さまざまな企業がSNSマーケティングを行うなか、効果的な手法のひとつとして上げられるのが「ハッシュタグキャンペーン」です。
ハッシュタグキャンペーンは、アカウントをフォローの上、キャンペーン独自のハッシュタグをつけて投稿することで、キャンペーンに参加してもらう仕組みとなっています。
当記事では、ハッシュタグキャンペーンのメリットや手順、企業の成功事例について紹介します。また、キャンペーン実施のポイントについても解説するので、認知拡大やUGC獲得を図る施策を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

ハッシュタグキャンペーンとは

ハッシュタグキャンペーンとは、指定のハッシュタグをつけてSNSに投稿するタイプのキャンペーンのことです。
リツイートキャンペーンやアンケートなどと異なり、ユーザーが自分のSNSアカウントから投稿することで参加できます。
ハッシュタグキャンペーンは、ユーザーによる発信でUGC生成を見込めるほか、キャンペーン自体の認知拡大にも効果的です。
内容としては、商品・サービスへの要望や、口コミを投稿してもらうなど、企業によってさまざまで、積極的に参加してもらえる工夫が必要となります。
ハッシュタグキャンペーンのメリット3つ
ハッシュタグキャンペーンは主に以下のメリットがあります。
- 認知拡大につながる
- 口コミを収集できる
- 投稿を二次利用できる
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ここでは、それぞれのメリットについて解説します。
認知拡大につながる
ハッシュタグキャンペーンを実施することで、自社商品やサービスの認知拡大を図ることができます。
ユーザー自身が商品やサービスについて発信するため、多くのSNSユーザーからの認知を集められるのです。
また、指定のハッシュタグ投稿が増えることで、キャンペーン自体の二次拡散が期待でき、認知拡大も見込めるでしょう。
口コミを収集できる
自社商品やサービスの魅力的な口コミを集めたい場合、口コミ投稿を条件とするハッシュタグキャンペーンが効果的です。
口コミを収集することで、より顧客側のニーズを把握しやすくなり、商品やサービスの改良・施策の企画に役立てられるでしょう。
投稿を二次利用できる
キャンペーンで集めた口コミ投稿は、自社サイトで二次利用することができます。
TwitterやInstagramで投稿された写真を埋め込み機能によって、自社サイト・LP・広告に掲載する方法が一般的です。
ユーザーによる発信(UGC)は信頼度が高く、親近感を持ちやすい傾向にあり、UGCをうまく活用していくことで売上アップを期待できます。
ただし二次利用するには、ユーザーに許諾申請をする必要があるため注意しましょう。
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ハッシュタグキャンペーンのやり方・手順

ハッシュタグキャンペーンは、一般的に以下の流れで実施します。
- 目的や目標を設定する
- キャンペーン内容を企画する
- キャンペーンツールを選定する
- キャンペーンを実施する
- 効果検証をする
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ここからは、ハッシュタグキャンペーンを実施する手順を紹介します。
1. 目的や目標を設定する
まずは、キャンペーンを実施する目的や達成したい目標を設定しましょう。
キャンペーンの目的設定の例は以下のとおりです。
- 自社商品・サービスの認知拡大
- 新規フォロワーの獲得
- サイトへの流入・店舗への来店促進
- UGCの獲得
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目的によってキャンペーンの参加条件や検討すべき内容は変わってきます。またキャンペーン終了後に効果検証を行うためにも、KPIの設定も必要不可欠です。
2. キャンペーン内容を企画する
目的や目標が決まったら、キャンペーンに関する具体的な内容を決めていきましょう。
下記のようなポイントをはじめ、できるだけ詳しい内容を選定します。
キャンペーンの目的や目標に応じて、実施期間や予算を調整しましょう。
ハッシュタグキャンペーンは、リツイートキャンペーンに比べてやや参加のハードルが高いので、参加したくなる内容を工夫することが重要です。
またキャンペーンに必要なクリエイティブ制作、特設ページの手配なども必要となります。
3. キャンペーンツールを選定する
SNSキャンペーンを実施する場合は、キャンペーンツールを利用するのが一般的です。
企画したキャンペーンの内容をもとに、自社の目的や企画に合ったキャンペーンツールを選びましょう。
ハッシュタグキャンペーンをどのSNSで実施するかによっても、適切なキャンペーンツールは変わります。
InstagramやTwitterだけでなく、他のSNSでも同時開催したい場合は、さまざまなSNSプラットフォームに対応しているツールを選ぶことが必要です。
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4. キャンペーンを実施する
キャンペーンの企画内容をもとに、キャンペーンを実施します。
できる限り多くのユーザーに参加してもらうためにも、キャプションの文章やハッシュタグ選定にも細心の注意を払いましょう。
予算に余裕がある場合、TwitterやInstagramの広告機能を活用するのも効果的です。広告を出稿することで、手軽により多くのユーザーにキャンペーンを認知してもらえます。
5. 効果検証をする
キャンペーンを投稿したら、応募者数やリーチ数など、事前に設定しておいたKPIを指標として効果測定を行いましょう。
広告を出稿した場合は、広告による効果とそれ以外の効果を別で確認してください。
効果検証を行うことで、今後の施策やマーケティング活動に活かすことができます。

【Twitter】ハッシュタグキャンペーンの成功事例8選
ここからは、企業が実施するハッシュタグキャンペーンの成功事例を8つ紹介します。
1. 湖池屋|新発売記念キャンペーン
株式会社湖池屋では、The素材のご馳走の新発売記念として、TwitterとInstagramを横断したWチャンスキャンペーンを実施しました。
TwitterとInstagramにおいて、公式アカウントをフォローの上、ハッシュタグをつけて「あなたのプチ贅沢」を投稿すると応募完了となります。
応募期間中のうち、金曜日18〜24時の間に投稿すると当選確率がアップするなど、ゴールデンタイムを狙った参加者増加への工夫がされています。
参加者数は前回比で379.3%増加し、参加者からの投稿(UGC)数は前回比で508.2%という結果になり、新商品の認知を拡大することができました。
2. カルビー|「#じゃがりこ1個分のごめんね」キャンペーン
じゃがりこ公式アカウントでは、12月10日の「ごめんねの日」に合わせて、「#じゃがりこ1個分のごめんね」キャンペーンを実施しました。
「#じゃやがりこ1個分のごめんね」をつけて謝りたい相手やエピソードを投稿すると、自動で結果が届くインスタントウィン形式のキャンペーンとなっています。
さらに、謝りたい人に@メンションをつけて抽選した人の中から、さらに抽選で100名に当たるWチャンスも用意されています。ユーザー間でのコミュニケーション構築・情報拡散につながる事例となりました。
本キャンペーンはOWNLYのインスタントウィンキャンペーンを活用して実施されました。OWNLYでは、キャンペーン特設ページを開設できるため、参加者の投稿を掲載することで盛り上がりを促進しています。

3. 檸檬堂|「あなたはどっち派?」投票キャンペーン
檸檬堂公式アカウントでは、2022年3月28日〜4月10日の14日間にわたって、檸檬堂の新製品2本セットが当たるキャンペーンを実施しました。
「#檸檬堂無糖レモン派」「#檸檬堂うま塩レモン派」のどちらかをつけて投稿を引用リツイートすることで参加できるという内容です。
どちらの商品が好きかと問いかけることで、ユーザーの参加意欲を上げてキャンペーン参加数を増やす狙いがあります。新商品の認知拡大に成功している事例といえるでしょう。
4. ユニクロ|30分間限定プレゼントキャンペーン
ユニクロ公式アカウントでは、キャンペーンで使うハッシュタグを「秘密のハッシュタグ」に設定した、ハッシュタグキャンペーンを実施しました。
ユニクロが行うライブ配信中にハッシュタグを発表することで、ライブ配信への誘導とハッシュタグツイートの拡散を同時に実現しています。
ライブ配信自体だけでなく、同社で展開する商品の認知獲得につながった事例となりました。
5. ベネッセ|エピソード大募集キャンペーン

ベネッセの公式Instagramでは、「こどもちゃれんじ」または「こどもちゃれんじEnglish」の入会者を対象に、ハッシュタグキャンペーンを実施しました。
指定のハッシュタグをつけて、教材と一緒に写った写真とエピソードを投稿すると、面白かったエピソードが漫画化されるというものです。
ターゲット層の多くがフォローしているインフルエンサーが描く人気漫画家によるもので、「自分のエピソードが漫画化されるかもしれない」という心理から、ユーザーの参加意欲を高めています。
ユーザーによって教材が投稿されることで、多数のUGCの創出につながった事例です。
6. ネスレ|受験生応援キャンペーン

引用:キットカット受験生応援キャンペーン
ネスレ日本株式会社が販売するキットカットでは、応募した人から30名にお守りパッケージのキットカットが当たる受験生応援キャンペーンを実施しました。
Twitter公式アカウントをフォローの上、指定のハッシュタグをつけて受験生に向けた応援メッセージを投稿すると参加できます。
同社で販売されている「キットカット ミニ 応援メッセージパック」では、キットカットのパッケージでお守りを作れるという仕掛けがあり、受験生を応援したいという人に向けた効果的なプロモーションとなっています。
また、特設サイトにはネスレ日本の社員からの応援メッセージが掲載されており、受験生を応援しているというブランディングにもつながっています。
7. ニトリ|引用RTキャンペーン
ニトリの公式Twitterアカウントでは、ニトリの夏キャンペーンを実施しました。対象ツイートを引用RTしてハッシュタグをつけて「暑い時期にほしいもの」をツイートすることで応募できるキャンペーンです。
季節性のあるテーマでユーザーの参加ハードルを下げつつ、ユーザーの意見を収集することで、ユーザーニーズを把握することにつながっています。
また、キャンペーンツイートのツリー欄には、ツイートの例を提示しており、ユーザーが参加しやすいような工夫がされていることもポイントです。
8. 花王|アイデア募集キャンペーン
花王クイックル公式Twitterアカウントでは、同社商品の「クイックルワイパー」の魅力を伝えるために、ハッシュタグキャンペーンを実施しました。
「リモートワークの準備をしながら」「音楽を聴きながら」など、ユーザーが考える便利な『#ながらクイックル』のアイデアをハッシュタグ付きで投稿するというもの。
実際に集まったアイデアでは、消費者目線のリアルな声が寄せられており、商品の利用シーンの想起性を高めることにつながっています。
また、ハッシュタグ付き投稿によってユーザーのフォロワーにも、クイックルワイパーの手軽さや利便性が上手く広まるような設計となっています。
ハッシュタグキャンペーンを実施する3つのポイント

ハッシュタグキャンペーンにおいて、より多くのユーザーによるハッシュタグを生成するには、以下をポイントに実施しましょう。
- 参加したくなる工夫をする
- 季節性やトレンドを意識する
- 分かりやすい参加条件にする
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ここでは、それぞれのポイントについて解説します。
参加したくなる工夫をする
ハッシュタグキャンペーンを実施する際は、ユーザーが思わず参加したくなるような仕組みを作りましょう。
「ハッシュタグをつければ当選確率アップ」や「どっちが好きか」といった対立構造を利用するのも効果的です。
リツイートキャンペーンなどと比べてやや参加ハードルが高いため、ユーザーのキャンペーン参加へのハードルを下げることを心がけましょう。
季節性やトレンドを意識する
Twitterは「いま」起きていること、「いま」の気持ちがシェアされやすいSNSです。
トレンドや季節性のあるハッシュタグや、「〇〇の日」など話題になりやすいものに関連したハッシュタグを設計しましょう。
テーマによるものの、「〇〇の日」はTwitterで話題になりやすい傾向です。
分かりやすい参加条件にする
ユーザーがSNSの投稿1つに目を通す時間は限られているため、より分かりやすく、目を惹くキャンペーン内容であることが必要です。
キャンペーンに参加してもらうために、参加する条件やメリットを明確に分かりやすく伝えられるよう工夫しましょう。
クリエイティブの要素を検討したり、キャンペーンの工数を減らしたりすることで、参加者を増やすことができます。
ハッシュタグキャンペーンを実施する際の注意点
ハッシュタグキャンペーンを実施する際は、いくつかの点に注意が必要です。
InstagramはTwitterには、各SNSのガイドラインやキャンペーンに関するガイドラインが定められています。
たとえば、Instagramにおいては、フォローの見返りに現金または金券を提供することが禁じられています。プレゼント提供を含むハッシュタグキャンペーンを行う際は、抽選や先着順などの参加条件を儲けましょう。
また、Twitterでは複数アカウントを使ったキャンペーンの参加はNGです。
各プラットフォームのガイドラインで禁止されている事項については、あらかじめキャンペーン規約に明記しておくようにしましょう。
効果的なハッシュタグキャンペーンを実施しよう
ハッシュタグキャンペーンを実施するなら、「OWNLY」の活用がおすすめです。OWNLYは、SNSキャンペーンとUGC活用を一元管理できるマーケティングツールです。
ハッシュタグキャンペーンをはじめ、15種類以上のSNSキャンペーンを定額・無制限で利用可能。SNS施策の企画から実行までサポートします。
SNSキャンペーンやUGCマーケティングによる施策の実施を検討している方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
まとめ
ハッシュタグキャンペーンは、商品・サービスの認知拡大やUGC生成に効果的な施策のひとつです。投稿を収集して自社サイトに掲載したりと、二次利用によってマーケティングに活かすことができます。
キャンペーンを実施する際は、目標を設定した上でKPIを効果検証し、キャンペーン終了後のプロモーションやマーケティング活動に役立てましょう。