Z世代は生活の一部にSNSが密接に関係しており、複数のSNSを目的に合わせて使い分けることが一般的です。
今や情報収集や検索を消費を通じて、膨大な情報から必要なものを自ら取捨選択する力が身についており、SNSは消費を後押しする力を持っていると言えます。
この記事では、Z世代とSNSの関係性や人気のSNSアプリ、効果的なSNSマーケティングの手法などについて解説するので、ぜひ参考にしてください。
Z世代とは
Z世代とは、主に1996年~2010年頃に生まれた世代のことを指します。
Z世代は、インターネットやスマートフォン、SNSが一般的に利用されている時代に育っており、「デジタルネイティブ世代」とも呼ばれています。
なお、2010年生まれ以降はα世代として定義づけされています。
多岐にわたるデジタルサービスを当たり前に利用するZ世代は、流行を発信するとともに、消費において重要な役割を担っているのです。
新聞やテレビといった媒体よりも、YouTubeやSNSなどのインターネットを利用する時間が多い傾向にあります。
Z世代向けのマーケティング施策を展開する際は、Z世代の間で利用されているSNSの特徴や施策例について把握しておくことが重要です。
Z世代のSNS利用率は95%
TesTeeが実施した学生の男女4226人を対象にした調査によると、Z世代である中学生・高校生・大学生のSNS利用率は以下の結果になりました。
中学生:97.3%
高校生:98.9%
大学生:97.9 %
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引用:「Z世代がよく使うSNS 2位「Instagram」、1位は?|Z世代4200人にアンケート」
10~20代の利用率が最も高いSNSは「LINE」で約9割の利用率でした。Instagramもいずれの年代・性別においても利用率は6~8割と高い割合を占めています。
また、他の年代では入っていないTikTokが中学生では3位にランクインしており、若年層を中心にTikTokの利用率が高い傾向にあるようです。
さらに総務省の調査によると、平日・休日ともに10~20代の若年層のSNS利用時間は長く、平日・20代では100分を超えるほど。
若年層にとっては、SNSが日常生活の一部として頻繁に利用されていることが分かります。
Z世代は「デジタルネイティブ」
Z世代は、1996年~2012年に生まれた世代で、幼い頃からスマートフォンやタブレットなどのデジタルデバイスに触れて育った「デジタルネイティブ」です。
Z世代の意思決定ではインターネットが関わることが多く、買うものや遊びに行く場所はInstagramやTikTokなどのSNSで目星をつけています。
また、購買行動や消費行動の決定要因には「SNSに載せる」が存在します。少し高額であっても映えるものや、SNSに載せたいから買おうという動機も少なからずあるようです。
Z世代は「コスパ」と「個性」を重視
Z世代は、ミレニアル世代(1980年〜1995年に生まれた世代」が同世代であった時と比較して、貯金への意欲が高まっている傾向にあります。
そのため、ミレニアル世代に比べると、Z世代はコストパフォーマンスが高い商品・サービスに魅力を感じやすいのが特徴です。
また、ミレニアル世代は、中高生の頃にブランド品が流行しており、ブランドを着飾ることがファッションセンスのアピールポイントでした。
それに比べて、Z世代は、ブランドイメージに自身を当てはめるのではなく、自分らしさや個性を尊重する傾向にあります。
これらは海外の調査ということもありますが、SNSの普及が広がり、自身の意見やオリジナリティを発信する人が多いことも特徴のひとつです。
Z世代は現実的で節約志向が強く、ブランドが常に革新的であることを望んでいる一方、ミレニアル世代は理想的で、経験を得るためのお金は惜しまず、お気に入りのブランドに愛着を持っているということでした。
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参照:Salesforce japan
【2024年最新】Z世代に人気なSNS
ここでは、Z世代に人気のあるSNSを表にまとめました。Z世代が各SNSをどのように利用しているのか、以下をぜひ参考にしてみてください。
SNS
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特徴
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Instagram
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・ストーリーズ機能を頻繁に活用
・好きな情報や最新トレンドを集めたい
・InstagramのDMがLINEに代わるコミュニケーションツールに
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TikTok
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・娯楽目的
・トレンドをいち早く収集したい
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Twitter
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・最新情報をリアルタイムで発信・収集したい
・趣味が合う人とつながりたい
・広報や宣伝目的として利用
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LINE
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・友達や家族との会話を楽しみたい
・個人やグループ間の連絡手段
・公式アカウントに登録してお得な情報を得たい
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YouTube
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・好きなエンタメや情報を見たい
・知らない情報を調べたい
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Facebook
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・リアルな友達や知り合いとつながりたい
・ビジネスシーンで活用して知名度を上げたい
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Z世代に人気なSNSアプリの特徴10選
ここからは、Z世代に人気な5大SNSアプリの特徴を解説します。
1. X(Twitter)
X(Twiter)は140文字以内の短文テキストを投稿できるSNS。2017年時点では、月間4,500万人を超えるアクティブユーザー数を抱えています。
情報の拡散性やリアルタイム性が高く、情報収集のツールとしても多く利用されていることが特徴です。
Z世代の多くは、公にツイートする「メインアカウント」のほかに、よりプライベートな発言をする「裏垢」、趣味や推し活でつながる「趣味垢」など、複数のアカウントを使い分ける人が多い傾向にあります。
2. Instagram
Instagramは画像や動画をメインにしたビジュアル重視のSNSです。
Z世代の多くでは、Instagram内でファッションやコスメ、グルメなどの情報収集を行い、ハッシュタグ検索などでトレンドを把握することが多い傾向にあります。
また、アプリ内にはショッピング機能があり、Instagramで新しい商品を発見して購入するといった、購買の流れにつなげやすいことも特徴です。
3. LINE
LINEはZ世代のSNS利用率が最も高く、個人やグループ間でのやり取りに使われているSNSです。
他のSNSに比べて検索性が低く、情報収集というよりはコミュニケーションツールとして広く普及しています。
近年では、公式LINEでお得な情報やクーポンを取得したり、デジタル会員証として利用したりなど、クローズドならではの活用方法が目立っているようです。
4. YouTube
YouTubeは、世界中の動画コンテンツを楽しめる動画プラットフォームです。
Z世代の間では、YouTuberやVtuberなどインフルエンサーの動画を視聴したり、音楽やMVを視聴したり、エンタメとして動画コンテンツを楽しむ人が多い傾向にあります。
画像やテキストに比べて伝えられる情報量が多いため、動画でより詳しい内容を把握するために利用するケースも多いようです。
5. TikTok
TikTokは最大10分の動画を撮影・編集・投稿できるSNSです。
短い動画がタイムラインに次々と流れるため、1日に何度も起動してしまうユーザーも多く、1日の平均起動回数は43.3回というデータも報告されています。
またTikTokはトレンドの移り変わりが非常に激しく、Z世代ではトレンドの把握や娯楽目的として広く利用されている傾向にあります。
6. Threads
Threads(スレッズ)は、2023年7月、InstagramやFacebookなどを運営するアメリカのMeta社がリリースしたSNSです。
アカウントを登録する際にはInstagramアカウントとの連携が必要になります。
X(旧Twitter)の仕様変更や有料化などの影響を受けて、「Twitterの代わりになるのではないか?」と注目を集めました。その結果、登録者数は1日で3,000万人を超え、その後も続々と利用者数を増やしています。
■関連記事
Threads(スレッズ)とは?機能や使い方、ビジネス活用事例4選を紹介
7. Bluesky
出典:Twitter代替の分散型SNS「Bluesky」がApp Storeに追加
Bluesky(ブルースカイ)は、2019年に発表された新たな分散型SNSで、2019年にTwitterの共同創業者であるジャック・ドーシーらが発案しました。
以前までは招待制でしたが、2024年2月に招待不要で利用開始できるサービスとして一般公開されました。
Blueskyでは、広告収入に頼るビジネスモデルは相性が悪いとして、広告以外の手段で収益を得る戦略を取っているそうです。
8. BeReal
参照:BeReal. リアルな日常を友達と。
BeRealは、日常の瞬間をランダムに撮影し共有するSNSです。自分がどこにいて何をしているかを友達にシェアし、リアルな日常を投稿するのが大きな特徴です。
通知が届いたタイミングで2分以内に投稿するため、他のSNSのように映えを意識して撮影したり、写真を加工したりすることはできません。
自分を偽らず、リアルな日常生活の一部をシェアするという点がZ世代の間で大きく流行が広がっているようです。
BeRealの公式アカウント機能は2024年2月に実装されました。広告機能はないものの、ファンとのコミュニケーションや育成などに役立つでしょう。
9. GRAVITY
参照:GRAVITY-気楽に話せる、やさしいSNS(匿名チャット)
GRAVITYは、HiClub株式会社によって提供されている匿名性の高いSNSです。
文章や写真を投稿し、他ユーザーからいいねやコメントを受け取ったり、チャットや音声通話を行うこともできます。
性別・年齢・出身・職業などにこだわらず、自分と似た価値観や雰囲気を持つユーザーと会話を楽しめるのが大きな特徴です。
自身と他者アカウントの区別がつきにくく、プロフィールからアカウントの格差が生じず、「SNS疲れ」を感じているユーザーに多く利用されています。
10. Yay!
参照:https://yay.space/
Yay!(イェイ)は、株式会社ナナメウエが開発・運営する、同世代とつながる趣味の通話コミュニティSNSです。
共通の趣味を持つユーザーが集まり、オンライン上で何気ない日常や好きなことを気軽に投稿したり、グループ通話やサークルなどで交流を楽しめます。
特に10~20代前半の利用者が多く、24歳以下が約85%を占めており、2023年5月時点で累計会員数が650万人を突破。
なお、AIによる不適切な投稿の自動検知やユーザーからの通報機能、年齢制限、スクリーンショット通知機能など、安全面にも配慮されています。
以下の資料では、どのSNSを運用すれば自社のターゲットに届くのかについてや、各SNSの強みなどを解説しています。
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Z世代のSNSの使い方
SNSは、Z世代の間でどのように使われているのでしょうか。
目的に応じて複数のSNSを使い分ける
Z世代は、各SNSの特徴や目的を踏まえて、複数のSNSを使い分けていることが特徴です。
たとえば、Instagramは「おしゃれ」「可愛い」などビジュアルに富んだ内容が求められ、YouTubeは「楽しい」「面白い」などバラエティ的な内容が好まれます。
Twitterは、その瞬間のトレンドや流行などの速報的なチェックが中心です。
Z世代に刺さる訴求を行うためには、各SNSの特徴を把握したうえで、適切な訴求をおこなう必要があります。
調査の上で自身が良いと思うものを選ぶ
Z世代は情報検索が得意なユーザーが多く、商品やサービスを購入する前にリサーチをおこなう人が多い傾向にあります。
SNSを通してさまざまな広告を目にして多くの情報に触れるため、選択肢が豊富であることから、商品購入に至るまで慎重になる場合が多いです。
その中から自身が良いと思うものを選ぶという欲求が高く、自身が納得して価値を感じたものには支出を惜しまないと言えるでしょう。
Z世代の購買行動とSNSマーケティング
ここからは、Z世代の購買行動とSNSマーケティングの関係について解説します。
購買のきっかけをもたらすSNS
引用:若年層がSNS広告を見て商品やサービスを購入する理由
株式会社oneによるZ世代向けの調査によると、「商品・サービスを購入するきっかけになった広告媒体」は、SNSが63.8%で最も多い結果になりました。
次いで「テレビ」の55.9%、「ウェブ」の29.8%と続きます。
この結果により、テレビの広告よりも、SNSやWebといったインターネットのほうが、Z世代の消費行動における意思決定で重要であることが分かります。
SNS広告で初めて知った商品を購入
引用:若年層がSNS広告を見て商品やサービスを購入する理由
同調査でSNS広告がきっかけで購入した商品・サービスは広告を見る前から興味があったかを質問したところ、「その商品・サービスを買う予定はなかった」「広告を見てその商品・サービスを初めて知った」と回答した人が平均で72%という結果になりました。
7割以上の回答者は、もともと購入予定はなかったのにもかかわらず、SNS広告がきっかけで購入を行っていたことが分かります。
広告の魅力やキャンペーンに惹かれて商品を購入
引用:若年層がSNS広告を見て商品やサービスを購入する理由
また、SNSがきっかけで商品・サービスを購入した理由を聞いたところ、下記のような回答となりました。
魅力的な広告だったから…47.2%
キャンペーンをしていたから…39.2%
ちょうど購入したいタイミングだったから…29.7%
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SNS広告には精度の高いターゲティング機能もあるので、自社のターゲット層に訴求しやすい点も、SNS広告が刺さりやすい要因となっているのかもしれません。
また、SNSキャンペーンで商品の認知が広がったり、クーポンによってお得に購入できたりと、キャンペーンがきっかけで購入するユーザーも多いようです。
Z世代に効果的なSNSマーケティング
Z世代に有効なSNSマーケティングの手法は、下記の3つがあります。
- UGCマーケティング
- SNSキャンペーン
- インフルエンサーマーケティング
ここからは、それぞれの手法について解説します。
UGCマーケティング
UGCマーケティングは、ユーザーが投稿する口コミやコンテンツ(UGC)を活用し、広告感のないプロモーションを行えるのが大きなメリットです。
UGCを自社SNSで紹介したり、メディアへ掲載することで、購入を迷っているユーザーへの後押しになります。
Z世代は購入に至るまで入念な事前リサーチを行う人が多いため、SNS上での口コミ生成・活用はこれから非常に重要視されていくと言えるでしょう。
Z世代向けのSNSマーケティングで必要不可欠ともいえる「UGC」にのメリットや活用ポイント、成功事例ついては、下記の記事もぜひチェックしてみてください。
■関連記事
UGCマーケティングの活用事例3選|メリットとポイントについても紹介
SNSキャンペーン
SNSキャンペーンは、SNS上で実施するプレゼントキャンペーンのことで、フォロワー増加や拡散効果が見込める施策の1つです。
また自社商品やブランドの認知拡大にもつながるので、短期的な集客や売上アップが狙えるメリットもあります。
Z世代に効果的なSNSキャンペーンを実施するためには、各SNSの特徴を踏まえたうえで、Z世代にとって価値のある景品を用意することが大切です。
下記の記事では、SNSキャンペーンを実施するメリットや事例、実施手順などについて詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
■関連記事
SNSキャンペーンとは?メリットや注意点、手順、成功事例を徹底解説
TikTokの投稿キャンペーンとは?メリットや注意点、おすすめツールも紹介
インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングは、自社の既存顧客やフォロワー以外のユーザーに認知を広げられる施策の1つです。
たとえば、商品や店舗の宣伝を依頼したり、コラボ企画を実施したりとさまざまな活用方法があります。
SNSで影響力のあるTikTokerやYouTuberなどのインフルエンサーによる宣伝は、Z世代にとって非常に効果的なアプローチ方法と言えるでしょう。
ハッシュタグ最適化
ハッシュタグ最適化とは、名の通りSNS投稿におけるハッシュタグを最適化するための施策です。
とくにSNSの中でも、Instagramにおいてハッシュタグ検索は非常に重要な役割を担っています。
Z世代の間では、InstagramをはじめとするSNSでの情報収集が当たり前になっています。SNS投稿を参考に商品を購入したり、店舗に足を運んだりすることが一般化しているのです。
そのため、自社やターゲット層に関連するハッシュタグで上位表示させられれば、多くのユーザーに認知してもらいやすくなるというメリットがあります。
InstgramのSEOやハッシュタグ最適化の必要性、ポイントなどについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひ参考にしてください。
■関連記事
InstagramのSEOとは?必要性や覚えるべきこと、最適化するポイントを解説
Instagramのハッシュタグ検索を最適化したいとお考えの方は、弊社が提供する「ハッシュタグSEO」についてぜひ下記からチェックしてみてください。
Z世代に効果的なSNSマーケティング事例
ここからは、Z世代に効果的なSNSマーケティングの事例を紹介します。
1. SEA BREEZE
Z世代に人気の制汗剤「SEA BREEZE」の公式Xアカウントでは、11月4日・いい推しの日に合わせてSEA BREEZEをPRする投稿をおこないました。
8色展開の豊富なカラーバリエーションに合わせて、推しのメンバーカラーやイメージに合う色を選ぶ「推し活」にぴったりであることを訴求しています。
近年推し活に伴う消費行動が盛んになっており、とくにZ世代へのアプローチに効果的とされています。
Z世代のなかでは「推し」の存在がスタンダードになりつつあり、こうした層にアプローチしているマーケティング戦略です。
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推し活とは?成功に導くSNSマーケティング戦略のコツと成功事例5選
2. ロートコスメ部
ロート製薬のInstagramでは、同社製品のコスメ「メンソレータム フラッシュティントリップ」モニターレビューを紹介しています。
モニター企画に当選した人の投稿を抜粋して紹介しており、モニター投稿を見たユーザーが「商品を購入してみたい」と思ってもらえるような後押しにつながっています。
オリジナルハッシュタグ「#ロートコスメ部」も用意しており、UGC創出や二次拡散につながっています。
3. coloria(カラリア)
香りの定期便「coloria(カラリア」は、約1,000種類のラインナップから毎月新しい香りを選んで少量ずつお試しできるサービスです。
カラリアのInstagramでは、サービスの色を押し出さず、香水の紹介に特化した投稿を行っています。
Instagramで香水を探す人にリーチし、気になっている香水をcoloriaで試すという選択肢を提示することで、双方にメリットを持たせた広告感のないPRが可能です。
coloriaは、2019年より香水ブランドを立ち上げ、「利用者の6割が20代」というZ世代へのマーケティングに成功しています。
Z世代にはSNSマーケティングを上手に活用しよう
今回は、Z世代におけるSNSの利用傾向や、効果的なSNSマーケティング手法について解説しました。
SNSをきっかけに商品購入に至る人は非常に多く、Z世代向けの商品やサービスにおいて、今後もSNSマーケティングを強化していくことが求められるでしょう。
Z世代に高い効果が見込める「SNSキャンペーン」や「UGCマーケティング」を実施したい方は、OWNLYまでご相談ください。