海外からの旅行客は増加しており、訪日外国人向けの情報発信はますます重要視されています。
そんな中、地方自治体や観光地はどのようにSNSを活用しているか気になる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、SNSを活用したインバウンド対策の成功事例や、インバウンド集客でSNSを活用すべき理由、運用のコツなどについて解説します。
数多くあるSNSの中でも、観光業界やインバウンドと相性が良いのが「Instagram」です。現在Instagramは世界で10億人を超えるユーザーに利用されており、インバウンド集客において必要不可欠な存在です。
以下の資料では、Instagramで集客を成功させるために押さえておきたいポイント9つを解説しています。無料でダウンロードできますので、気になる方はお気軽にチェックしてください。

インバウンド集客にSNSを活用すべき理由
観光庁の訪日外国人の消費動向によると、外国人旅行者は出発前に個人のブログやSNSを中心に情報を得ていることが分かりました。
SNSは写真や動画コンテンツ、ハッシュタグだけで情報を発信できるため、その国の言語がわからなくても観光地などの魅力をアピールすることができます。
観光スポットの公式サイトを外国人向けにオープンするとなると、多言語に対応する金銭的コストや工数がかかります。
一方SNSであれば、ハッシュタグを上手く活用することで、旅行客に対して少ないコストでアピールできるのがメリットです。
インバウンド集客に向いているSNS
インバウンド集客では、ターゲットとなる国や地域ごとに利用されているSNSが大きく異なります。
訪日外国人に効果的にアプローチするためには、各SNSの特徴やユーザー層を理解したうえで使い分けることが重要です。
- Instagram
- YouTube
- Facebook
- X(旧Twitter)
- Weibo(微博)
- 小紅書(RED)
Instagram
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アクティブユーザー数
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約20億人以上(世界全体)
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主な年齢層
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18〜34歳中心
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利用者が多い国
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アメリカ、インド、ブラジル、日本、インドネシア など
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Instagramは、写真や動画を中心に情報収集が行われるSNSです。特に若年層〜ミレニアル世代の利用が多く、旅行先の検討段階で参考にされやすい点が特徴です。
旅行に関するハッシュタグ検索や位置情報から投稿を閲覧するユーザーも多く、観光地・飲食店・宿泊施設などの情報を視覚的に伝えやすい媒体といえます。
実際に訪れた人の投稿(UGC)が蓄積されやすく、信頼性の高い情報源として活用されるケースも少なくありません。
インバウンド集客においては、ハッシュタグや位置情報の最適化に加え、海外ユーザーが理解しやすい言語でのキャプションも重要です。
YouTube
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アクティブユーザー数
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約25億人以上(世界全体)
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主な年齢層
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18〜44歳中心(幅広い年代に利用)
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利用者が多い国
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インド、アメリカ、ブラジル、日本、インドネシア など
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YouTubeは、動画を通じて情報収集や比較検討を行うユーザーが多いプラットフォームです。年齢層の幅が広く、若年層だけでなく30代〜40代以上にもリーチできる点が強みです。
また、検索エンジンとしての役割も強く、「Tokyo travel」「Japan food」などのキーワード検索から流入が発生しやすい点も特徴です。
インバウンド集客では、英語や中国語など多言語でのタイトル・字幕対応を行うことで、海外ユーザーへのリーチを拡大できます。継続的にコンテンツを蓄積することで、中長期的な集客チャネルとして機能するでしょう。
Facebook
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アクティブユーザー数
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約30億人以上(世界全体)
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主な年齢層
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25〜54歳中心
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利用者が多い国
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インド、アメリカ、インドネシア、フィリピン、ベトナム など
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Facebookは、実名登録を前提としたSNSであり、比較的年齢層が高いユーザーが多い点が特徴です。旅行においては、家族旅行や長期滞在など、計画性の高い層へのアプローチに適しています。
特に、現地の観光情報や施設情報をまとめて掲載できる「ページ機能」は、公式サイトの代替として閲覧されるケースもあります。
旅行関連のグループやコミュニティに参加することで、興味関心の高いユーザーに直接情報を届けることも可能です。
インバウンド集客では、英語を中心とした情報発信に加え、ターゲット国に合わせた言語対応が重要です。信頼性の高い情報を継続的に発信することで、訪日前の検討段階から接点を持ちやすくなります。
X(旧Twitter)
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アクティブユーザー数
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約5〜6億人(世界全体)
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主な年齢層
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18〜34歳中心
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利用者が多い国
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アメリカ、日本、インド、ブラジル、インドネシア など
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X(旧Twitter)は、リアルタイム性と拡散力に優れたSNSです。
旅行領域では、「今話題のスポット」「期間限定イベント」など、速報性の高い情報との相性が良い点が特徴です。
また、ハッシュタグを活用した検索行動も活発で、特定の地域名や観光キーワードを組み合わせることで、訪日前のユーザーにもリーチしやすくなります。
リポスト機能による二次拡散も起こりやすく、少ないフォロワーでも情報が広がる点は大きなメリットです。
イベント情報や現地の「今」を継続的に発信することで、訪問意欲の喚起につながるでしょう。
Weibo(微博)
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アクティブユーザー数
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約6億人以上
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主な年齢層
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18〜40代中心
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利用者が多い国
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中国
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Weibo(微博)は、中国版X(旧Twitter)ともいえるSNSで、拡散力の高さが特徴です。
特に観光地やグルメ情報は注目を集めやすく、旅行先の候補として認知されるきっかけになります。
インバウンド集客では、中国語での発信はもちろん、現地のトレンドや文化に合わせたコンテンツ設計が求められます。公式アカウントの運用に加え、口コミやUGCを活用することで、信頼性の高い情報として受け取られやすくなるでしょう。
小紅書(RED)
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アクティブユーザー数
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約3億人以上
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主な年齢層
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18〜34歳中心(女性比率が高い)
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利用者が多い国
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中国
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小紅書(RED)は、口コミやレビューを軸に情報が広がるSNSです。旅行・美容・グルメなどの分野で活用されており、「実体験ベースの投稿」が重視される点が特徴です。
また、保存機能を使って気になるスポットをストックするユーザーも多く、旅行計画の初期段階から検討フェーズまで長く関与できる点も強みです。
インバウンド集客では、中国語での投稿に加え、現地ユーザーの検索ニーズを踏まえたキーワード設計が重要です。UGCの活用やKOC(一般ユーザー)による発信を促すことで、より自然な形で認知拡大につなげられるでしょう。
インバウンド向けのSNS活用事例7選
ここからは、インバウンド向けのSNS活用事例を7つ紹介します。
1. 横浜市|観光名所の風景を英語で紹介
はじめに紹介するのは、横浜市のインバウンド向け公式Instagramアカウントの活用事例です。横浜の観光名所の風景が写真や英語テキストで紹介されています。
オリジナルハッシュタグ「#myyokohama」を用意しており、ユーザーによるハッシュタグ付きの写真は35万件を超えています。
このアカウントはユーザーの写真投稿=UGCのリポストを中心に運用していることから、コンテンツを用意する手間やコストを削減できている点が特徴です。
また多くのユーザーによって投稿されたUGCの中から、アカウントのカラーと親和性が高く、質の高いUGCを選定・活用できるのもメリットと言えるでしょう。
2. 京都市|舞妓変身スタジオ四季のアカウント運用
続いて紹介するのは、京都で舞妓変身を体験できる「舞妓変身スタジオ四季」が運営する、公式Instagramアカウント活用事例です。
このアカウントは外国語ではなく日本語で運用をしていますが、公式サイトに遷移すると、英語や中国語などで閲覧できるようになっています。
「#kyoto」「#geisha」「#japan_Trip」など英語のハッシュタグで外国人にもサービスを発信することで、日本人だけでなく外国人にもサービスを届けることができます。
このように完全に外国人向けのアカウントを運用するのではなく、ライトなインバウンド向けのSNS活用であれば、すぐにでも取り入れやすいでしょう。
3. 埼玉県|タイの人気インスタグラマーを招待
続いて紹介するのは、埼玉県で実施されたインバウンド向けのSNS活用事例です。
埼玉県の川越、長瀞、秩父、飯能エリアをPRするために、タイの人気インスタグラマー2名を「LOVE SAITAMAアンバサダー」に任命しました。
有名インスタグラマーのアカウントで埼玉の魅力をアピールしてもらう、代表的なインフルエンサーマーケティング施策です。
どちらのインフルエンサーもフォロワー100万人を超えており、実際の投稿でも3~4万件ほどの「いいね!」が付きました。タイ人に向けて埼玉県の認知拡大につなげるPR事例となっています。
4. 岐阜県高山市|アニメ映画の聖地を取り入れたPR施策
岐阜県高山市では、早くから多言語化などのインバウンド対策に取り組んできました。2016年には高山市の在住人口9万人の5倍以上となる、46万人の外国人宿泊数を突破しています。
世界的に大ヒットしたアニメ映画「君の名は。」の聖地としても有名となり、Instagramでは作中に出てきたスポット写真を投稿しています。
またオリジナルハッシュタグ「#hidatakayama」などをつけて英語でさまざまな写真を発信。アニメ映画の影響を活かしながら、SNSを上手に活用したインバウンド対策に取り組んでいます。
5. 高知県|外国人向け観光サイトやSNSを活用
続いて紹介するのは、高知県の観光情報Webサイト運用と「Visit Kochi Japan」のSNS活用事例です。
高知県が運営する「Visit Kochi Japan」は、公式サイトだけでなくYouTube、Instagram、Twitter、Facebookなど、幅広いプラットフォームで展開されています。
高知県は在日外国人訪問率や訪問数、インバウンド宿泊人数数などが全国的にみて少ない傾向にあります。一方で、平均宿泊日数は7.7泊とかなり高い数値であることから、訪日外国人の満足度の高さが伺えます。
6. 九州観光機構|九州観光キャンペーンの実施

画像引用:九州観光機構キャンペーン|Facebook
九州観光機構の公式Instagram、Facebookでは、海外在住の方を対象に「九州観光機構SNSキャンペーン」を実施しました。
「あなたの行きたい九州の観光スポット」などと、テーマごとにコメントを募集し、抽選で九州の周遊やお買い物に便利な景品をプレゼントするというものです。
応募時に九州の観光地やグルメ、魅力などについてコメントするため、九州に関する興味関心や理解度を自然に深めることができます。
中国語・タイ語・韓国語・英語などの多言語による発信のうえ、フォローとコメントのみで気軽に参加できるため、多くのユーザーに認知を広げられた良い事例のひとつです。
7. 豊岡市|インバウンド観光ウェルカムキャンペーンの実施
豊岡観光イノベーションでは、豊岡市とともに、米豪を中心とした英語圏や台湾に向けて、インバウンド観光ウェルカムキャンペーンを実施しました。
当キャンペーンでは、下記のような取り組みが行われています。
- 外国版Webサイト「Visit Kinosaki」にウェルカムページを設置
- ウェルカム動画配信
- 現地でのPRイベントの実施
- 特典付き宿泊プランの予約受付
- Instagramハッシュタグキャンペーン
- JR-WEST RAIL PASSタイアップ企画
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YouTubeではウェルカム動画を作成し、インストリーム広告を配信。また現地でのPRイベントを実施することで、外国人に向けてダイレクトに豊岡市を宣伝しました。
各言語での特設サイト制作はもちろん、Instagram、Twitter、YouTube、TikTok、Facebookなど幅広いSNS上で誘客・認知拡大に取り組んでいる事例です。
インバウンド向けのSNS活用事例から見る運用のコツ7選
インバウンド向けのSNSとして注目を集めるには、どのようなコツがあるのでしょうか。
- SNS運用の基礎をおさえる
- ターゲットの国や人への理解を深める
- 観光名所を英語で紹介する
- ハッシュタグを活用する
- 外国人インフルエンサーを招待する
- 特化型アカウントを運用する
- SNS運用代行を活用する
ここでは、それぞれの運用のコツについて解説します。
1. SNS運用の基礎をおさえる
インバウンド集客で成果を出すには、まずSNS運用の基本を確実に押さえることが重要です。具体的には、以下の要素を整理しておく必要があります。
- 運用目的(認知拡大・来店促進・予約獲得など)
- ターゲット(国・年齢層・旅行スタイル)
- 投稿内容(観光情報・グルメ・体験・レビューなど)
- 投稿頻度・タイミング
- 使用言語(英語・中国語など)
これらを事前に明確にすることで、投稿内容や方向性に一貫性が生まれます。結果として、アカウントの世界観が伝わりやすくなり、フォローや保存といった行動につながります。
フォロワー数だけでなく、保存数やシェア数などの指標を確認し、改善を重ねることが重要です。
2. ターゲットの国や人への理解を深める
インバウンド集客では、国ごとの文化や行動特性を理解することが成果を左右します。
同じ観光地でも、どの情報に魅力を感じるかは国や個人によって大きく異なります。
理解を深めるうえでは、以下の観点で整理すると効果的です。
- よく利用されるSNS
- 人気の旅行スタイル(観光・体験・買い物など)
- 情報収集の方法(検索・口コミ・動画など)
- 言語・表現の好み
例えば、中国のユーザーは口コミや実体験を重視する傾向があり、Weiboや小紅書(RED)などで事前に情報収集を行います。
一方、欧米圏ではYouTubeやInstagramを通じて、体験価値やストーリー性のあるコンテンツが好まれやすい傾向があります。このような違いを踏まえた発信が重要です。
ターゲットに合わせた発信を積み重ねることで、訪日前の意思決定に影響を与えやすくなるでしょう。
3. 観光名所を英語で紹介する
観光庁の訪日外国人の消費動向によると、出発前に役に立った旅行情報源の言語では、「英語」が50.9%と最も高い数値となっています。
次いで、中国語(繁体字)が26.9%、中国語(簡体字)が23.5%、日本語が14.0%、韓国語が11.3%という結果です。
英語でのSNS運用は、訪日外国人の流入のためには必須と言えるでしょう。なお、可能な限り中国語(繁体字、簡体字)や韓国語などでの情報発信も行うのがおすすめです。
4. キャンペーンを実施する
国内に限らず、海外観光客や在日外国人に向けて、旅行券やお買い物券などをプレゼントする「SNSキャンペーン」を実施するのも効果的です。
一口にSNSキャンペーンと言ってもさまざまな手法がありますが、観光地の認知拡大や理解度の向上、誘客につなげることができます。
またフォトコンテスト型式のSNSキャンペーンを実施して、ユーザーによる写真や動画、口コミなどの投稿=UGCを集める方法もおすすめです。
以下の資料では、Twitter上でキャンペーン施策を行う際に押さえておきたいポイントを事例でチェックできます。 今後Twitterにおけるフォロー&リツイートキャンペーンをご検討中の方はぜひご覧ください。

5. 外国人インフルエンサーを招待する
ターゲットとなる国がある場合は、その国で影響力が高い人物にPRしてもらう方法もあります。
各国で有名なインフルエンサーをアンバサダーとして起用して、実際に現地に招待して発信してもらうことで、多くの人からの認知を得ることが可能です。
また日本語や簡単な外国語では伝わりにくかったことも、ネイティブな言語で伝えることができるため、ダイレクトに魅力を発信してもらえます。
6. ハッシュタグを活用する
SNSではハッシュタグ検索が非常に重要視されており、とくに外国人に向けて発信するならハッシュタグを上手に活用することは必要不可欠です。
たとえば、「#kyoto」「#mtfuji」など場所や地名を表すハッシュタグは基本です。他にも日本らしい「#kimono」「#geisha」なども人気があります。
また海外の旅行好きが検索する「#japan_trip」「#beautifuljapan」などのハッシュタグも多くのリーチが期待できるでしょう。
ただし、投稿数の多いハッシュタグばかりをつけると投稿が埋もれてしまいます。注目を集めるためには、多くの人に見てもらいやすいハッシュタグを適切に活用することが大切です。
7. SNS運用代行を活用する
インバウンド向けのSNS運用では、多言語対応や各国のトレンド把握が求められます。
自社のみで対応しようとすると、リソースや専門知識の不足が課題になりやすいです。効率的に成果を出すには、SNS運用代行の活用も有効な選択肢となります。
運用代行を活用することで、以下のような領域を一括で任せられます。
- ターゲット国に合わせた戦略設計
- 投稿コンテンツの企画・制作
- 多言語での翻訳・ライティング
- 投稿スケジュール管理・運用
- 分析・レポーティング
特にインバウンド施策では、文化やトレンドの違いを踏まえた発信が重要です。現地市場に精通したパートナーに任せることで、訴求のズレを防ぎやすくなるでしょう。
SNSでインバウンド集客のチャンスを広げよう
日本に限らず、インバウンド市場においても各国でデジタルシフトが加速しており、とくにSNSはインバウンド集客に強い影響を与えています。
SNSを上手く活用することで、インバウンド客を集めるだけでなく、一度来訪した外国人観光客をファン化してリピーターに育てることもできるでしょう。
またインバウンド集客に限らず、SNSマーケティングでは、各SNSのアクティブユーザー数や利用者層などを把握したうえで、適切な施策を講じることが大切です。
どのプラットフォーム上でSNSを活用すべきかお悩みの方はぜひ以下の資料をご参考ください。
- Twitter/Instagram/TikTok/LINEなどの様々なSNSの強みや特徴
- 各SNSの利用層の詳細
- 各SNSに最適なキャンペーン施策の詳細 など
