
SNSを使ったマーケティングでは、周囲への影響力が高いインフルエンサーを活用することで効果的にプロモーション活動を行うことが可能です。
特に最近では、数千〜1〜2万人規模のフォロワーを持つ「マイクロインフルエンサー」を活用する手法が注目されています。
今回は、マイクロインフルエンサーの探し方から活用方法まで詳しくご紹介します。
なお以下ではインフルエンサーマーケティングを検討する際に知っておきたいSNSの活用術について紹介しています。もし、「自社のターゲットはどのSNSに多い?」「各SNSとの相性は?」とお悩みの方は、以下の資料をご参照ください。

マイクロインフルエンサーとは

マイクロインフルエンサーとは、1万人~10万人程度のフォロワーを持つインフルエンサーのことを指します。
インフルエンサーは、フォロワー数は多ければ多いほど効果があるように思えますが、実はフォロワー数が多いほどリーチ率が下がるということが統計で分かっています。
これは、芸能人やタレント、モデルなどのインフルエンサーは、単に「ファンだから」という理由でフォローをしているユーザーも多く、フォロワーの趣味趣向はバラバラなことが理由です。
マイクロインフルエンサーの場合は、「この人のセンスが好きだから」「共通の話題を持っているから」など感性や価値観があっているという理由から、フォローしていることが多い傾向にあります。
ターゲティングがしやすく、フォロワーからの信頼もあるためエンゲージメント率が高くなることが特徴です。
インフルエンサーとは
そもそもインフルエンサーとは、一般ユーザーの消費行動に高い影響を与える力を持つ人々のことを指します。
SNSマーケティングの分野では、Instagram、Facebook、TwitterなどのSNS上で大量のフォロワーを抱えているような人々がインフルエンサーと呼ばれます。
インフルエンサーは多くのフォロワーに情報を拡散し、コンテンツを通じてトレンドを発信する力があります。そのため、企業がインフルエンサーを通じて商品の宣伝をしてもらうのがインフルエンサーマーケティングの手法です。
インフルエンサーの投稿は企業の広告に比べエンゲージメント率が高くなる傾向があり、購買層へ効果的にリーチさせることが期待できます。
インフルエンサーの種類とマイクロインフルエンサーとの違い
インフルエンサーは大きく分けて「トップインフルエンサー」「メガインフルエンサー」「マイクロインフルエンサー」「ナノインフルエンサー」の4種類に分かれます。
それぞれのインフルエンサーは、主にフォロワー数や影響力に差があります。
- トップインフルエンサー
- メガインフルエンサー
- マイクロインフルエンサー
- ナノインフルエンサー
ここでは、それぞれのインフルエンサーの特徴を解説します。
トップインフルエンサー
トップインフルエンサーは、100万人以上のフォロワーを抱える人物のことです。SNS上だけでなく世間的に知名度が高い芸能人やモデル、YouTuber、インスタグラマーなどが分類されます。
リーチ力が非常に大きい特徴がありますが、マイクロインフルエンサーに比べてフォロワーとの距離感が遠くなりやすいことがデメリットです。
知名度があるがゆえに、興味本位であることから情報感度が低いフォロワーが多くなり、エンゲージメント率が低くなる傾向にあります。
メガインフルエンサー
メガインフルエンサーは、10万人~100万人程度のフォロワーを抱える人物のことです。
トップインフルエンサーほど知名度は高くないものの、特定のジャンルにおいて活躍している、カリスマ的存在になっている人物などが挙げられます。
トップインフルエンサーと同様、ややフォロワーとの距離感が生まれやすいのが懸念点ではあるものの、起用する人物によっては十分に高いPR効果が期待できるでしょう。
マイクロインフルエンサー
マイクロインフルエンサーは、1万人~10万人程度のフォロワーを抱える人物のことです。
トップインフルエンサーやメガインフルエンサーに比べると、フォロワー数はやや少ないですが、より幅の狭いニッチなジャンルで活躍している人が多くいます。
フォロワーとの距離感が近い傾向にあり、フォロワー一人ひとりに対する影響力が大きいことが特徴です。そのため、高いエンゲージメント率が期待できます。
ナノインフルエンサー
ナノインフルエンサーは、数千~1万人程度のフォロワーを抱える人物のことです。マイクロインフルエンサーと同様にフォロワーとの距離が近く、エンゲージメント率が高い傾向にあります。
ただし、フォロワー数が少ない分閲覧数も少なくなるため、エンゲージメント率は高いものの、インプレッションが低いことが特徴です。
また、インフルエンサーの方向性やコミュニティが確立しておらず、ターゲットが定まらない可能性がある点や、インフルエンサー施策の経験がない、少ない場合がある点に注意しなければなりません。
ミュニケーションをとっているユーザーの場合は、高いエンゲージメント率が期待できます。
マイクロインフルエンサーを活用する強み

マイクロインフルエンサーを活用する強みは、どのようなものがあるのでしょうか。
- 専門分野とコミュニティが確立している
- ファンとの距離が近くエンゲージメントが高い
- PRにかかる費用を安く抑えられる
- インフルエンサー施策に慣れている
ここでは、それぞれの強みについて解説します。
専門分野とコミュニティが確立している
マイクロインフルエンサーは、自身の得意とするジャンルに特化した情報を発信しているユーザーも多くいます。
そのため、訴求したい商品がジャンルに合致していれば、フォロワーに対してより深く訴求しやすくなることがメリットです。
反対に、誰もが知っている有名なインフルエンサーの場合は、必ずしも発信されている情報が響くとは限りません。知名度というよりは、発信する情報やインフルエンサー自身に惹かれたユーザーがフォロワーになるのです。
ファンとの距離が近くエンゲージメントが高い
マイクロインフルエンサーは、トップ・メガインフルエンサーに比べるとフォロワー数が少ない分、一人ひとりのフォロワーと距離感が近いのが特徴です。
そのため、より身近に感じやすいことから積極的にいいねしたり、投稿にコメントを残したりと、何らかのアクションを起こしてもらえる可能性が高くなります。
インフルエンサーマーケティングにおいて、多くのユーザーにリーチすることは重要なポイントです。
さらに「購入」「申し込み」などの成果を上げるために、一人ひとりに与える影響力が大きいマイクロインフルエンサーを起用するのも効果的です。
PRにかかる費用を安く抑えられる
インフルエンサーのPR依頼にかかる費用は、フォロワーの数によって変動します。たとえば、フォロワー1人あたり1〜2円でフォロワーが1万人いる場合は1〜2万円程度です。
トップ・メガインフルエンサーに比べてフォロワー数が少ないマイクロインフルエンサーであれば、費用を安く抑えて依頼することができます。
また、マイクロインフルエンサーはフォロワーに対する影響力が大きいため、費用を抑えつつも高い効果を得られることが特徴です。
インフルエンサー施策に慣れている
マイクロインフルエンサーは、上記のような理由から企業のPRにおいて人気が高いです。そのため、PR経験が豊富で慣れているユーザーも多くいるでしょう。
PR投稿の基本的な流れを把握していることが多いため、円滑にやり取りを進めることができるでしょう。
とくに、自社で直接やり取りする場合は、依頼から交渉、PR投稿、支払いまでをスムーズに進められることも大きなメリットとなります。
マイクロインフルエンサーを活用するポイント

マイクロインフルエンサーを活用するときは、以下のポイントをおさえましょう。
- イメージや業界に合った人物を起用する
- フォロワー属性や質を確認する
- PR実績をチェックする
- 投稿内容に自由度を持たせる
- ステマ対策を行う
ここでは、それぞれのポイントについて順に解説します。
イメージや業界に合った人物を起用する
インフルエンサーを起用する際は、イメージや業界に合った人物を起用するのがおすすめです。たとえば、コスメや美容に関する商品であれば、日頃から美容に関する情報を発信しているユーザーを起用します。
旅行に関する商品・サービスであれば、旅行好きのフォロワーを多く抱えているマイクロインフルエンサーを起用するといいでしょう。
イメージや業界とマッチしたマイクロインフルエンサーを起用することで、自然なPR投稿ができるため、フォロワーに受け入れてもらいやすくなります。
フォロワー属性や質を確認する
単にフォロワー数で判断するのではなく、普段投稿している内容やどんなフォロワーを抱えているかをみていくことも重要です。
また、フォロワーとの関係性もポイントとなります。フォロワー数に対していいね!の割合が高かったり、コメントでよくフォロワーとやりとりをしていたりする場合、距離感が近く友好な関係を築けていることが伺えます。
フォロワーと積極的にコミュニケーションをとっているユーザーの場合は、高いエンゲージメント率が期待できるでしょう。
また、中にはあたかもフォロワー数が多いように見せている「偽フォロワー」を購入しているケースも珍しくないため、念のためチェックしておくと安心です。
PR実績をチェックする
過去にPRを行ったことがあるか、PR投稿のエンゲージメントやユーザーの反応はどうかなどの確認をするのもおすすめです。
普段のエンゲージメントとPR投稿のエンゲージメントを確認して、なるべく高い効果が見込めるマイクロインフルエンサーを選定しましょう。
しかしオープンな数値には限りがあり、データの抽出が難しいケースもあるため、ツールやプラットフォームを活用すると効果的なキャスティングが行いやすくなります。
投稿内容に自由度を持たせる
PR投稿は「宣伝」ではあるものの、インフルエンサーが普段している投稿のトンマナや人間性を活かして、インフルエンサー自身の言葉で宣伝してもらうのが理想です。
そうすることで、ユーザーに嫌がられやすいPR感が薄れて、信頼・共感を得やすくなります。
ただし、必須の情報や企業として譲れないポイント、最低限のルールをまとめたうえで、コンテンツを作成してもらうようにしましょう。
ステマ対策を行う
インフルエンサーが企業から報酬を受け取って宣伝する場合、広告主との関係性を明示する責務があります。これを正しく行わなかった場合、「ステルスマーケティング」、いわゆるステマとなってしまうのです。
現在はユーザー間でもステマに敏感になっており、炎上が起こりやすくなっています。ステマと疑われる投稿は、企業とインフルエンサーのイメージダウンにつながりかねないため、扱いには十分注意が必要です。
日本では「#PR」といった推奨タグで明示していることが多く、「提供:」「sponsored by~」などの記載方法があります。
マイクロインフルエンサーを活用するときの探し方

マイクロインフルエンサーを活用する場合は、おもに3つの方法で依頼します。
- 自社でマイクロインフルエンサーに直接依頼する
- インフルエンサープラットフォーム・ツールを活用する
- インフルエンサーマーケティング会社に依頼する
ここでは、それぞれの探し方を順に解説します。
自社でマイクロインフルエンサーに直接依頼する
PRを依頼したいインフルエンサーに直接依頼する方法です。中間マージンが発生せず、スピード感のある依頼を行えるメリットがあります。
一方で、PR全体のディレクションや炎上対策、商品の発送などの業務をすべて自社で行わなければならず、個別の支払いや源泉徴収の手続きなどの手間がかかります。
インフルエンサープラットフォーム・ツールを活用する
インフルエンサープラットフォームやツールを利用して、インフルエンサーの選定やPRの依頼を行う方法もあります。
ツールによっては、SNS投稿をもとに自社にマッチした人物を選定したり、カテゴリー別にインフルエンサーを探したりできる機能もあるようです。
ただし、インフルエンサーのマネジメントや商品発送を自社で行う必要があり、ツールの月額費用とキャスティング費用が別途かかります。
インフルエンサーマーケティング会社に依頼する
インフルエンサーマーケティングや、キャスティングを提供している企業に依頼するのもおすすめです。インフルエンサーの施策から最終的なレポートまでを一括でサポートしてもらえます。
キャスティングやPRのサポートはもちろんのこと、報酬の交渉や支払い、ディレクション、炎上対策、定量的な分析まで行ってくれるため、知識や人的リソースがない場合でも安心。
キャスティングの利用料はかかるデメリットはありますが、専門的なノウハウや実績に見合った業務委託が可能です。
マイクロインフルエンサーを活用してマーケティングを成功させよう
インフルエンサーの中でも、よりターゲットと距離感が近いマイクロインフルエンサーに協力してもらうことができれば、効率の良いマーケティングをすることができます。
ブランドに親和性の高いマイクロインフルエンサーを探し、効果的に集客を行っていきましょう。
なお、自社の施策で「どのSNSを使うべきか」「ターゲットに届く運用術が知りたい」という方は、こちらの資料をぜひご覧ください。
