昨今、「推し活」による経済効果は計り知れないものとなり、多くの企業の間でSNS運用やマーケティング戦略に取り入れる動きが見られています。
そんな中「推し活とはどういうものか」「どうやってマーケティングに取り入れるべきか」とお悩みの担当者の方もいるのではないでしょうか。
この記事では、推し活が流行った理由や推し活マーケティングが注目される理由、成功事例、活用のコツなどについて徹底解説します。

推し活とは
推し活とは、自分が好きな存在を応援する活動のことを総称する言葉です。
アイドル、俳優、芸人、インフルエンサー、スポーツ選手などの実在する人物から、アニメなど二次元のキャラクター、2次元と3次元の中間にある「Vtuber」など、“推し”の対象は多岐にわたります。
近年では、オタク文化が一般化しつつあり、ポジティブなイメージが浸透し始めたことから、推し活に伴う消費行動が盛んになりました。
さらには、推し活による消費行動だけでなく、ファン自らが発信者として商品やサービスのPRを請け負ってくれる可能性も秘めているのです。
推し活の具体例
ひとくちに「推し活」といっても、人によってさまざまな楽しみ方があります。
たとえば、イメージしやすいのがライブや握手会などのイベント参加、グッズ購入などです。ほかにも、推しの生誕祭の実施や聖地巡礼など、さまざまな角度から推し活は楽しまれています。
- コンサート、握手会、展示会などのイベント参加
- 推しに所縁のある場所への聖地巡礼
- ファンクラブ加入・グッズ購入
- 推しのグッズ制作・購入
- 推し不在の生誕祭の実施 など
|
また推し活は、推しているグループや作品を通じてコミュニティを形成していることも特徴です。
「自慢したい」「思い出に残したい」といった心理から、推し活によってコミュニティが活性化するため、UGCや口コミが積極的に生まれやすくなります。
推し活が流行った理由
推し活ブームが起きた理由として、新型コロナウイルスの存在が挙げられます。
コロナ禍で生活に大きな影響を及ぼす中、消費行動の傾向においても大きな変化が見られました。
動画や電子書籍、漫画など自宅で楽しめるコンテンツに関心が向き、自分自身よりも自分が好きなことやモノにかける消費が増えていったのです。
さらに、SNS上では推しに対する共感・発信によるコミュニティの構築を可能にしました。
SNSが発展することで、「応援したい」「魅力を発信したい」というニーズが満たされていることも、推し活が流行った背景の1つと言えます。
推し活マーケティングが注目される理由
推し活の流行により、近年多くの企業が「推し活マーケティング」に力を入れています。
推し活マーケティングは、なぜここまで注目されるのでしょうか。
推し活の経済効果は大きい
推し活は1人あたりの消費額も大きく、数百億円といった経済効果を生み出しています。
通常の消費行動では、「ほしい」という気持ちに起因することが多いでしょう。
一方、推し活では、自分がほしいものでなくとも「売上=推しに貢献できる」と考えて消費行動を起こします。そのため、消費に伴う罪悪感や後悔といったネガティブな感情が生まれにくいことも大きなメリットです。
街頭ビジョンに広告を出稿したり、推しのために大規模な誕生日会を開いたりなど、1人ひとりの大きな熱量が大きな経済効果をもたらしているのでしょう。
Z世代へのアプローチに有効
推し活は、10〜20代を中心とするZ世代に効果的なアプローチとして注目されています。
Z世代はこれからの消費を担う世代であり、昨今はZ世代を対象としたマーケティングの重要性が高まりつつあります。
株式会社SHIBUYA109エンタテイメントが実施した「Z世代のヲタ活に関する意識調査」によると、約8割以上のZ世代が「推しがいる」と回答しました。

出典:SHIBUYA109 lab.
さらに、推し活に使用する金額は、年間で平均46,650円という結果に。

出典:SHIBUYA109 lab.
このように、Z世代の若者のなかでは「推し」の存在がスタンダードになりつつあり、「推し活」が一種のステータスと感じていると考えられます。
以下の資料では、日本国内で利用されているSNSの利用状況と具体的な活用シーンを効果別に解説しています。
「自社のサービスはどのSNSが合うの?」「今から参入すべきSNSは?」とお悩みの方は是非ご参考ください。

推し活×SNSマーケティングの成功事例5選
ここからは、推し活をテーマにしたSNSマーケティングの成功事例を紹介します。
1. WILLER TRAVEL|推し活応援キャンペーン
高速バスのWILLER TRAVELでは、「推し活応援キャンペーン」と称して、フォロー&リツイートキャンペーンを実施しました。
応募した人の中から抽選で3名の方に、往復拘束バス費用全額援助相当のWILLERポイントをプレゼントするというものです。
推し活層を対象とすることで、普段リーチしにくい層に向けて認知を広げました。同サービスのポイントを景品にすることで、新規顧客の獲得・ファン育成につながっています。
以下の資料では、Twitter上でキャンペーン施策を行う際に押さえておきたいポイントを事例で確認できます。
今後Twitterにおけるフォロー&リツイートキャンペーンをご検討中の方は是非ご確認ください。

2. アニメ・おそ松さん|松野家6つ子生誕祭2020企画
TVアニメ「おそ松さん」の公式Twitterでは、「松野家6つ子生誕祭2020企画」として、6つ子への誕生日メッセージを募集する企画を開催しました。
指定のハッシュタグを付けて66文字以内で投稿し、メッセージによってデザインされた特別ビジュアルを別サイトで公開するというものです。
普段キャンペーンに参加しない層に「参加したい」と思わせるような企画を実施することで、多くのUGC生成に成功。特設ページでは、ハッシュタグ付きの投稿が自動で掲載されるようになっています。
3. WOWOW総合|推し活抱負キャンペーン
テレビ局・WOWOWの公式Twitterでは、推し活の抱負を募集するプレゼントキャンペーンを実施しました。
フォロー&RTで応募できるうえに、ハッシュタグ付きでコメントすることで当選確率がアップするといった内容となっています。
RTだけでなく、ハッシュタグ付きツイートによってさらに拡散効果が見込まれるほか、UGC生成にも成功しています。
また景品を限定的にしておらず、デジタルギフト券にすることで多くの参加者を獲得したと言えるでしょう。
4. SEA BREEZE|「#いい推しの日」を軸にPR
デオドラント製品を販売する「SEA BREEZE」では、豊富なカラーバリエーションのボトルが魅力の「デオ&ウォーター」を展開しています。
それぞれの香りごとに8色のボトルが販売されており、11月4日(いい推しの日)を軸にして商品をPRしました。
クリエイティブでは、推しのペンライトでイメージカラーを連想させたり、パッケージを推し活風にデコレーションしたりと、推し活層に向けて訴求を行っています。
5. タワーレコード|推し活グッズアカウントの運用
大手CDショップ「タワーレコード」では、同社オリジナルの推し活グッズの販売に力を入れており、専用のTwitterアカウントも運用されています。
グッズの利用方法やおすすめの活用方法などを発信しており、画像や動画クリエイティブを使って推し活グッズをPRしています。
同社では、毎月4日を「#タワレコ推しの日」に設定し、お得な割引やキャンペーンを実施したり、UGCを積極的にRTしたりと、さまざまな工夫が凝らされています。
推し活の熱量をSNSマーケティングに活かすコツ
推し活をマーケティングに活かすには、下記のコツが大切です。
- 推し活と自社商品の接点を探す
- 応援したい気持ちに寄り添う
- シェア・拡散したくなる要素を含める
ここからは、それぞれのコツについて解説します。
推し活と自社商品の接点を探す
推し活の内容はさまざまで、推し活を軸としたマーケティングのヒントも多くあります。推し活をテーマにした商品開発が難しい場合であっても、多様な施策と相性が良いと言えるでしょう。
推し活と相性の良い商品やサービスなど、接点が持てそうなものを探し出せば、大きな成果につなげられます。
代表的なものでは、推しのイメージカラーに沿った商品やサービスを提供する「推しカラー」などが取り入れやすいでしょう。
応援したい気持ちに寄り添う
推しとのコラボ企画を実施するときは、ファンが望む施策になっているかを見極めることが大切です。
推し活をするファンにとって、あくまで主役は推しの存在であり、消費行動の原動力は「推しに貢献すること」であることが多いのです。
ファンにネガティブな印象を与え、反感を買ってしまうことがあれば、大きな炎上や不買運動につながってしまうリスクがあります。
ファンにポジティブな印象を持ってもらうためには、推しの魅力を活かしたうえで、応援したい気持ちに寄り添うことが大切です。
シェア・拡散したくなる要素を含める
推し活マーケティングを成功させるには、SNSでシェアしたくなる要素を含めることも大切です。
推し活は1人で楽しむのではなく誰かと共有して楽しむ層も多く、誰かと共有し合うことでより充実感を覚えるという傾向があります。
SNSで拡散を狙うために取り入れやすい施策として挙げられるのがSNSキャンペーンです。キャンペーンの実施を検討している方は、ぜひ下記も参考にしてください。
■関連記事
SNSキャンペーンとは?メリットや注意点、手順、成功事例を徹底解説
推し活を自社のSNSマーケティングに活用しよう
日常生活や消費行動に大きな影響を与える「推し活」。Z世代を中心に、今後も推し活市場は拡大し続けることが予想されます。
推し活マーケティングには、コラボ企画だけでなく、自社商品と推し活そのものを絡めたキャンペーン企画などさまざまな工夫が行えます。
今回紹介した事例を参考に、多様な施策を検討してみましょう。
推し活マーケティングを実施するなら「OWNLY」の活用がおすすめです。
OWNLYでは、15種類以上のSNSキャンペーンやUGCマーケティング、スマホ向け縦型動画の制作代行など、SNSに関するさまざまなサポートをおこなっています。
OWNLYのサービス内容や料金などについては、下記の資料で詳しく紹介しています。無料でダウンロードできるので、企業の運用担当者さまはぜひご覧ください。
