稿してもらえるような仕組みを作りましょう。
2. ユーザーの投稿を選定する
ユーザーによる投稿の中から、魅力的な投稿やイメージとマッチするものを選定しましょう。
ハッシュタグ収集ツールやUGCツールを利用することで、特定のハッシュタグや条件からコンテンツを絞り込んで収集できます。
UGC活用ツールを利用すれば、UGC収集を効率的に行えるようになります。自社のリソースに余裕がない場合は、UGC活用ツールの利用も検討しましょう。
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【比較5選】UGC活用ツールとは?導入するメリットや選び方、おすすめのツールを紹介
3. 使用の許可を取る
ユーザーの投稿を無断で使用すると、炎上や法的なトラブルに発展するリスクがあります。
必ずユーザーに使用許可を得た上でUGCを活用しましょう。Instagram上のコメントやダイレクトメッセージで使用したい旨を伝えるのが一般的です。
顔や企業のロゴなどが映っている場合は、肖像権・著作権・プライバシーなどに十分配慮しましょう。
4. リポストとして投稿する
使用の許諾を得たら、UGCをリポスト投稿しましょう。
元の投稿者が分かるよう、リポストでは画像内かキャプションにアカウント名を記載しましょう。引用元の情報はメンション機能を使うと便利です。
なお、UGCの著作権はユーザーにあるため、編集や加工はしてはいけません。キャプション内に投稿を活用した感謝を記載しておくと好印象です。
5. Webサイトや広告クリエイティブに活用する
自社のホームページやLPなどに口コミとして掲載する手法もあります。
他のユーザーが実際に商品やサービスを利用した感想や口コミを確認できることで、信頼獲得につながります。
あらかじめ、自社のマーケティング活動に使用する場合があるという旨を記載したり、利用許諾を取ったりと、トラブルには十分配慮しましょう。
インスタでUGCを活用した成功事例4選
ここからは、InstagramにおけるUGC活用の成功事例を紹介します。
1. JILL STUART Beauty
コスメブランド「JILL STUART Beauty」では、ユーザーによる投稿を紹介する「リポスト専用」公式Instagramアカウントを設けています。
UGCの活用を検討しているものの、ブランドイメージや世界観の保持などが障壁となり、なかなか踏み切れないという方もいるでしょう。
リポスト専用アカウントを設けることで、ブランドイメージを保ちつつ、ファンとのコミュニケーションを促しています。
2. ニトリ

家具・インテリアの「ニトリ」公式Instagramでは、ハイライト機能を使ってUGCを活用しています。
「お客様の投稿」というハイライトを作り、ニトリの商品を使っているユーザーの投稿をまとめて紹介しています。
商品を使ったときのイメージをしやすくなるほか、好意的なコメントを残すことで、ユーザーのファン化を促進している事例です。
3. H.I.S(タビジョ)
旅行代理店H.I.Sが運用するInstagramアカウント「タビジョ」では、「#タビジョ」でUGCを収集。約230万件を超える投稿があります。
ユーザーの投稿をリポストして、おすすめスポットとして旅先の魅力を発信しています。ただリポストするだけでなく、撮影場所や投稿者のコメントを軸にすることで、情報が濃いキャプションになっていることが特徴です。
さらに投稿に関連した多数のハッシュタグも添えられており、多くのユーザーの目に留まりやすくなる配慮もされています。
4. Canon LIFE with CAMERA
Canonのカメラの公式アカウントは、Canonユーザーが投稿した「カメラのある生活」を紹介するアカウントです。
指定のハッシュタグ「#LIFEwithCAMERA+#機材名」をプロフィールに記載し、オリジナルハッシュタグの投稿を促しています。
フォロワー数は10万人を超えており、Canonのカメラを使用した素敵な写真を通じて、コミュニティを築いていることがポイントです。
カメラを使うユーザーにとっては撮影の参考になったり、Canonの製品を知る良いきかけになっています。
インスタでUGCを活用するときの注意点
InstagramでUGCを活用する際は、以下の点に十分注意しましょう。
ここでは、それぞれの注意点について解説します。
投稿の炎上リスク
一般ユーザーによる投稿で、誤った情報や不適切な発言が拡散されると、炎上につながるケースも少なくありません。
ユーザーの投稿をリポストする際は、必ず画像やキャプションをチェックして問題ないかを確認しましょう。
ハッシュタグによるUGC活用の場合、迅速に対応できるようチェック体制を整えておくことが重要です。
著作権・肖像権のトラブル
UGCには著作権があるため、企業が使用する際にはユーザーの許可を得る必要があります。またユーザーの顔が映っている場合は、肖像権にも十分留意しましょう。
さらに、肖像権や著作権などの権利を、ユーザーが意図せずに侵害してしまう恐れもあるため注意が必要です。
UGCを活用する際は、ユーザーへの許可を取った上で、肖像権や著作権について十分確認しましょう。
インスタのUGC活用まとめ
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