Instagramのインフルエンサーによる投稿で、「タイアップ投稿」と書かれたものを見たことがある人もいるのではないでしょうか。
タイアップ投稿を利用することによって、企業とインフルエンサーの関係性の明示につながり、透明性の高いPR投稿を行えます。
この記事では、Instagramのブランドコンテンツツールの必要性やメリット、使い方、注意点などについて詳しく解説します。
Instagramのブランドコンテンツツールとは?
Instagramのブランドコンテンツは、Instagram上で「タイアップ投稿」と書かれた投稿のことです。
企業やブランドがインフルエンサーに対して商品やサービスをPRしてもらう際に、企業との関係性を明示するために必要になります。
金銭の授受やギフティングを行う場合は、ブランドコンテンツを設定するようにしましょう。
投稿を行うインフルエンサーと企業の双方で操作することで設定が可能です。
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ブランドコンテンツツールの必要性
ブランドコンテンツツールはなぜ必要なのでしょうか。
具体的には、Instagramポリシーによる規定と、ステルスマーケティング規制への対策のために利用が推奨されています。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Instagramポリシーによる規定
2022年10月に開催された「House of Instagram Japan」内では、#PRや#タイアップといったハッシュタグは非推奨であると公表されました。
これまで、インフルエンサーによるPR投稿で上記のハッシュタグ表記を促している企業も多かったかと思います。
そのため、今後はハッシュタグ表記だけでなく、ブランドコンテンツとしてタイアップ投稿タグを付ける必要があります。
ステルスマーケティング規制の対策
2023年10月1日から、消費者庁は「ステルスマーケティング規制(ステマ規制)」を施行することを発表しました。
「ステルスマーケティングを景品表示法の不当表示の対象に追加し、違反した場合は広告主を行政処分の対象とする」としています。
参照:ステルスマーケティングに関する検討会報告書
違反と判断された場合は、再発防止を求める措置命令を発出。従わなければ2年以下の懲役または200万円以下の罰金、もしくは両方が科せられます。
投稿したインフルエンサーや著名人は処分されないものの、法人には最大3億円の罰金が科せられる可能性があります。
ステルスマーケティング規制への対策のためにも、PRの際はInstagramのブランドコンテンツツールを活用しましょう。
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ブランドコンテンツツールを利用するメリット
ブランドコンテンツツールを利用するメリットは、次の通りです。
- 関係性の明示で透明性が高まる
- ブランドコンテンツ広告として配信できる
- タグ付けされた投稿を分析できる
- 自社アカウントへの流入を確保できる
ここでは、それぞれのメリットについて順に解説します。
関係性の明示で透明性が高まる
ブランドコンテンツツールは、企業とインフルエンサーの関係性を明示する役割があります。
投稿に対価が発生しているにもかかわらず、それを明示していない場合は「ステルスマーケティング」となり、意図的に隠していると受け取られる可能性があります。
また、#PRなどのタグはクリエイターが手動で設定する必要があるので、投稿の作成中に誤って削除してしまったり、つけ忘れが生じるケースもあるでしょう。
ステマによって批判の対象になると企業やブランドのイメージを下げ、炎上につながるリスクもあるので注意が必要です。
最近ではユーザーのステマに対する警戒心も強まっているので、関係性の明示は企業イメージ向上にもつながるでしょう。
ブランドコンテンツ広告として配信できる
ブランドコンテンツツールによるPR投稿は、「ブランドコンテンツ広告」として第三者配信に利用できるのがメリットです。
企業アカウントではなく、インフルエンサーのアカウントから広告配信を行うため、自然な形でターゲットユーザーに広告を届けられます。
Instagramにおけるインフルエンサー施策では、主にPR投稿を行うインフルエンサーのフォロワーが主なリーチ先です。
ブランドコンテンツ広告によって、インフルエンサーのフォロワー以外にも幅広くリーチを広げられるため、広告効果を最大化することができます。
タグ付けされた投稿を分析できる
ブランドコンテンツツールの大きなメリットとして、タグ付けされた投稿のインサイトを確認できるという点があります。
従来までは、Instagramのインサイトを確認できるのは、PR投稿を行ったビジネスアカウントに変更しているインフルエンサーだけでした。
そのため企業がPR投稿の成果を確認するためには、クリエイターによる報告を受ける必要がありました。
そこでブランドコンテンツツールを付けることで、企業がPR投稿でどのくらい効果があったかというインサイト情報を確認することが可能になっています。
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自社アカウントへの流入を確保できる
ブランドコンテンツツールは、自社アカウントとの連携が行えます。
そのためクリエイター投稿をタップすると、自社のアカウントに遷移させることが可能です。
広告から自社アカウントへの流入を確保できるので、インフルエンサーマーケティングの効果を最大化することができます。
ブランドコンテンツツールを実施する方法・手順
ここからは、ブランドコンテンツツールを実施する手順を解説します。
Instagramをプロアカウントに切り替える
ブランドコンテンツツールを実施する際は、ビジネス(プロ)アカウントまたはクリエイターアカウントに設定する必要があります。
プロアカウントに切り替えるには、プロフィール画面>「設定」から行いましょう。
ブランドコンテンツの投稿はクリエイターアカウントでも行えるものの、企業で利用する場合はプロアカウントへの切り替えが推奨されています。
インサイト機能やInstagram広告など、ビジネス用の機能が利用できるので、なるべくプロアカウントに切り替えることをおすすめします。
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ブランドコンテンツのタグ付け設定をオンにする
次に、ブランドコンテンツのタグ付け設定をオンにします。
メニューから設定を選択し、「ビジネス(クリエイター)」>「ブランドコンテンツ」>「コンテンツクリエイターを手動で承認」をオンにすると完了です。
インフルエンサーを承認する
タイアップ投稿を行うインフルエンサーが決まったら、企業側は事前に承認作業を行いましょう。ブランドコンテンツとして承認する方法は以下の通りです。
- プロフィール画面>「設定」を選択
- 「ビジネス」または「クリエイター」を選択
- 「ブランドコンテンツ」を選択
- 「コンテンツクリエイターを承認」を選択
- インフルエンサーを選んで「承認」を選択
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事前に承認がなくても、投稿の際にリクエストをもらって承認すれば、ブランドコンテンツの投稿が可能です。ですが、事前に承認作業を済ませていればスムーズに投稿を進められるでしょう。
PR投稿を作成する
企業側の準備が整ったら、インフルエンサーにPR投稿を作成してもらいます。
作成してもらったコンテンツや投稿は、投稿前に企業に提出してもらい、下書きチェックを行いましょう。問題なければタイアップ投稿タグを付けて投稿します。
タイアップ投稿ラベルは、キャプション入力画面の下部にある「詳細設定」>「タイアップ投稿ラベルを追加」をオンにします。
「有効にする」>「ブランドパートナーを追加」をタップして、投稿に紐づけるブランドを選択して「追加」を選択すると完了です。
ブランドコンテンツツールに関する注意点
ブランドコンテンツツールを利用する際は、以下の2点に注意しましょう。
- アクティブアカウントのみが対象となる
- Instagramアプリで作業する必要がある
それぞれの注意点について順に解説します。
アクティブアカウントのみが対象となる
ブランドコンテンツツールを利用するには、PR投稿を行うインフルエンサーが「アクティブアカウント」である必要があります。また、一定数以上のフォロワーを持っていることも条件です。
Instagramによると、アクティブアカウントの定義は「アカウントが30日間アクティブである必要がある」とのこと。
ステータス状況は、「設定」>「クリエイター」>「ブランドコンテンツ」から確認することができます。
PR投稿を依頼する前に、ブランドコンテンツ投稿が行えるかを確認しておきましょう。
Instagramアプリで作業する必要がある
ブランドコンテンツツールは、承認作業とリクエスト作業のいずれもInstagramアプリを使う必要があります。
投稿はパソコンから行うこともできるものの、ブランドコンテンツ広告に必要な「ブランドパートナーによる宣伝を許可」という項目を選択することができません。
もしブランドコンテンツ広告を配信する場合は、Instagramアプリを使用してPR投稿を行ってもらうようにしましょう。
まとめ
ブランドコンテンツツールを設定することで、PR投稿やコンテンツの透明性を高められるため、企業やインフルエンサーの信頼性が向上します。
インフルエンサー投稿のインサイトから容易に効果測定が行えるので、双方にとってもメリットが大きい手法と言えるでしょう。
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