SNS運用は誰でも始めやすい半面、成果につなげるために戦略的な運用が必要不可欠です。
「SNS戦略はどうやって立てるべき?」「SNSマーケティング戦略の成功事例を知りたい」とお考えの方もいるのではないでしょうか。
本記事では、SNSマーケティング戦略の立て方や、戦略的なSNSマーケティングによるメリット、企業の成功事例などについて解説するので、ぜひ参考にしてください。
戦略的なSNSマーケティングを実践するメリット
戦略的なSNSマーケティングを実践するメリットは、以下が挙げられます。
- 商品やブランドの認知度アップ
- 顧客ロイヤリティの向上
- 新規顧客の獲得・育成
- ブランディング
ここでは、それぞれのメリットについて順に解説します。
商品やブランドの認知度アップ
SNSは情報がシェア・拡散されやすく、商品やブランドの認知度アップを図れます。
各SNSには拡散機能が備わっており、自社アカウントのフォロワーが拡散すると、そのフォロワーに情報がどんどん広がっていきます。
また、SNSはアルゴリズムによって興味関心の高い情報が流れてくるようになっており、滞在顧客が自社商品・サービスを目にする機会を作りやすいでしょう。
広告も認知拡大に有効ですが、コストがかかりやすいというデメリットが挙げられます。
その点、SNSは無料でアカウントを作成し情報発信できるので、初期費用や運用コストを抑えやすい点もメリットです。
顧客ロイヤリティの向上
SNSは企業と顧客が双方向のコミュニケーションを気軽にとれる場所です。そのため、顧客ロイヤリティの向上が見込めるというメリットもあります。
たとえば、顧客が商品を購入した投稿に対して、いいねやリプライ、引用リポストなどでアクションすれば、企業に対しての好感度や信頼度が高まるでしょう。
また、SNSはポジティブな感想もネガティブな感想も気軽に書き込めるため、顧客のリアルな声を集めやすいことも特徴です。
「○○な部分を改善してほしい」「ここが良かった」など、顧客の生の声を聞くことで、商品開発やマーケティング施策のヒントとなる情報を得られることもあります。
新規顧客の獲得・育成
SNSは多くのユーザーに対してアプローチできるので、新規顧客の獲得・育成に効果があります。
たとえば、お得なSNSキャンペーンを通じて新たな顧客を獲得し、継続的にアプローチを仕掛ければ、自社のファンへと育てることができるでしょう。
SNSから実店舗への来店促進、ネットショップへの誘導なども行えるので、集客効果やCVR向上などが見込めるという強みもあります。
これまで実店舗やネットショップだけではアプローチしきれなかった層までリードを広げられるため、SNSマーケティングは集客施策に非常に有効です。
ブランディング
SNSマーケティングは、企業のブランディングやイメージ向上につながるメリットもあります。
ブランディングによって、商品・サービスや企業の世界観を伝えられれば、信頼性や親近感が高まりファン化につながります。そうすれば、ファン自身の購買促進や拡散効果も見込めるでしょう。
一貫性のある投稿やジャンルを絞った投稿、トンマナを一定に保つことで、ブランディング効果が期待できます。
SNSは直接ユーザーとつながりを持てるツールなので、距離感が縮まり、より多くのユーザーと接点を持てるようになるでしょう。
SNSマーケティング戦略の立て方|6ステップ
SNSマーケティング戦略を立てるときに、何から手をつけるべきか悩む人もいるのではないでしょうか。SNSを戦略的に活用するためには、以下の6ステップを参考に進めましょう。
- 目的・目標を明確にする
- ターゲットを策定する
- SNSを選定する
- KPI・KPIを設定する
- 運用体制を整える
- 方向性や内容を決める
ここからは、SNS戦略の立て方を6つのステップに分けて解説します。
1. 目的・目標を明確にする
はじめに、どういった成果を目指して、何が目的でSNS戦略を立てるのかを明確にしましょう。SNS運用というと、フォロワー数やいいね数を増やすことに気を取られてしまいがちですが、SNS運用そのものを目的にしないことが大切です。
たとえば、代表的なものとして以下のような目的が挙げられます。
- 認知拡大
- 購買・来店促進
- ファン・リピーター獲得
- ブランディング
- 問い合わせ・サポート対応 など
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こうした目的がはっきりしないまま運用すると、「何から手をつけたらいいか分からない」「思うように成果が出ない」といった状態になってしまいます。
目的は複数あっても問題ありませんが、どれから手をつけるべきかという優先順位を付けておくと、SNS戦略を立てやすくなるでしょう。
2. ターゲットを策定する
次に、情報を届けたい対象となるターゲットユーザーを明確にすることが重要です。
ターゲットとなる顧客層を把握することで、投稿内容やアプローチ方法が整理しやすくなり、アカウント運用の方向性に統一感が生まれます。
ターゲットを設定する際に、さらに深く顧客像を把握するために「ペルソナ設定」を行うのが一般的です。
ペルソナ設定とは、架空の人物像を通じて、より具体的な顧客像を描き出すことで、ターゲットの嗜好やニーズを理解するための手法です。
ペルソナ設定について詳しく知りたい方は、関連記事を参考にしてみてください。
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SNSマーケティングで重要なペルソナ設定とは|具体例や作成のコツを紹介
3. SNSを選定する
自社の商品やサービスに合ったSNSを選ぶ際には、各プラットフォームの特性を把握し、選択を慎重に行うことが重要です。
ただ単にアカウントを作るのではなく、Instagramのようにビジュアル重視で自社のイメージを伝えやすい点や、Twitterの拡散性など、それぞれの特長を考慮する必要があります。
SNSマーケティングで成果を上げるためには、各SNSの特徴を踏まえて、自社のターゲットや目的に合わせてSNSを使い分けることもおすすめです。
■関連記事
【2023年最新】SNSの利用状況まとめ|日本・世界別のアクティブユーザー数も紹介
以下の資料では、TikTokをはじめとした日本国内で利用されているSNSの利用状況と具体的な活用シーンを効果別に解説しています。
「自社のサービスはどのSNSが合うの?」「今から参入すべきSNSは?」とお悩みの方は是非ご参考ください。
4. KPI・KPIを設定する
あらかじめ設定した目的や目標をもとに、具体的なKPIとKGIを設定します。
- KGI:ビジネスやプロジェクトの全体目標
- KPI:KGIを達成するための具体的な指標や数値
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たとえば、フォロワー数増加を目標とする場合は、フォロワー増加率、新規フォロワー数、プロフィール遷移率など目標と関連性のあるKPIを設定します。
SNS運用でKGIを設定する際は、目標(KPI)に対するKGIを適切に選定しましょう。
各KPIに対して、進捗や成果を評価するためにKGIを設定します。どのように関連しているかを明確にしたうえで、必要なデータを収集しましょう。
定期的にKPIとKGIを分析し、目標の達成度を確認することも大切です。目標に対して適切でない場合、KGI設定の見直しやコンテンツの改善が必要になります。
5. 運用体制を整える
自社がSNSを運用する際には、社内できちんと準備を整えることが大切です。
運用担当者の配置やアカウントのセキュリティ管理など、最低限必要な手順を事前に明確にしておくようにしましょう。
社内で運用体制を整えることで、炎上リスクに備えたり、業務に専念しやすくなります。急な引き継ぎや緊急時にも冷静に対応できるため、属人化の防止にもつながるでしょう。
SNS運用を円滑に行うためにも、運用体制を整えることは必要不可欠です。
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企業Twitterの運用ルールで定めるべき項目8選|運用ルールの必要性やコツを解説
6. 運用の方向性や企画を検討する
最後に、運用の方向性や投稿する内容を検討しましょう。運用当初は、高い頻度で更新するとフォロワーが集まりやすくなります。
投稿内容は、ターゲットユーザーに興味を持ってもらえそう、役に立ちそうな発信内容を考えましょう。ペルソナにもとづいて検討するのがおすすめです。
宣伝や広告のような投稿ばかりを行うと、ユーザーが嫌悪感を抱きフォローを外すきっかけとなってしまいます。
ユーザーにとって有益な情報やコミュニケーションをメインにするといいでしょう。
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【SNS別】企業のSNSマーケティング成功事例8選!成功させるコツも解説
代表的なSNSの種類
ここからは、日本国内における代表的なSNSの種類や特徴について解説します。
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国内の月間アクティブユーザー数
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特徴
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X(旧Twitter)
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4,500万人
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- 140文字以内のテキストを中心としたSNS
- リアルタイム性や拡散性が高い
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Instagram
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3,300万人
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- 画像や動画などビジュアルメインのSNS
- ブランディングやECサイトとの運営に相性が良い
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LINE
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9,700万人
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- 1対1のやり取りに適したコミュニケーションツール
- 公式アカウントで会員証やクーポン発行などが行える
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Facebook
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2,600万人
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- 実名登録制のSNSで30~50代のユーザーが多い
- ビジネス層に向けた発信やインバウンドを展開する場合に活用できる
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TikTok
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2,500万人
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- ショート動画を編集・投稿・共有できるSNS
- 10~20代を中心とした若年層からトレンドが広がっている
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YouTube
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7,120万人
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- ショート動画から長尺動画まで幅広いジャンルの動画コンテンツを共有できるSNS
- 若い世代から60歳以上まで幅広いユーザー層に利用されている
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SNSマーケティング戦略の成功事例5選
ここからは、SNSマーケティング戦略の成功事例を紹介します。
1. ローソン|リポストキャンペーン
ローソンの公式Twitterは、2023年12月時点で800万人を越えるフォロワーを獲得しており、大手コンビニ3社の中でも最も多い数字となっています。
SNS戦略に力を入れており、中でも頻繁に実施されているプレゼントキャンペーンが人気を集めています。
フォロー&リポストという簡単な条件で応募でき、抽選結果はその場でお知らせされるインスタントウィン形式であることがユーザーの注目を集める理由でしょう。
参加条件にアカウントのフォローを促すことで効率的にフォロワーを獲得し、ファンを獲得・育成することで、来店促進や売上アップにつながっています。
2. 洋服の青山|Instagramアカウント運用
洋服の青山では、Instagramで「洋服の青山【ガールズアカウント】」を展開し、洋服の青山といえば成人男性向けのスーツという印象を覆しています。
普段の投稿では、映え写真の撮り方やJKのトレンドなど、女子高生が好む最新トレンドを積極的に投稿し、アカウントのファンを獲得。
就活や入学式の時期が近づいたタイミングで自社商品を紹介することで、新しいターゲット層に向けたアプローチを実現しています。
3. ホテル椿山荘東京|UGCマーケティング
ホテル椿山荘東京では、Instagram上の投稿を自社公式サイトのトップページやサービス紹介ページに掲載しました。
参照:InstagramのUGCを自社公式サイトに活用|OWNLY導入事例
従来の施設側の発信だけでなく、実際にホテルを利用したお客様の声をUGCコンテンツとして活用しました。
ホテルの利用を検討しているお客様にとって、第三者のリアルな口コミを参考にすることで、ホテルの魅力やサービスの質をより客観的に伝えられました。
UGCによって信頼性の向上にもつながり、お客様の予約の意思決定を後押しする効果も見込めます。
UGCを活用することで、コンテンツ制作の手間を削減しつつ、Webサイトの情報を充実させられるのが大きなメリットです。
4. ネスレ日本株式会社|レシート応募キャンペーン
ネスレ日本株式会社では、クリーミングパウダー「ネスレ ブライト」と家庭用の鍋スープ「赤から」とのコラボレシート応募キャンペーンを実施しました。
指定期間中に「ネスレ ブライト」の対象商品と赤から鍋スープの対象商品を購入し、キャンペーンサイトにレシート画像を登録すると応募できるというものです。
参照:夏こそ赤からに#追いブライト! みんなで夏鍋キャンペーン|ネスレ日本株式会社
期間中に2回以上応募すると当選確率が10倍になるというもので、キャンペーンを実施することで対象商品の販売促進が見込めます。
SNS上でキャンペーンを実施することで、商品を認知していないユーザーに対しても認知度を高められるのもメリットです。
5. 株式会社ライドオンエクスプレス|投票キャンペーン
宅配御膳「釜寅」では、創業20周年記念企画として、Xの投票キャンペーン「#推し釜飯 を選んで当たる!プレゼントキャンペーン」を開催しました。
人気の組み合わせ6品から好きな釜飯に投票すると、参加者の中から抽選で30名に釜寅オリジナルタオルがプレゼントされるというものです。
参照:釜寅20周年記念「#推し釜飯 を選んで当たる!プレゼントキャンペーン」|OWNLY導入事例
ユーザー自ら選んで投票する参加型のキャンペーンにすることで、商品の認知度や理解度の向上につながります。
好きな画像をタップするだけでポストできるストレスのない挙動を実現し、ユーザーの体験価値を高めることができた事例です。
SNSマーケティング戦略を成功させるコツ
SNSマーケティング戦略を成功させるコツとして、以下が挙げられます。
- 商品・サービスの宣伝ばかりしない
- 定期的に効果測定・分析する
それぞれのコツについて詳しく解説します。
商品・サービスの宣伝ばかりしない
SNSマーケティングを実施する際は、商品・サービスの宣伝ばかりしないように注意しましょう。
ユーザーにとって価値ある情報や興味関心をひく情報を発信しなければ、フォロワー数は伸びずSNS運用の成果を感じづらくなります。
定期的に効果測定・分析する
SNSマーケティングを実施するときは、定期的に効果測定や分析を行うことが大切です。
施策を実行する前に設定した目標を達成できているか、どのような変化が生まれているかを分析します。
マーケティング施策ごとに仮説を立てて、仮説と大きく異なる場合は原因を絞り込み、施策を改善するといいでしょう。
SNS戦略まとめ
SNSマーケティングは、認知拡大やブランディング、顧客ロイヤリティ向上などさまざまな効果が望めます。各SNSによって特徴やリーチできる層は異なるので、最適なプラットフォームでマーケティングを行うようにしましょう。
SNSは低コストで広告やマーケティングに活用できる一方、戦略的かつ中長期的に運用しないと成果が出づらいと言えます。
「SNSマーケティングの戦略で悩んでいる」「これからSNSに力を入れていきたい」とお考えの方は、ぜひ下記の資料をご覧ください。