X(旧Twitter)がbotやスパム対策のために少額の有料プログラムを試験導入したことで、日本では「ツイッター有料化」がトレンド入りしました。
これにより、「Xが有料化するのは本当?デマ?」「いつから有料化するの?」というように、多くのユーザーが混乱している様子を見せています。
この記事では、X有料化はデマなのか、月額課金に関する今後の動向やマーケティングへの影響、代わりとなるSNSなどについて解説します。
X(旧Twitter)有料化の噂は本当?デマ?
日本国内では「ツイッター有料化」がトレンド入りしたことで、X(旧Twitter)が有料化することについて不安を感じるユーザーも多くいます。
実際には、新たな有料化プログラムの試験導入によって話題化したもので、「全ユーザーの課金についてはまだ確定事項ではない」という見方が強まっています。
新たなサブスクリプションを試験的に導入
X(旧Twitter)では10月17日、新たなサブスクリプション「Not A bot」のテストをニュージーランドとフィリピンで開始したことを発表しました。
この課金方式は、Web版の新規ユーザーを対象に適用されており、既存ユーザーは影響を受けないとのことです。
2カ国の新規ユーザーは、アカウントを作成するにあたって、電話番号の認証を求められます。
そして年額1ドルを支払ってサブスクリプションに加入すると、Twitterの基本機能(投稿・いいね・返信・RT・引用RT・ブックマーク等)が使えるようになります。
サブスクリプションに加入しない場合でも、投稿や動画の閲覧、フォローは可能なようです。
新たな課金方式については、スパムやプラットフォームの操作、ボットによる活動を抑制することを目的としており、収益目的ではないとのことです。
少額課金する方向に移行か
イーロンマスク氏は9月18日、イスラエル首相との対談で「Xの月額使用料を少額課金する方向に移行している」「大量のbotと戦うために思いつく唯一の方法だ」と語っています。
現状ではNot A Botの試験導入のみとなっていますが、少額であっても全ユーザーの有料化に舵を切っている可能性は十分に考えられるでしょう。
実際に、botの悪用を防ぐために無料APIの提供を終了し、APIを有料化したことについては、Twitter内でも大きく話題化しました。
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X(旧Twitter)有料化によるメリット
X(旧Twitter)有料化によって、どのようなメリットがあるのでしょうか。
それぞれのメリットについて解説します。
スパムやボットの削減
X(旧Twitter)有料化によるメリットの1つは、スパムやボット、不正行為を減らせることです。
X公式アカウントは、今回のX有料化プログラムを試験導入するに至った理由は利益拡大ではなく、スパムやボット対策であると述べています。
Xが有料化することによって、コストをかけてスパムやボットのアカウントを作るユーザーが減り、スパムやボットが減ることが想定されます。
誹謗中傷や詐欺行為の軽減
X(旧Twitter)有料化によって、誹謗中傷や詐欺行為などのコメントが減るというメリットもあります。
従来はメールアドレスや電話番号のみでアカウントを作成できていたため、匿名性が高いという特性がありました。
しかし、Xが有料化すると、クレジットカード情報等の個人情報を登録する必要があります。
そのため匿名だと思い、軽い気持ちで誹謗中傷や詐欺行為、差別などの発言をするユーザーを今よりも減らすことにつながるでしょう。
Xプレミアムの有料サービスが3つに細分化
Xプレミアム(旧Twitter Blue)は、サブスクリプションに新たな料金プラン「プレミアムプラン」と「ベーシックプラン」の提供を開始しました。
従来のプレミアムと合わせて3種類の有料プランとなっています。各プランの料金は以下のとおり。(※2023年11月時点)
プラン
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月額料金
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年額料金
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ベーシック
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368円
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3,916円
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プレミアム
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980円
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1万280円
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プレミアムプラス
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1,960円
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2万560円
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プレミアムプラスは、おすすめやフォロー中の広告が表示されなくなる、投稿での収益化、返信のブーストといった機能が用意されています。
最も手頃なプランとなる「ベーシック」は、投稿の編集や返信のブースト(小)が適用される一方で、収益化やX Proなどは利用できません。
Xプレミアムの詳細については、下記の記事をぜひチェックしてください。
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X(旧Twitter)有料化によってユーザー数は減る?
X(旧Twitter)有料化によって、どのような影響があるのでしょうか。Twitterユーザー数の増減に焦点を当てて、今後の影響について見ていきましょう。
一定数フォロワーが減る可能性が高い
試験導入されているX有料化プログラムが本格的に適用されると、全機能を使用するには年額1ドルの課金が必要になります。
現在Xには有料サブスクリプションサービスがあり、決済方法はクレジットカード決済やキャリア決済などがあり、有料化になった場合は同様の決済方法となるでしょう。
単にお金を払うだけでなく、クレジットカード情報やキャリア決済などの手続きが必要になるため、抵抗を感じるユーザーが増えると考えられます。
Xの利用ハードルが高くなることで、ユーザー数やフォロワー数は一定数減少する可能性が高いでしょう。
年額1ドル程度であれば意外と減らない可能性も
年間1ドルの課金が必要と言っても、実際の金額は年額1ドル(月12円程度)です。そのため、仮に20年使用するとしても3,000円程度の料金しかかかりません。
年間1ドルで利用する価値があるかどうかはユーザーの捉え方次第です。
頻繁にXを利用するユーザーであれば、課金して引き続き利用し続けるという人が多く、意外と数は減らない可能性も考えられるでしょう。
X(旧Twitter)マーケティングはどうなるのか
万が一Xが有料化した場合、Xを使ったマーケティングにはどんな影響があるのでしょうか。おもに、以下のような影響が生じる可能性があります。
- リーチ減少:有料化で一般ユーザーが減少し、投稿のリーチも減る
- ターゲット層の変化:有料ユーザーが特定の層に偏る可能性がある
- 信頼性の向上:botやスパムの削減によって、残ったアカウントの信頼性が高まる
- 広告効果の変化:広告のターゲティングや効果測定が代わる可能性がある
- 契約上の課題:有料化に伴い利用規約が変更されると対応の必要がある
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このように、有料化によるマーケティングへの課題は多くありそうです。しかし、見方を変えれば同時にチャンスが生まれるかもしれません。
Xの代わりとなる移行先候補のSNS
Applivが実施した「Twitterの利用状況に関するアンケート調査」によると、2023年7月以降に他SNSへの移行を検討した人は44.5%にも上っています。
移行を検討する理由としては、「Xが有料化する可能性」で45.0%となっており、半数近くのユーザーが有料化に伴ってサービスを離れる可能性があることが分かります。
出典:X(旧Twitter)から他SNSへの移行検討者が5割に迫る、完全有料化なら「他無料SNSを探す」が6割(Appliv調べ)|PRTIMES
また、Xからの移行先候補となるSNSを調査した結果、1位は「Instagram(29%)」、次いで「Threads(13%)」「LINE(11%)」が有力視されているようです。
Instagram、Threads、LINEのそれぞれのSNSの特徴についても見ていきましょう。
Instagram
Instagramは、画像や動画などのビジュアルをメインに訴求できるSNSです。
Twitterに比べて拡散性は低いものの、自社の世界観や価値観を伝えやすいため、ブランディングしやすいという特性があります。
また自社ECサイトと連携できるショッピング機能も備わっているため、ネットショップとも相性が良いプラットフォームです。
Threads
Threads(スレッズ)は、2023年7月にリリースされた米Meta Instagramチームが提供するSNSです。
Twitterに代わるSNSとして注目が集まっており、利用時にはInstagramアカウントを所持していることが必須となります。
Threadsについては、下記の記事もぜひチェックしてください。
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Threads(スレッズ)とは?機能や使い方、ビジネス活用事例4選を紹介
LINE
LINEは、日本国内で最も多いシェア数を誇るSNSです。
日常的なコミュニケーションツールとして利用されている一方で、ビジネスアカウントでは会員証やクーポン配信などのマーケティング戦略にも活用されています。
LINEにはチャット機能があるため、ユーザーと双方のコミュニケーションを取ったり、チャットボットを使って対応を自動化することも可能です。
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LINE公式アカウント運用のポイント8選|メリットや運用における注意点も解説
Xマーケティング・キャンペーンならOWNLY
X(旧Twitter)の有料プログラムが試験導入され、Xプレミアムが3種類の料金体系に変更するなど、さまざまな変化を見せるX。
Not A Botのテスト結果は近々知らせるということですが、結果が良好であれば世界的に導入される可能性もあるため、今後の情報に注目したいところです。
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