「アクティブコミュニケーションは具体的にどういうもの?」「どのように取り入れるべき?」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。
アクティブコミュニケーションは、企業側から消費者に対してSNS上で積極的に交流を図る手法のことです。誰でもすぐに取り組めるうえに、顧客とのつながりを強化することができます。
この記事では、アクティブコミュニケーションのメリットや成功事例、実際に導入する手順などについて解説するので、ぜひ参考にしてください。
アクティブコミュニケーションとは?
アクティブコミュニケーションは、自社を話題にしているユーザーを見つけて、積極的にコミュニケーションを図る手法のことを指します。
アクティブコミュニケーションを取り入れることで、コミュニティ形成やブランドの認知拡大に大きく役立ちます。
ユーザーとの関係構築を通じて新たなファンを獲得・育成していくことで、SNS運用で着実な成果を見出せるでしょう。
反対に、リプライに返信したりアクションを受けてからコミュニケーションを取ることは、パッシブ(受動的)コミュニケーションと呼ばれます。
アクティブコミュニケーションのメリット5つ
アクティブコミュニケーションにおける主なメリットは5つあります。
- 手軽に取り組める
- ユーザーのリアルな声を把握できる
- 新規顧客の開拓につながる
- ポジティブな評判が自然と増える
- 顧客満足度が向上しやすい
ここからは、それぞれのメリットについて解説します。
1. 手軽に取り組める
アクティブコミュニケーションは、誰でも手軽に取り組める施策のひとつです。
SNSアカウントを作成し、投稿やコメントへの返信を行うだけで始められるので、SNS運用を初めたての方でも取り組みやすいと言えます。
リアルタイムでの対話や情報共有が可能なため、ユーザーとの迅速なコミュニケーションを実現できます。
さらに、ソーシャルリスニングツールなどを利用すれば、より手軽かつ効果的に運用できるようになるでしょう。
2. ユーザーのリアルな声を把握できる
アクティブコミュニケーションを通じて、ユーザーからのフィードバックや意見を直接受け取れるのもメリットです。
ユーザーはSNS上で自由にコメントや口コミを投稿するため、リアルな声や要望を把握しやすいのです。
顧客ニーズや傾向を把握すれば、製品やサービスの改善やカスタマイズに生かすことができます。
ユーザーの声を反映することで、より満足度の高いサービスの提供が可能となるでしょう。
3. 新規顧客の開拓につながる
アクティブコミュニケーションを実施すれば、新規顧客の開拓につながります。
SNS上で情報を共有し、ユーザーが興味を持った場合、コメントやシェアによって情報が拡散されます。それによってブランドの知名度が向上し、新たな顧客を獲得するチャンスが広がるでしょう。
また、ユーザー自身が企業やブランドを推薦することで、口コミ効果による新規顧客獲得にもつながります。
4. ポジティブな評判が自然と増える
アクティブコミュニケーションを取り入れると、ポジティブな評判が自然と増える傾向があります。
ユーザーが良い経験や満足感を得た場合、SNS上で積極的に共有し、他のユーザーにも推奨する可能性が高まるでしょう。
そしてブランドの評判や信頼性が向上し、さらなる顧客獲得につながります。
ポジティブな評判は、他のユーザーに対して信頼を醸成するため、ブランドの魅力を広める効果もあります。
5. 顧客満足度が向上しやすい
アクティブコミュニケーションによって、顧客満足度が向上するのもメリットです。
ユーザーからのコメントや質問に迅速に対応すれば、顧客は「自身の声に対して適切な対応をしてくれている」と信頼感が高まります。
また、顧客満足度の向上は、リピート購買や口コミによる顧客獲得にもつながります。顧客の満足度向上を重視することで、長期的な顧客関係の構築が可能となるでしょう。
SNS上のアクティブコミュニケーションの成功事例5選
ここからは、アクティブコミュニケーションを活用した事例を5つ紹介します。
1. LINEMO|サポート
Softbankのオンライン専用新料金ブランド「LINEMO」は、公式アカウントと別にカスタマーサポート用アカウントを開設しています。
ユーザーからの疑問に対してリプライで返信し、Twitter上で解決が難しい内容はチャットサポートへ促すなど、一人ひとりに合わせて丁寧に対応しています。
ユーザーに対する返信だけでなく、よくある疑問やサービスを先回りして紹介することで、ユーザーからのクレーム軽減につながっています。
2. SpotifyCaresJP
音楽ストリーミングサービス「Spotify」の日本公式カスタマーサポートアカウントです。
ユーザーからの不明点や要望に対してリプライしたうえで、調査に必要なメールアドレス送信のやり取りをDMに移行するといった対応を行っています。
システムのバグや疑問に関するツイートに対して、1日に数十件ほど迅速に対応しており、顧客満足度向上に貢献しています。
3. Zojirushi(象印マホービン公式)
調理器具の製造販売をおこなう「象印マホービン」の公式アカウントでは、同社製品を利用しているユーザーにお礼のメッセージを送信しています。
感謝の言葉だけでなく、ユーザーのツイート内容についても触れることで、親近感や信頼感を抱かせたり、ブランドイメージ向上につながっています。
また、製品の利用ツイートだけに限らず、ツイートへのリプライには積極的に返信して日常的な交流を図ることで、ブランド想起性の向上が実現できます。
4. ピザハット
日本ピザハット株式会社の公式アカウントでは、新商品やキャンペーンの告知だけでなく、ユーザー投稿の引用リツイートを積極的に活用しています。
引用リツイートは画像入りの投稿がメインとなっており、タイムラインにおいしそうなピザの写真を並べられます。
ユーザーによる投稿(UGC)を積極的に二次利用しつつ、コミュニケーションを取ることで、認知拡大や売上アップ、ファン育成などにつながっています。
5. マクドナルド
マクドナルド公式アカウントでは、自社のオリジナルハッシュタグを用いて、ユーザーやファンによるUGC創出を促しています。
ユーザーによるポジティブな投稿が増えれば、認知拡大や売上アップなどにつながりやすくなります。
SNSキャンペーンを組み合わせて、リプライや引用リツイート、ハッシュタグ付きツイートなどを促せば、エンゲージメント獲得やUGC創出に貢献できるでしょう。
アクティブコミュニケーションの手順
アクティブコミュニケーションを実施する際は、下記の手順を踏みましょう。
1. コンテンツ戦略の策定
SNS運用における目的やターゲットを明確にし、コンテンツ戦略を策定しましょう。
投稿の頻度、テーマ、形式、トーンなどを決め、ブランドのメッセージや価値を伝えるコンテンツを企画します。
これらを定めることで、アクティブコミュニケーションにおける方向性のブレが生じることなく、一貫性のあるSNS運用が行えます。
2. ユーザーとの交流
ユーザーからのコメントやメッセージに対して迅速に対応しましょう。
質問への回答やサービス利用に対する感謝のコメントなど、積極的にユーザーとの対話を行います。
また、ユーザーが共有しやすいコンテンツを制作し、SNS上で積極的に共有することも大切です。シェアやリツイートなどの機能を活用し、ユーザーによる拡散を促しましょう。
また、他のユーザーやインフルエンサーとのコラボなども検討し、ユーザーに拡散される施策を検討することが重要です。
3. データ分析・改善
各SNSの分析ツールなどを活用して、投稿の反応や効果を定量的に分析しましょう。
いいね数、コメント数、シェア数などエンゲージメント数の指標を見ながら、成功した投稿や改善の余地がある点を把握します。
データに基づいて戦略の改善やコンテンツの最適化を行い、今後のSNS運用に活かしましょう。
これらの手順でアクティブコミュニケーションを実践し、ユーザーとのエンゲージメントを高めることができます。
SNS上のコミュニケーションはユーザーに良い影響を与える
株式会社コムニコが実施した「Twitterキャンペーンに関する意識調査」によると、企業からのアクションに好感を持てる人は回答者のうち92%でした。
企業からのアクションを不快に感じる人は少なく、ほとんどのユーザーは好意的な印象を持つ傾向にあるようです。
実際に、ユーザーに好印象をあたえることで、SNS上でポジティブな評判が増加し、クレームや不満の数が減少した事例もあります。
SNSは双方向のコミュニケーションが取れるプラットフォームなので、この特性を活かしつつ、ユーザーと積極的に交流を深めましょう。
アクティブコミュニケーションでユーザーとの繋がりを高めよう
アクティブコミュニケーションを活用すれば、企業やブランドのファン獲得・育成につながり、顧客満足度向上や信頼感の醸成を実現できます。
カスタマーサポートとしての運用や、サービスを利用してくれたユーザーへのお礼コメントの送信、UGC創出など活用方法はさまざまです。
アクティブコミュニケーションを通じて実現したいことや目標を明確にしたうえで、ユーザーとの関係性構築のためにアクションしましょう。
なお、アクティブコミュニケーションとSNSキャンペーンは非常に相性が良いため、どのような施策を講じるべきか悩んでいる人はぜひ検討してください。
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