UGCマーケティングとは、SNSなどで自主的に発信された自社商品やサービスに関するコンテンツを用いてマーケティングを展開する手法です。
近年、企業は多くのチャネルでマーケティングを実施する必要があり、クリエイティブを用意する手間やコストがかかることに頭を抱えている人もいるでしょう。
本記事では、UGCを企業のクリエイティブとして活用すべき理由やメリット、クリエイティブの活用例、注意点などについて解説するので、ぜひ参考にしてください。

UGCとは
UGC(User Generated Contents)とは、日本語で「ユーザー生成コンテンツ」と訳され、一般ユーザーによって投稿されたコンテンツのことを指します。
たとえば、SNSに投稿された写真・動画や、ECサイトのレビューなど、消費者の口コミや評判によって生まれた投稿がUGCです。
UGCの代表的な例としては、以下のようなものが挙げられます。
- SNSへの口コミ投稿
- 商品の撮影した写真や動画
- ECサイトのレビュー
- 口コミサイトへの投稿
- 掲示板などの書き込み
- noteやブログ記事
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UGCは、企業目線ではなく一般ユーザーから発信される情報なので、他のユーザーからの信頼や共感を得やすいことが強みです。UGCは、商品の購入を迷っている人に対して購買の判断材料となるでしょう。
UGCが持つ購買意思決定における影響力とは
スマートシェア株式会社が実施した調査によると、Z世代が新たな商品・サービスを発見する場所は「SNS上の口コミ」が最も多く34.33%を占めています。
72.5%の人は毎日SNS検索を利用しており、中でも約5割の人は「商品を購入する際に口コミを最重視する」と回答しています。

参照:全年代の70%が毎日SNS検索を利用。購買活動へ与える影響とは? ~Z世代の5割の購買者はUGCを参考にしている事実~
Z世代を中心に、商品・サービスを購入する際に口コミを重要視する傾向にあり、TwitterやInstagramの口コミを見る回答者が多いという結果に。
このように、SNSに投稿されたコンテンツ(UGC)は購買意思決定に大きな影響を与えていることが分かります。
そのため、企業による押しつけ感のある広告ではなく、一般ユーザーによる身近に感じられる投稿を活用したマーケティングを実施する企業が増えています。
UGCをクリエイティブとして活用すべき理由
UGCをクリエイティブとして活用すべき理由はさまざまですが、クリエイティブの品質と量を担保できるという点があります。
近年はデジタルマーケティング市場が大幅に変化しており、企業はさまざまなチャネルにおいてマーケティング施策を展開しています。
SNSやコンテンツマーケティング、Web広告などの多様なチャネルを広げるとなると、それぞれに適したクリエイティブを準備する必要があるでしょう。
企業がクリエイティブを量産するには、莫大な時間やコストがかかってしまいます。
そこでUGCを活用すれば、企業のリソースやコストを圧迫することなく、クリエイティブの量と質を担保できることが大きなメリットです。
UGCは消費者目線の視点や訴求ポイントが詰まったコンテンツなので、新たなターゲット層を獲得するきっかけにもなるでしょう。
マーケティングにUGCのクリエイティブを取り入れるメリット
UGCマーケティングを実施し、一般ユーザーのコンテンツをクリエイティブとして活用するメリットは以下が挙げられます。
- 売上促進・CVR向上につながる
- 親近感や信頼感を得やすい
- 消費者のリアルな声を反映できる
ここでは、それぞれのメリットについて解説します。
売上促進・CVR向上につながる
近年、商品購入を検討する際に、UGC(口コミ)をチェックする人が増えています。とくに、ECサイトの場合はその傾向が顕著に表れているようです。
直接手にとって商品を確認することができない通販サイトの場合は、商品購入の判断材料となるため、生活者目線のUGCが重要視されています。
ECサイトやLPなどにUGCを掲載することで、商品やサービスを検討している顧客の後押しになり、売上促進やCVR向上につながるでしょう。
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親近感や信頼感を得やすい
UGCは一般ユーザーが投稿・共有した情報なので、一般の人々にとっては共感や親近感を抱きやすく、情報に対する信頼性も高まります。
商品やサービスを勧めるUGCを見た人々は、商品の存在を認知するだけでなく興味や関心を抱き、購買の後押しにもつながります。
また、UGCを活用することで企業と消費者の距離が縮まり、コミュニケーションの機会が増えることもあるでしょう。その結果、顧客ロイヤリティが向上する可能性もあります。
消費者のリアルな声を反映できる
UGCは、自社商品やサービスが消費者にとってどう評価されているのか、どんな改善点があるかを客観的に確認できるコンテンツです。
そのため、消費者によるリアルな声は、商品開発やマーケティング施策改善に役立つ重要なヒントとなります。
ユーザーの声を拾い上げて商品開発や改善に活かすことで、結果的に顧客ロイヤリティ向上や信頼感の醸成につながるでしょう。
企業におけるUGCのクリエイティブ活用例
企業がUGCのクリエイティブを活用する際は、以下のような方法があります。
- SNSの投稿素材として活用
- 広告クリエイティブとして活用
- 自社WebサイトやメディアにUGCを活用
それぞれの活用例について詳しく見ていきましょう。
SNSの投稿素材として活用
SNS公式アカウントの投稿素材にUGCを活用することで、コンテンツ制作に必要なクリエイティブ素材を収集することができます。
たとえば、公式Instagramアカウントの運用にUGCを活用すれば、素材収集・制作の工数を削減できるでしょう。
実際にアカウント運用を行ううえで、クリエイティブのストックが蓄積されていれば、投稿の量や質を担保できます。
また、通常の素材を使った投稿と比べて、UGCを活用した投稿の方が、いいねやコメントなどのエンゲージメントなども高まる可能性もあります。
広告クリエイティブとして活用
SNS広告やWeb広告のクリエイティブとしてUGCを活用することで、ユーザーに受け入れられやすい広告クリエイティブを手に入れることができます。
企業によるプロモーションに比べてUGCを活用したクリエイティブの方がクリック率が向上した事例もあるようです。
自社WebサイトやメディアにUGCを活用
ランディングページやECサイトにUGCを掲載することにより、サイトに訪れたユーザーの購買意欲を促すことができます。
また、自社サイトに訪れたユーザーがサイト内で口コミを参照できるため、他サイトへの離脱を防止する効果もあるでしょう。
自社のプロモーションを行う際に、Instagramだけでなく他のSNSや公式サイトでも写真を掲載すれば、ユーザーからのリアルな声を元にコンテンツを作成できます。
UGCマーケティングでクリエイティブを活用する際の注意点
UGCマーケティングで一般ユーザーのコンテンツをクリエイティブとして活用する際は、以下の点に注意しましょう。
- UGCが生まれやすい商材と生まれにくい商材を知る
- ステルスマーケティングを防止する
- 著作権や肖像権に注意する
それぞれの注意点について解説します。
UGCが生まれやすい商材と生まれにくい商材を知る
扱う商材によって、UGCの生まれやすさには差があります。UGCが生まれやすい商材と生まれにくい商材の例は以下のとおりです。
UGCが生まれやすい商材 |
食品や飲食店、旅行、書籍、音楽、電化製品、化粧品、アパレル、車など(日常的に使用するもの、自己表現に関するものなど) |
UGCが生まれにくい商材 |
日常であまり会話に上がらない商材、こっそりと使用したいようなコンプレックスを解消する商材 |
自社商品はUGCが生まれやすい商材なのかを把握した上で、UGCマーケティングの打ち出し方を検討する必要があると言えるでしょう。
ステルスマーケティングを防止する
UGCマーケティングを進めるときに、企業側からのプロモーションであることを隠す「ステルスマーケティング」になっていないか注意が必要です。
自社商品やサービスのPRを依頼するインフルエンサーに対しては、きちんと企業との関係性を明示してもらうようにする必要があります。
関係性の明示を怠ってしまうと、ステルスマーケティングと判断され、結果的に企業の信用が失われてしまうため注意が必要です。
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著作権や肖像権に注意する
SNSに投稿されたUGCを活用する際は、投稿者に許可を取ったうえで、著作権や肖像権の侵害にならないよう注意しましょう。
権利関係のトラブルに発展すると、企業としての信用問題にかかわるため注意が必要です。
しかし、一つひとつのUGCに利用許諾を取るのは手間や時間がかかるでしょう。UGCツールを利用すれば、利用許諾の管理を一括で行えるようになります。
まとめ
UGCマーケティングは、消費者の購買行動に大きく影響を与えるマーケティング施策のひとつです。
一般ユーザーによって投稿されたコンテンツをクリエイティブとして活用すると、クリエイティブの品質と量を担保しながらマーケティングに活用することができます。
UGCマーケティングを実施する際は、ツールの活用が必要不可欠です。UGCマーケティングツールをお探しの方は、ぜひ下記のページをチェックしてみてください。
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