SNSにおけるUGCは、消費者が商品やサービスを購買する際に、大きな影響を与えているコンテンツのひとつです。
TwitterをはじめとするSNSマーケティング活動において、いかにUGCを戦略的に生み出すかが重要な課題となるでしょう。
当記事では、TwitterにおけるUGCを生成するメリットや施策、注意点などについて解説します。実際にUGC生成につながったキャンペーン事例も紹介するので、ぜひ参考にしてください。

TwitterにおけるUGCとは

Twitterには、多くの一般ユーザーが写真や動画などを投稿しています。このようにユーザー自らが作り出したコンテンツを総称してUGCと呼びます。
企業が広告として宣伝するより、より消費者に近い目線で投稿されるUGCは、他のユーザーの共感を生みやすく、購買意欲を高められるのです。
実際に商品やサービスを購入するか迷ったときに、最終的にUGCを見て判断する人も多く、SNS上ではUGCが大きな影響を与えています。
TwitterのUGC活用が重要な理由
TwtterをはじめとするSNS上のUGCは、ユーザーの購買行動に大きな影響を与えます。
2022年にアライドアーキテクツ株式会社が調査した「ライフスタイルに関する調査」によると、「Twitter上の情報をきっかけや参考に、商品やサービスを購入したことはありますか。」という問いに対して、全体の64.5%の人があると回答しました。

引用:https://service.aainc.co.jp/product/echoes/voices/0053
また、買い物の情報収集源としてSNSを利用する人が増えていることが分かっています。
新しい生活様式下においてSNSを利用する目的として増えたものは、30%が「外出時間を短縮するために事前にサービス内容や口コミをチェックする」、28%が「通販サイトやデリバリーのサービス内容や口コミをチェック」と回答しています。
とくにこの傾向はInstagramやTwitterをよく使うユーザーに多いようです。

引用:https://service.aainc.co.jp/product/echoes/voices/
ニューノーマル時代における消費行動では、多くの人が「店頭に行く前に事前に情報収集」することが分かっており、この情報源としてSNSは大きな役割を果たしていると言えるでしょう。
企業はSNS上でUGCが存在する状況を創り出すか、いかに存在感を出していくかが鍵となります。
このように、TwitterにおけるUGCマーケティングは、消費行動に大きく関与する重要な施策であることが分かります。
TwitterでUGCを増やすメリット
UGCでUGCを増やすメリットには、大きく以下の2つがあります。
- 消費者目線の情報が拡散される
- 顧客のニーズを施策に活かせる
|
ここでは、TwitterでUGCを増やすメリットを解説します。
消費者目線の情報が拡散される
一般ユーザーが消費者目線で投稿することで、企業の宣伝よりも信憑性の高いコンテンツが出来上がります。
商品やサービスを使ったリアルな声を拡散できれば、他のユーザーの購買意欲の向上につなげることができるのです。
さらに、企業が気づいていなかった商品の活用方法などが拡散されることで、想定していなかったユーザー層にまで購買範囲を広げられるメリットもあります。
顧客のニーズを施策に活かせる
TwitterでUGCを生成することで、ユーザーの不満や要望などをチェックできます。
商品の購入数や売上だけを見ても、ユーザーのリアルな声や具体的な課題は発見しづらいでしょう。
収集した口コミをもとに、次回のキャンペーンや今後のマーケティング活動に反映することで、施策の最適化につなげることができます。
Twitter上でUGCを増やすための3つの施策

Twitter上でUGCを生成するための施策には、主に以下の3つがあります。
- フォロワーとのコミュニケーション
- インフルエンサー施策
- ハッシュタグキャンペーン
それぞれの施策について解説します。
1. フォロワーとのコミュニケーション
Twitter上でUGCが生成されるには、ユーザーが自ら話題にしたくなるような体験を提供することが大切です。
商品やサービスの質を向上させるだけでなく、話題になりそうな商品のパッケージを開発したり、店舗にフォトスポットを設置したりと、UGC生成につながる仕掛けを用意しましょう。
しかし、商品やサービスのクオリティを高めるだけで、消費者が口コミを投稿してくれるかと言えば、そうとは限りません。消費者との接点の中で、UGC投稿を呼びかけることも大切です。
たとえば、Twitterアカウントでの呼びかけはもちろん、メルマガや他SNSでの宣伝、商品の同梱物やチラシ、店頭POPなどで呼びかけるのも良いでしょう。
オリジナルハッシュタグの作成や、投稿ハッシュタグの指定を通して、投稿までのハードルを下げることができます。
特定のハッシュタグが付いた投稿から、素敵な投稿をピックアップして紹介するといったことも効果的でしょう。
2. インフルエンサー施策
一般ユーザーではなく、既に知名度や影響力のあるインフルエンサーを起用し、商品やサービスのPRを依頼するのも有効な手法のひとつです。
影響力のあるUGCを短期間で多く生成でき、多くのターゲット層にリーチできるメリットがあります。
ただし、UGCの数をやみくもに増やせばよいというわけではなく、信頼できる情報であるという点が重要です。そのため、企業が良い情報だけを誘導するのではなく、インフルエンサー自身の言葉で発信してもらう必要があります。
企業側による誘導によって宣伝感の強い印象を持たれてしまっては、企業やインフルエンサーのイメージダウンにつながる可能性があるためです。
インフルエンサーマーケティングでは、商品やサービスを普段から愛用している、共感してくれているような人物を起用することをおすすめします。
また、ステルスマーケティング(ステマ)にならないよう、広告主との関係性の明示も忘れないようにしましょう。
■関連記事
インフルエンサーマーケティングとは?効果やメリット・事例などを徹底解説
3. ハッシュタグキャンペーン
Twitterでのハッシュタグ投稿を呼びかけるキャンペーンは、UGC生成において非常に効果的です。
ハッシュタグキャンペーンを開催中に、Twitter広告やリツイートキャンペーンを併用することで、より多くのユーザーに参加してもらえます。結果、短期間で多くのUGC生成を見込むことができるでしょう。
アライドアーキテクツ株式会社の『ライフスタイルに関する調査』によると、ユーザーがTwitter上に購入した商品や来店したお店の感想(UGC)を投稿する理由は、次のような結果になっています。

引用:「Twitter × UGC」影響度を徹底調査。Twitter上でクチコミが起きる理由とは?
投稿するとクーポンやプレゼントがもらえるキャンペーンをやっているから |
43.0% |
良い点をより多くの人に知ってもらいたいから |
41.1%
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Twitter上でトレンドに掲載された話題だから |
35.9%
|
フォローしているユーザーが話題にしているから |
30.2%
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「メリットがあるから」「感想を多くの人に伝えたい」という理由がほぼ同率の結果となっており、Twitter上のキャンペーンはUGC収集に大きな影響を与えることが分かります。
ハッシュタグキャンペーンによって多くのUGCを生み出すには、ユーザーが楽しみながら参加できる企画や、魅力的な景品が当たる企画などの工夫をしましょう。
企業からの指定ハッシュタグはシンプルなものに留め、数を絞って分かりやすくすることも大切です。
キャンペーンは数多くのUGCを生み出せる施策のひとつでありながら、運用には多くの工数やコストがかかります。キャンペーンツールを活用することで、工数を抑えつつ、UGCを最大化することができるでしょう。
Twitter上のUGC生成に成功したキャンペーン事例8選
ここからは、Twitterキャンペーンを活用することでUGC生成に成功した事例を紹介します。
1. がぶ飲み「#がぶ飲みブルーシールコラボ」
ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社は、「#がぶ飲みブルーシールコラボ」Twitter投稿キャンペーンを開催しました。
「#がぶ飲みブルーシールコラボ」と「#がぶ飲み」のハッシュタグを付けて投稿することで、抽選で20名に同社商品のギフト券がプレゼントされる内容です。
参照:がぶ飲みブルーウェーブTwitter投稿キャンペーン
写真の投稿有無は当落に影響しないものの、ユーザー自ら多数の写真付きツイートが投稿され、商品の購買促進・認知拡大につながりました。
2. 松野家6つ子生誕祭2020企画第1弾
「おそ松さん」公式Twitterでは、松野家6つ子生誕祭2020企画として、6つ子への誕生日メッセージを募集する企画を開催しました。
「#松おめ募集中」「#松野家6つ子生誕祭2020企画」を付けて66文字以内で投稿し、メッセージによってデザインした特別ビジュアルを公開するというものです。
参照:松野家6つ子生誕祭2020企画第1弾 6つ子たちにお誕生日のお祝いメッセージを届けよう!
お誕生日メッセージを募集するという形式によって、普段キャンペーンに参加しない層の参加を促し、多くのUGC生成に成功した事例です。
特設ページでは、ハッシュタグ付きの投稿が自動で掲載されるようになっています。
3. #カフェオレどき
「AGF」公式Twitterでは、カンバセーショナルボタンを使った投票型の投稿キャンペーンを実施しました。
「私は朝カフェオレ」「私はこんなカフェオレどき」のいずれかを選んでハッシュタグツイートをすることで、抽選で100名に同社商品が当たる内容です。
2つの選択肢から選んでツイートしてもらうことで、ユーザーのキャンペーン参加意欲を促し、UGC生成を高められた事例となりました。
4. #キット想いとどく 受験生応援キャンペーン
「キットカット」公式Twitterでは、「#キット想い届く」「#キットカットで応募」を付けて受験生への応援メッセージを投稿することで、抽選で20名にキットカットが当たるキャンペーンを開催しました。
商品のパッケージには手書きでメッセージが書けるスペースが用意されており、ユーザーによる写真投稿を促せる事例となっています。
特設サイトでは、キットカットのパッケージで「お守り」を作るユニークなアレンジ方法も紹介されており、UGC生成の促進につながっていると言えるでしょう。
5. ユニクロ 30分間限定プレゼントキャンペーン
ユニクロ公式アカウントでは、キャンペーンで使うハッシュタグを「秘密のハッシュタグ」に設定した、ハッシュタグキャンペーンを実施しました。
ユニクロが行うライブ配信中にハッシュタグを発表することで、ライブ配信への誘導とハッシュタグツイートの拡散を同時に実現しています。
ライブ配信自体だけでなく、同社で展開する他商品の認知獲得につながった事例となりました。
6. 檸檬堂「あなたはどっち派?」投票キャンペーン
檸檬堂公式アカウントでは、2022年3月28日〜4月10日の14日間にわたって、檸檬堂の新製品2本セットが当たるキャンペーンを実施しました。
「#檸檬堂無糖レモン派」「#檸檬堂うま塩レモン派」のどちらかをつけて投稿を引用リツイートすることで参加できるという内容です。
どちらの商品が好きかと問いかけることで、ユーザーの参加意欲を上げてキャンペーン参加数を増やす狙いがあります。新商品の認知拡大に成功している事例といえるでしょう。
7. 「#じゃがりこ1個分のごめんね」キャンペーン
じゃがりこ公式アカウントでは、12月10日の「ごめんねの日」に合わせて、「#じゃがりこ1個分のごめんね」キャンペーンを実施しました。
「#じゃやがりこ1個分のごめんね」をつけて謝りたい相手やエピソードを投稿すると、自動で結果が届く内容です。
参照:「♯じゃがりこ1個分のごめんね」を伝えるTwitterインスタントウィンキャンペーン
4000名にじゃがりこサラダLサイズのクーポンが当たるというもので、商品の認知拡大や想起性の向上につなげました。
さらに、謝りたい人に@メンションをつけて抽選した人の中から、さらに抽選で100名に当たるWチャンスも用意されています。ユーザー間でのコミュニケーション構築・情報拡散につながる事例となりました。
8. スシローぜ「#すしフォト」|スシロー
スシロー公式SNSでは、TwitterとInstagramの両方で写真投稿キャンペーンを実施しました。
専用ハッシュタグ「#スシローぜ」をつけて、募集テーマに合った写真・動画を投稿した方の中から、抽選で100名にお食事券2,000円分が当たるという内容です。
ハッシュタグで写真を投稿してもらうことで、自然なUGC生成に成功しています。ユーザーに楽しんで参加してもらえるよう、募集する写真にはテーマが設けられていることも特徴です。
各SNSに投稿された写真は自社サイトの特設ページに掲載され、スシローへの来店やテイクアウトを促進する事例となっています。
9. カンバセーションボタンキャンペーン|ラブオールプレー
アニメ「ラブオールプレー」公式Twitterでは、アニメに出演するネコの名前をTwitter投票で決定する投票キャンペーンを実施しました。
カンバセーションボタンに表示されている4つの候補から1つを選び、決定した名前に投票してくれた方の中から抽選で5名に「番組オリジナルクオカード」が当たるという内容です。
投票結果はTwitterでトレンドにも上がる「猫の日」に発表され、よりユーザーの注目を集めるよう工夫されています。
番組内に登場するキャラクターの名前を投票することで、番組の認知・拡散、視聴への誘導を可能にした事例となっています。
なお、Twitterカンバーセショナルボタンは2022年4月に利用不可になりましたが、弊社が提供している「OWNLYカミュカ」を利用すると、今まで通りにカンバーセショナルボタンキャンペーンを実施できます。
OWNLYコミュカの利用についてはこちらからお問い合わせください。
10. #きなこもち再発売プレゼントキャンペーン|チロルチョコ
チロルチョコ公式Twitterアカウントでは、きなこもち味のチロルチョコの再発売を記念して、フォロー&RTで参加できるプレゼントキャンペーンを実施しました。
本キャンペーンは、「#きなこもち再発売」「#おかえりきなこもち」をつけて、コメントor投稿すると当選確率がアップするという仕掛けも作られています。
リツイートキャンペーンとハッシュタグ投稿を組み合わせることによって、ツイートの拡散とユーザー起点のUGC生成が同時に実現していることが特徴です。
このように、「当選確率アップ」や「ダブルチャンス」という条件を組み合わせて、自然にUGCを創出できるキャンペーン設計にするのもおすすめです。
TwitterでUGCを活用するときの注意点
TwitterでUGCを活用する際は、以下の2つに注意しましょう。
それぞれの注意点について解説します。
投稿の炎上リスク
ハッシュタグを活用した投稿では、ユーザーが誤った情報や炎上につながる情報を投稿してしまう可能性があります。
Twitterは一度投稿が拡散されると、収集がつかなくなるほど炎上してしまうケースも珍しくありません。
企業のTwitterアカウントが炎上すると、企業全体のイメージダウンにつながり、SNS上だけでなく消費者の購買行動にも大きな影響を及ぼします。
クレームや誤った情報が発信された場合、迅速に対応できるようチェック体制や問い合わせ体制を整えておくことが重要です。
著作権・肖像権のトラブル
UGCには著作権があるため、企業が使用する際にはユーザーの許可を得る必要があります。
また、肖像権や著作権などの権利をユーザーが意図せずに侵害してしまう恐れもあるため、十分に注意しなければなりません。
企業がキャンペーンを実施する際に、UGCを特設サイトやLPで利用したいという場合もあるでしょう。そのようなときは、事前にキャンペーン規約に「投稿した写真は特設サイトに掲載することがある」という旨を記載しておくとスムーズです。
UGCを活用する際は、ユーザーへの許可を取った上で、肖像権や著作権についても十分確認しておきましょう。
ステルスマーケティング
ステルスマーケティング(ステマ)とは、企業からの依頼や広告であることを隠して、第三者に宣伝やPR、口コミ投稿を指示することです。
2023年10月より、景品表示法によってステマ法規制が施行されます。たとえ金銭授受が発生していない場合でも、法規制の対象となる可能性があるようなので、UGCや口コミを取り扱う際は注意が必要です。
参照:消費者庁
TwitterをはじめとするSNSでは、ステマに対する世間の反応も厳しくなりつつあります。違法であることはもちろん、ステマは炎上や企業のイメージダウンにもつながりかねません。
とくに、インフルエンサーを起用したPRを行う場合は、広告主とインフルエンサーの関係性を明示しておくことが必要です。
まとめ
当記事では、TwitterにおけるUGCのメリットや、ハッシュタグキャンペーンを中心としたUGC生成の事例を紹介しました。
UGCを生成するには、まずはユーザー自らが写真や動画を撮影・投稿してもらえるよう、商品やサービスを工夫することが重要です。
そのうえで、Twitterキャンペーンやインフルエンサーマーケティングを活用していくと、さらにUGC生成を最大化できるでしょう。
TwitterキャンペーンやUGCマーケティングの実施を検討している方は、ぜひお気軽にOWNLYまでお問い合わせください。
