TikTokを効果的に運用するには、投稿の反応やフォロワーの動向を正しく把握することが欠かせません。
そこで活用したいのが「インサイト」機能です。インサイトを使えば、再生回数やエンゲージメント、フォロワーの属性などを数値で確認でき、アカウント改善やコンテンツ戦略に役立ちます。
本記事では、TikTokのインサイトの基本的な見方から、指標ごとの分析方法、活用時の注意点までを詳しく解説します。初心者の方でも迷わず操作できるよう、スマホ・PC別の手順も紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
TikTokのインサイトとは
TikTokの「インサイト」は、アカウントや動画投稿のパフォーマンスを数値で可視化できる分析機能です。
投稿の再生回数やエンゲージメント、フォロワーの属性や増減などを確認でき、運用の改善や戦略立てに欠かせない要素となっています。
とくに企業アカウントやインフルエンサーにとっては、コンテンツがどのようなユーザーに届き、どのような反応を得ているのかを把握することが重要です。
インサイトを活用すれば、効果の高い投稿パターンを見極めたり、投稿時間を最適化したりと、運用成果の向上につながります。
なお、インサイト機能はすべてのユーザーが使えるわけではなく、条件を満たしたアカウントのみが閲覧可能です。自分のアカウントが対象かどうか確認したうえで、機能の使い方や見方を押さえておきましょう。
TikTokのインサイトの見方
TikTokのインサイトは、モバイルアプリとPCブラウザの両方から確認できます。
利用するには、あらかじめ「プロアカウント」へ切り替えておく必要があります。設定から無料で変更できるため、まだの方は先に対応しておきましょう。
モバイルアプリの場合
モバイルアプリの場合は、以下のように進めます。
- TikTokアプリを起動し、プロフィールへ移動
- プロフィールページの中央にある「TikTok Studio」を選択
- 「インサイト」から右上の「すべて見る」をタップ
インサイトはメニューごとに分かれており、アカウント全体や投稿単位のデータを確認できます。
PC・ブラウザの場合
PCやブラウザの場合は、以下のように進めます。
- TikTok公式サイトにアクセスし、プロフィールへ移動
- 右上のアイコンから「クリエイターツール」を選択
- 「インサイトを見る」を選択
PC版は画面が広く、期間比較やグラフ表示が見やすいのが特徴です。週ごとの数値変化など、詳細な分析を行いたい場面で活用できます。
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TikTokのインサイトで確認できる指標
インサイトでは、アカウントや投稿に関するさまざまな数値データを確認できます。
日々の投稿を振り返るだけでなく、傾向の分析や改善施策の立案にも役立つため、使いこなすことでTikTok運用の精度が高まります。
- 概要|アカウント・投稿全体
- コンテンツ|人気動画や再生回数
- 視聴者|視聴したユーザー
- フォロワー|属性や推移
ここからは、各項目で確認できる主な指標について詳しく解説していきます。
概要|アカウント・投稿全体
「概要」では、アカウント全体のパフォーマンスを確認できます。
主な指標としては、以下の通りです。
- 動画の合計再生数
- プロフィールの閲覧数
- フォロワー数の推移
- フォローされた回数
- いいね・コメント・シェアの合計数など
表示できる期間は7日間または28日間で、日ごとの数値変化もグラフで把握できます。
直近の運用成果や変化の傾向を見極めるのに役立つため、定期的にチェックする習慣をつけるのが理想的です。
また、プロフィール閲覧数が増えていれば、動画からアカウントに興味を持ったユーザーが一定数いると読み取れます。
反対に、再生数に対してプロフィールへの遷移が少ない場合は、自己紹介文や投稿内容に工夫の余地があるかもしれません。運用方針の見直しにもつながる重要な項目です。
コンテンツ|人気動画や再生回数
「コンテンツ」では、過去の投稿ごとのパフォーマンスを一覧で確認できます。
直近7日間または28日間に投稿した動画が表示され、それぞれの再生回数、平均視聴時間、視聴完了率、いいね・コメント・シェア数などの指標が並びます。
特に注目したいのが再生回数と平均視聴時間です。再生数が多い動画は、フォロワー外のユーザーにもリーチしている可能性が高く、アルゴリズムに評価されたコンテンツといえます。
一方で、平均視聴時間が短い場合は、冒頭で離脱されている可能性があるため、導入部分の見直しが効果的です。
また、視聴完了率が高い動画は「最後まで見られた=満足度が高い」証拠といえます。成功パターンを見つけるうえで重要なデータです。
数字の良い動画は、再編集して再投稿するなど再活用することで、さらなる伸びが期待できます。
視聴者|視聴したユーザー
「視聴者」タブでは、TikTok上で自分のコンテンツを視聴しているユーザーの属性を確認できます。
年齢層・性別・使用している地域・使用言語・活動時間帯などのデータが視覚的に表示され、ターゲット層の傾向を把握するのに役立ちます。
たとえば、視聴者の大半が10代〜20代前半であれば、若年層に刺さりやすい企画やテンポ感を意識する必要があります。また、視聴時間の多い曜日や時間帯を見れば、投稿タイミングの調整にも活用できます。
使用地域や言語情報からは、想定外の国や地域で再生されているケースに気づけることもあります。
コンテンツの届け方を見直すヒントが詰まった項目です。
フォロワー|属性や推移
「フォロワー」では、自分のアカウントをフォローしているユーザーの属性や増減の傾向を確認できます。性別や年齢層、居住地域、アクティブな時間帯などがグラフで表示され、フォロワーの特徴を具体的に把握できます。
フォロワーがどの時間帯に最も活動しているかを知ることで、投稿タイミングの最適化が可能になります。また、増減のグラフを見ることで、どの投稿がフォロー獲得や離脱に影響したかも推測しやすくなります。
さらに、視聴者データとの違いを比較することで、「動画は多くの人に見られているが、フォロワーにはつながっていない」などのギャップにも気づけます。
フォロワーとの関係性を深めたい場合や、コミュニティの方向性を見直したいときに、特に有効な分析項目です。
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TikTokのインサイトの分析方法
インサイトは、ただ見るだけでなく活用してこそ意味があります。ここでは、分析の基本的な視点を紹介します。
アカウント全体の分析
アカウント全体の傾向を把握するには、「概要」タブの各数値を定期的に記録・比較することが効果的です。
とくに、フォロワー数の増減やプロフィール閲覧数の推移は、アカウントの成長度合いや注目度を測る指標となります。
投稿数が増えても再生数が伸び悩んでいる場合は、動画の方向性がズレている可能性があります。
一方で、再生数は安定していてもフォロワーが増えない場合は、アカウントの魅力や導線設計に課題があるかもしれません。
データの変化を週ごと・月ごとに追うことで、運用施策の効果を客観的に評価できます。
投稿日時・曜日の分析
TikTokでは、投稿するタイミングによって再生数やエンゲージメントに大きな差が出ます。視聴者やフォロワーのアクティブな時間帯は、「フォロワー」タブで確認できます。
そこで表示されるピーク時間に合わせて投稿することで、動画がより多くのユーザーのタイムラインに届きやすくなります。
また、曜日ごとの数値を記録することで、特定の曜日に伸びやすい傾向があるかどうかも見えてきます。
たとえば、週末に再生数が大きく伸びる場合は、週末向けの企画や投稿スケジュールに調整すると効果的です。単発で判断せず、継続的にデータを蓄積して傾向をつかむことが大切です。
コンテンツごとの分析
動画単位での分析は、インサイトの「コンテンツ」タブを活用します。
ここでは、各動画の再生回数や視聴完了率、平均視聴時間、エンゲージメント(いいね・コメント・シェア)などを一覧で確認できます。
再生数が多い動画には、冒頭のつかみやテンポ、BGM、テロップの入れ方など、何かしら共通する要素があるはずです。逆に、視聴完了率が低い動画は、途中で離脱されている原因を探る必要があります。
高い成果を出している投稿を分析し、うまくいっていない動画との差分を比較することで、次の改善点が見えてきます。
数字だけでなく、実際の動画内容を見直しながら分析することが効果的です。
TikTokのインサイトを活用するうえでの注意点
TikTokのインサイトを活用する際は、数値の一部だけに偏らないよう注意が必要です。
たとえば、短期的な数値に一喜一憂しすぎず、一定期間の傾向を見ながら判断することが大切です。
日ごとの変動はさまざまな要因に左右されるため、分析は週単位・月単位で行うのが理想です。
さらに、インサイトの反映にはタイムラグがあるため、投稿直後の数値だけで判断しないようにしましょう。
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TikTokのインサイトが見れない・出てこないのはなぜ?
TikTokのインサイトが見られない主な原因は2つあります。
1つはアカウントが「個人アカウント」のままであることです。インサイトを使うには、事前に「プロアカウント」へ切り替える必要があります。
もう1つは、インサイトがデータを集計するまでの時間が必要な点です。アカウントを切り替えたばかりの場合や、動画をまだ投稿していない場合は、十分なデータが表示されないことがあります。
いずれも設定から確認・変更できるため、まずはアカウント種別と投稿状況をチェックしてみてください。
まとめ
TikTokのインサイトは、アカウントの成長を後押しするための強力な分析ツールです。
再生回数や視聴維持率、フォロワーの属性などを把握することで、投稿内容や運用戦略の改善に役立ちます。
数値をただ確認するのではなく、投稿の成果や傾向を読み取り、次のアクションにつなげることが重要です。
また、自社での運用が難しい場合は、外部サービスを活用するのも選択肢の一つです。
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