海外からの旅行客は増加しており、訪日外国人向けの情報発信はますます重要視されています。
そんな中、地方自治体や観光地はどのようにSNSを活用しているか気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、SNSを活用したインバウンド対策の成功事例や、インバウンド集客でSNSを活用すべき理由、運用のコツなどについて解説します。
数多くあるSNSの中でも、観光業界やインバウンドと相性が良いのが「Instagram」です。現在Instagramは世界で10億人を超えるユーザーに利用されており、インバウンド集客において必要不可欠な存在です。
以下の資料では、Instagramで集客を成功させるために押さえておきたいポイント9つを解説しています。無料でダウンロードできますので、気になる方はお気軽にチェックしてください。

外国人のインバウンド集客にSNSを活用すべき理由
観光庁の訪日外国人の消費動向によると、外国人旅行者は出発前に個人のブログやSNSを中心に情報を得ていることが分かりました。
SNSは写真や動画コンテンツ、ハッシュタグだけで情報を発信できるため、その国の言語がわからなくても観光地などの魅力をアピールすることができます。
観光スポットの公式サイトを外国人向けにオープンするとなると、多言語に対応する金銭的コストや工数がかかります。
一方SNSであれば、ハッシュタグを上手く活用することで、旅行客に対して少ないコストでアピールできるのがメリットです。
インバウンド向けのSNS活用事例7選
ここからは、インバウンド向けのSNS活用事例を7つ紹介します。
1. 横浜市|観光名所の風景を英語で紹介
はじめに紹介するのは、横浜市のインバウンド向け公式Instagramアカウントの活用事例です。横浜の観光名所の風景が写真や英語テキストで紹介されています。
オリジナルハッシュタグ「#myyokohama」を用意しており、ユーザーによるハッシュタグ付きの写真は35万件を超えています。
このアカウントはユーザーの写真投稿=UGCのリポストを中心に運用していることから、コンテンツを用意する手間やコストを削減できている点が特徴です。
また多くのユーザーによって投稿されたUGCの中から、アカウントのカラーと親和性が高く、質の高いUGCを選定・活用できるのもメリットと言えるでしょう。
2. 京都市|舞妓変身スタジオ四季のアカウント運用
続いて紹介するのは、京都で舞妓変身を体験できる「舞妓変身スタジオ四季」が運営する、公式Instagramアカウント活用事例です。
このアカウントは外国語ではなく日本語で運用をしていますが、公式サイトに遷移すると、英語や中国語などで閲覧できるようになっています。
「#kyoto」「#geisha」「#japan_Trip」など英語のハッシュタグで外国人にもサービスを発信することで、日本人だけでなく外国人にもサービスを届けることができます。
このように完全に外国人向けのアカウントを運用するのではなく、ライトなインバウンド向けのSNS活用であれば、すぐにでも取り入れやすいでしょう。
3. 埼玉県|タイの人気インスタグラマーを招待
続いて紹介するのは、埼玉県で実施されたインバウンド向けのSNS活用事例です。
埼玉県の川越、長瀞、秩父、飯能エリアをPRするために、タイの人気インスタグラマー2名を「LOVE SAITAMAアンバサダー」に任命しました。
有名インスタグラマーのアカウントで埼玉の魅力をアピールしてもらう、代表的なインフルエンサーマーケティング施策です。
どちらのインフルエンサーもフォロワー100万人を超えており、実際の投稿でも3~4万件ほどの「いいね!」が付きました。タイ人に向けて埼玉県の認知拡大につなげるPR事例となっています。
4. 岐阜県高山市|アニメ映画の聖地を取り入れたPR施策
岐阜県高山市では、早くから多言語化などのインバウンド対策に取り組んできました。2016年には高山市の在住人口9万人の5倍以上となる、46万人の外国人宿泊数を突破しています。
世界的に大ヒットしたアニメ映画「君の名は。」の聖地としても有名となり、Instagramでは作中に出てきたスポット写真を投稿しています。
またオリジナルハッシュタグ「#hidatakayama」などをつけて英語でさまざまな写真を発信。アニメ映画の影響を活かしながら、SNSを上手に活用したインバウンド対策に取り組んでいます。
5. 高知県|外国人向け観光サイトやSNSを活用
続いて紹介するのは、高知県の観光情報Webサイト運用と「Visit Kochi Japan」のSNS活用事例です。
高知県が運営する「Visit Kochi Japan」は、公式サイトだけでなくYouTube、Instagram、Twitter、Facebookなど、幅広いプラットフォームで展開されています。
高知県は在日外国人訪問率や訪問数、インバウンド宿泊人数数などが全国的にみて少ない傾向にあります。一方で、平均宿泊日数は7.7泊とかなり高い数値であることから、訪日外国人の満足度の高さが伺えます。
6. 九州観光機構|九州観光キャンペーンの実施

画像引用:九州観光機構キャンペーン|Facebook
九州観光機構の公式Instagram、Facebookでは、海外在住の方を対象に「九州観光機構SNSキャンペーン」を実施しました。
「あなたの行きたい九州の観光スポット」などと、テーマごとにコメントを募集し、抽選で九州の周遊やお買い物に便利な景品をプレゼントするというものです。
応募時に九州の観光地やグルメ、魅力などについてコメントするため、九州に関する興味関心や理解度を自然に深めることができます。
中国語・タイ語・韓国語・英語などの多言語による発信のうえ、フォローとコメントのみで気軽に参加できるため、多くのユーザーに認知を広げられた良い事例のひとつです。
7. 豊岡市|インバウンド観光ウェルカムキャンペーンの実施
豊岡観光イノベーションでは、豊岡市とともに、米豪を中心とした英語圏や台湾に向けて、インバウンド観光ウェルカムキャンペーンを実施しました。
当キャンペーンでは、下記のような取り組みが行われています。
- 外国版Webサイト「Visit Kinosaki」にウェルカムページを設置
- ウェルカム動画配信
- 現地でのPRイベントの実施
- 特典付き宿泊プランの予約受付
- Instagramハッシュタグキャンペーン
- JR-WEST RAIL PASSタイアップ企画
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YouTubeではウェルカム動画を作成し、インストリーム広告を配信。また現地でのPRイベントを実施することで、外国人に向けてダイレクトに豊岡市を宣伝しました。
各言語での特設サイト制作はもちろん、Instagram、Twitter、YouTube、TikTok、Facebookなど幅広いSNS上で誘客・認知拡大に取り組んでいる事例です。
インバウンド向けのSNS活用事例から見る運用のコツ
インバウンド向けのSNSとして注目を集めるには、どのようなコツがあるのでしょうか。
- 観光名所を英語で紹介する
- ハッシュタグを活用する
- 外国人インフルエンサーを招待する
- 特化型アカウントを運用する
ここでは、それぞれの運用のコツについて解説します。
観光名所を英語で紹介する
観光庁の訪日外国人の消費動向によると、出発前に役に立った旅行情報源の言語では、「英語」が50.9%と最も高い数値となっています。
次いで、中国語(繁体字)が26.9%、中国語(簡体字)が23.5%、日本語が14.0%、韓国語が11.3%という結果です。
英語でのSNS運用は、訪日外国人の流入のためには必須と言えるでしょう。なお、可能な限り中国語(繁体字、簡体字)や韓国語などでの情報発信も行うのがおすすめです。
キャンペーンを実施する
国内に限らず、海外観光客や在日外国人に向けて、旅行券やお買い物券などをプレゼントする「SNSキャンペーン」を実施するのも効果的です。
一口にSNSキャンペーンと言ってもさまざまな手法がありますが、観光地の認知拡大や理解度の向上、誘客につなげることができます。
またフォトコンテスト型式のSNSキャンペーンを実施して、ユーザーによる写真や動画、口コミなどの投稿=UGCを集める方法もおすすめです。
以下の資料では、Twitter上でキャンペーン施策を行う際に押さえておきたいポイントを事例でチェックできます。 今後Twitterにおけるフォロー&リツイートキャンペーンをご検討中の方はぜひご覧ください。

外国人インフルエンサーを招待する
ターゲットとなる国がある場合は、その国で影響力が高い人物にPRしてもらう方法もあります。
各国で有名なインフルエンサーをアンバサダーとして起用して、実際に現地に招待して発信してもらうことで、多くの人からの認知を得ることが可能です。
また日本語や簡単な外国語では伝わりにくかったことも、ネイティブな言語で伝えることができるため、ダイレクトに魅力を発信してもらえます。
ハッシュタグを活用する
SNSではハッシュタグ検索が非常に重要視されており、とくに外国人に向けて発信するならハッシュタグを上手に活用することは必要不可欠です。
たとえば、「#kyoto」「#mtfuji」など場所や地名を表すハッシュタグは基本です。他にも日本らしい「#kimono」「#geisha」なども人気があります。
また海外の旅行好きが検索する「#japan_trip」「#beautifuljapan」などのハッシュタグも多くのリーチが期待できるでしょう。
ただし、投稿数の多いハッシュタグばかりをつけると投稿が埋もれてしまいます。注目を集めるためには、多くの人に見てもらいやすいハッシュタグを適切に活用することが大切です。
SNSでインバウンド集客のチャンスを広げよう
日本に限らず、インバウンド市場においても各国でデジタルシフトが加速しており、とくにSNSはインバウンド集客に強い影響を与えています。
SNSを上手く活用することで、インバウンド客を集めるだけでなく、一度来訪した外国人観光客をファン化してリピーターに育てることもできるでしょう。
またインバウンド集客に限らず、SNSマーケティングでは、各SNSのアクティブユーザー数や利用者層などを把握したうえで、適切な施策を講じることが大切です。
どのプラットフォーム上でSNSを活用すべきかお悩みの方はぜひ以下の資料をご参考ください。
- Twitter/Instagram/TikTok/LINEなどの様々なSNSの強みや特徴
- 各SNSの利用層の詳細
- 各SNSに最適なキャンペーン施策の詳細 など
