システム開発会社の選び方と発注方法、外注のメリットや注意点も解説

システム開発会社とは、企業や組織が必要とする業務システムやソフトウェアを設計・開発する専門企業です。システム開発会社は、顧客のビジネスニーズに基づいて、独自のシステムソリューションを提供し、業務効率の向上や問題解決を支援する重要な役割を果たします。

ただ、システム開発を初めて外注する場合、どの会社を選べば良いのか、どのように発注すればスムーズに進むのか、さまざまな疑問があるかと思います。

システム開発は企業の業務効率化や競争力向上に直結する重要なプロジェクトです。そのため、信頼できるパートナーを見つけることが成功のポイントです。

そこで今回は、システム開発会社の選び方や発注方法、外注のメリットや注意点について徹底解説します。ぜひ参考にしてください。

システム開発会社とは？主な役割を解説

システム開発会社は、企業や組織のニーズに応じてソフトウェアやシステムを設計・開発・運用する専門の会社です。以下に、システム開発会社の主な役割を解説します。

システム開発会社の主な役割

システム開発会社の主な役割として、次の5つが挙げられます。

1. 要件定義
2. 設計
3. 開発
4. テスト
5. 運用・保守

以下でシステム開発の流れとともに、それぞれの役割を解説します。

1.要件定義

要件定義は、クライアントのニーズやビジネス目標を明確にするプロセスです。

ここでは、システムがどのような機能を持つべきか、どのような問題を解決するのかを具体的に定義します。これにより、プロジェクトの方向性が決まり、全体の計画が立てやすくなります。

2.設計

設計は、要件定義で決まった内容を基に、システムの構造やインターフェースを詳細に設計するフェーズです。

これには、データベース設計、アーキテクチャ設計、UI/UXデザインなどが含まれます。設計図を作成することで、開発チームが具体的な作業に取り掛かりやすくなります。

3.開発

開発は、設計図に基づいて実際にシステムを構築するフェーズです。プログラミング言語やフレームワークを使用して、コードを書き、機能を実装します。この段階では、開発者が協力してシステムの各部分を作り上げ、統合していきます。

4.テスト

テストは、開発されたシステムが要件を満たしているか、バグがないかを確認するフェーズです。

ユニットテスト、統合テスト、システムテスト、ユーザ受け入れテストなど、さまざまなテストを行い、品質を保証します。テスト結果に基づいて修正を行い、システムの安定性を高めます。

5.運用・保守

運用・保守は、システムが本番環境で正常に動作するように監視し、必要に応じてメンテナンスやアップデートを行う最後のフェーズです。

ユーザーからのフィードバックを受けて改善を続けることで、システムの長期的な運用をサポートします。

上記の役割を通じて、システム開発会社はクライアントのビジネスをサポートし、効率化や競争力の向上を図ります。

システム開発会社の選び方の重要ポイント

システム開発会社を選ぶ際の重要ポイントには、次のようなものが挙げられます。

• 得意分野
• 開発実績
• 会社の業績
• 担当者との相性
• 納品後の対応
• 見積金額
• 相見積もりをとること

それぞれ解説します。

得意分野

システム開発会社がどの分野や技術に強いかを確認することが重要です。

例えば、ECサイトの構築やスマホアプリの開発など、自社のニーズに合った特定の分野に特化している会社を選びましょう。

特化した分野での実績があると、開発期間が短縮され、より質の高いシステムを提供してもらえる可能性が高くなります。

開発実績

過去の開発実績を確認することで、その会社の技術力や信頼性を評価できます。成功事例やクライアントの声を参考に、自社のニーズに合った会社を選びましょう。

同じようなプロジェクトで成果を上げた経験があるか、どのようなシステムを手掛けてきたかを調べることが大切です。

実績が豊富な会社であれば、予期しないトラブルへの対応力やスムーズな進行が期待できるでしょう

会社の業績

会社の財務状況や経営の安定性も重要なポイントです。長期的なプロジェクトの場合、経営が安定している会社を選ぶことで、安心して開発を任せられます。

また、業績が良好であれば、十分なリソースや最新技術の導入が期待でき、開発のクオリティやサポート体制にも良い影響を与えるでしょう。

業績を調べるには、企業の決算報告書やメディアでの取り上げられ方をチェックする方法があります。

担当者との相性

システム開発は長期にわたるプロジェクトが多いため、担当者とのコミュニケーションがスムーズに行えるかどうかも重要です。

最初の打ち合わせや商談で、担当者の対応力や理解力をチェックし、自分たちのニーズをしっかり理解してくれるかを見極めることが大切です。

納品後の対応

システム開発は納品後も運用や保守が必要です。そのため、納品後のサポートやメンテナンス体制が整っているかを確認することも大切です。

システムに不具合が発生した際に迅速に対応してくれる会社を選びましょう。

特に、保守契約やサポート体制が整っている会社であれば、万が一のトラブルに迅速に対応してもらえるため、安心して運用を任せることができます。

見積もりの金額

見積もりの内容や金額も重要な判断材料です。安すぎる見積もりは品質に不安が残ることがあるため、適正な価格で提供している会社を選びましょう。

ただし、金額が安ければ必ずしも良いというわけではなく、逆に高額な見積もりが必ずしも高品質な開発を意味するわけではありません。

金額だけでなく、提供されるサービスや品質、サポート体制と合わせて総合的に判断することが大切です。

相見積もりを取ること

複数の会社から見積もりを取得し、比較検討することで、最適な開発会社を選ぶことができます。公平な判断をするために、同じ条件で見積もりを依頼しましょう。

相見積もりを取る際には、同じ条件で依頼内容を伝え、各社のアプローチ方法やスケジュール、費用をしっかりと把握することがポイントです。

価格や提案内容を比較し、どの会社が自社のニーズに最適かを見極めましょう。

システム開発会社に発注する際の手順7つ

システム開発会社に発注する際の手順は、次の通りです。

1. 要件定義を行う
2. 開発会社を選定する
3. 契約を締結する
4. プロジェクトのキックオフミーティングを実施する
5. 開発とテストの実施
6. 納品後に導入する
7. 保守・サポートを受ける

それぞれ解説します。

1.要件定義を行う

まず、システムの目的や必要な機能、予算、納期などを明確にします。

これにより、開発会社に具体的な要件を伝えることができ、期待する成果を得やすくなります。要件定義はプロジェクトの成功に直結する重要なステップです。

2.開発会社を選定する

複数の開発会社に問い合わせ、提案を受けましょう。

過去の実績や技術力、価格、コミュニケーションのしやすさなどを比較検討し、最適なパートナーを選びます。信頼できる開発会社を選ぶことが、プロジェクトのスムーズな進行に繋がります。

3.契約を締結する

選定した開発会社と詳細な契約を結びます。契約には、開発範囲、スケジュール、費用、納品物、保守・サポートの内容などを明記します。

明確な契約を結ぶことで、後々のトラブルを防ぐことができます。

4.プロジェクトのキックオフミーティングを実施する

プロジェクト開始にあたり、開発チームとクライアント側の担当者が集まり、キックオフミーティングを行います。

ここで、プロジェクトの進行方法やコミュニケーションのルールを確認し、全員が同じ方向を向いて進めることが重要です。

5.開発とテストの実施

開発会社がシステムの設計・開発を行います。

進捗状況を定期的に報告してもらい、必要に応じて要件の調整を行います。開発が完了したら、テストを実施し、バグや不具合を修正します。

テストはシステムの品質を確保するために欠かせません。

6.納品後に導入する

テストが完了し、システムが問題なく動作することを確認したら、納品です。

その後、システムの導入を行い、必要に応じてユーザートレーニングを実施します。導入時には、実際の運用環境での動作確認も重要です。

7.保守・サポートを受ける

システム導入後は、開発会社による保守・サポートを受けることで、システムの安定稼働を維持します。定期的なアップデートやトラブル対応も含まれます。

長期的な視点で見た場合、保守・サポートはシステムの信頼性を高めるための重要な要素です。

上記の手順を踏むことで、スムーズにシステム開発を進めることが可能です。

外注と自社開発のメリットとデメリットを比較

以下では、システム開発を外注する場合と内製化（自社開発）する場合のメリットとデメリットを比較して解説します。

まずは、外注と自社開発のメリットとデメリットを一覧で比較します。

以下でそれぞれ解説します。

外注のメリット

システム開発を外注する主なメリットは、次の通りです。

専門的な知識やスキルを活用できる

外注先の開発会社には特定の技術や分野に精通した専門家が揃っているため、自社にはない高度な知識やスキルを活用できます。

例えば、最新技術のトレンドや成功事例を取り入れたシステム開発が可能です。

迅速な対応に期待ができる

外注先は多くのプロジェクト経験を持っているため、効率的な開発プロセスを確立しています。

そのため、プロジェクトの開始から完了までのスピードが速く、迅速な対応が期待できます。特に、短期間でのリリースが求められる場合に有効です。

エンジニアなどの人材が不要

システム開発を外注することで、自社でエンジニアを雇用・育成する必要がなくなります。

これにより、人材採用や教育にかかるコストや時間を削減可能です。また、プロジェクトごとに必要なスキルセットを持つエンジニアを確保する手間も省けます。

自社のリソースを有効活用できる

外注することで、自社のリソースを他の重要な業務に集中させることができます。

例えば、マーケティングや営業、顧客対応など、コアビジネスにリソースを割り当てることで、全体の業務効率が向上します。

短期のプロジェクトの場合はコストの削減につながる

短期的なプロジェクトの場合、外注することでコストの削減につながります。

自社で開発チームを構築するよりも、外注先に依頼する方が初期投資が少なく済むため、特に短期間での開発が求められる場合には経済的です。

外注のデメリット

一方、システム開発を外注することで、次のようなデメリットが生じます。

円滑なコミュニケーションが難しい

外注先とのコミュニケーションがスムーズに行かないことがあります。

特に、異なるタイムゾーンや文化の違いがある場合、意思疎通が難しくなるでしょう。これにより、要件の誤解やプロジェクトの遅延が発生するリスクが高まります。

そこで、定期的なミーティングや明確なコミュニケーションツールの使用が重要です。

情報漏洩のリスクがある

外部の開発会社に機密情報を共有するため、情報漏洩のリスクが伴います。

特に、セキュリティ対策が不十分な場合、データの不正アクセスや漏洩が発生する可能性があります。

このリスクを軽減するためには、信頼できる外注先を選び、適切な契約やセキュリティ対策を講じることが重要です。

上記のようなデメリットを考慮しつつ、外注のメリットとバランスを取ることで、最適な開発方法を選ぶことが可能です。

自社開発のメリット

システム開発を自社開発する主なメリットは、次の通りです。

自社のニーズに合わせて柔軟に対応できる

自社開発では、特定の業務プロセスやビジネスニーズに合わせてシステムをカスタマイズできます。外部のパッケージソフトウェアでは対応しきれない細かな要件にも対応可能です。

これにより、業務効率が向上し、競争力を高めることができます。

スキルやノウハウを社内に蓄積できる

自社開発を通じて、開発チームは技術的なスキルや業務知識を深めることが可能です。

これにより、将来的なシステムの保守や改修が容易になり、外部ベンダーに依存しない体制を構築できます。

また、社内に蓄積されたノウハウは、他のプロジェクトにも活用できる貴重な資産となります。

長期のプロジェクトの場合はコストの削減につながる

初期投資は高くなることが多いですが、長期的にはコスト削減につながることがあります。

外部のベンダーに依頼する場合、ライセンス費用や保守費用が継続的に発生しますが、自社開発ではこれらの費用を抑えることが可能です。

また、システムの変更や追加機能の実装も迅速に行えるため、長期的な運用コストも削減できるでしょう。

自社開発のデメリット

一方、システム開発を自社開発することで、次のようなデメリットが生じます。

人件費などの固定費がかかる

自社開発を行うためには、開発チームを維持するための人件費やオフィスの維持費など、固定費が継続的に発生します。これらの費用は、プロジェクトの規模や期間に関わらず一定の負担となります。

初期投資が必要

自社開発を始めるには、開発環境の整備や必要なソフトウェア・ハードウェアの購入など、初期投資が必要です。また、開発チームの育成やトレーニングにも時間と費用がかかります。

これらの初期投資は、特に中小企業にとっては大きな負担となるかもしれません。

優秀な人材を確保する必要がある

自社開発を成功させるためには、優秀なエンジニアやプロジェクトマネージャーを確保する必要があります。

しかし、IT業界では優秀な人材の確保が難しく、競争も激しいため、適切な人材を見つけることが難しいのが現実です。

また、採用後も人材の定着やスキルアップを図るための継続的な取り組みが求められます。

上記のように、システム開発を内製化するには、慎重な計画が必要であり、リソースの確保にも膨大なコストがかかる可能性があります。

システム開発会社に依頼する際の費用相場

システム開発費用は、依頼したいシステムの種類によっても大きく異なります。たとえば、ECサイトや予約管理サイト、顧客管理システム、スマホやWebアプリなどです。

また、システムの規模によっても費用は変動し、開発期間が長く開発人数が多い大規模なシステムほど費用は高額になります。

ここでは、よくある4種類のシステムにおける費用目安を紹介します。

ECサイト

ECサイトの開発費用は、機能や規模によって大きく異なります。

シンプルな商品カタログサイトの場合、数十万円程度で開発が可能です。決済機能や会員管理機能、在庫管理機能などの複雑な機能を追加する場合、開発費用は100万円以上になることが一般的です。

また、デザインのカスタマイズやシステムの独自性が高い場合は、さらに費用が増加します。

高機能なECサイトを開発するには、データベース設計やセキュリティ対策も重要ですので、十分な予算を確保しておくことが求められます。

予約管理サイト

予約管理サイトの開発費用も、機能の規模によって異なります。

基本的な予約機能のみを備えたシステムであれば、比較的低コストで開発できます。

しかし、複数の施設の予約管理や、決済機能、カスタマイズ可能なオプションなどを組み合わせる場合、費用は100万円を超えることが一般的です。

また、ユーザーインターフェースの使いやすさや、管理者向けのダッシュボード機能などが求められる場合、開発の複雑さが増すため、費用も増加するでしょう。

口コミサイト

口コミサイトは、ユーザーが評価やレビューを投稿できるプラットフォームです。

基本的な口コミ機能を持つサイトであれば、開発費用は比較的安価で、50万円～100万円程度から始めることができます。

しかし、複数のカテゴリに対応した口コミ機能や、検索機能、投稿者の認証機能、モバイル対応などを加えると、100万円以上の費用がかかることが多いです。

さらに、ユーザー同士のやり取りを促進するためのSNS連携機能や、口コミに基づいたレコメンド機能を追加する場合、費用はさらに高くなります。

CMS（コンテンツ管理システム）

コンテンツ管理システム（CMS）の開発費用は、使用する機能やデザインの規模によって異なります。

標準的なCMSを利用する場合、開発費用は比較的安価で、50万円程度から始めることができます。しかし、オリジナルのCMSを開発する場合、機能が豊富であれば、100万円以上の費用がかかることがあります。

特に、SEO対策やSNS連携、メディア管理、ユーザー管理機能などを追加する場合は、開発費用が増加します。サイトの運用を円滑に行うためには、使いやすさやセキュリティ対策が重要です。

システム開発会社への発注で注意すべきポイント8つ

最後に、システム開発会社への発注で注意すべきポイントを8つ紹介します。

1. 要件を明確にする
2. コミュニケーションを確立する
3. 契約内容を詳細に明記する
4. 開発会社の実績と評判を確認する
5. テストを繰り返して品質を確認する
6. 保守・サポート体制を確認する
7. コスト管理を徹底する
8. 開発会社に丸投げしない

それぞれ解説します。

1.要件を明確にする

プロジェクトの成功には、最初に要件を明確にすることが不可欠です。

具体的な機能、性能、スケジュール、予算などを詳細に定義し、開発会社と共有しましょう。これにより、期待する成果物が明確になり、後々のトラブルを防ぐことが可能です。

2.コミュニケーションを確立する

定期的なミーティングや報告を通じて、開発会社とのコミュニケーションを確立することが重要です。

プロジェクトの進捗状況や問題点を共有し、迅速に対応できる体制を整えましょう。良好なコミュニケーションは、プロジェクトのスムーズな進行に欠かせません。

3.契約内容を詳細に明記する

契約書には、プロジェクトの範囲、納期、支払い条件、知的財産権、秘密保持などの重要事項を詳細に明記することが必要です。

これにより、双方の責任範囲が明確になり、トラブルを未然に防ぐことができます。

4.開発会社の実績と評判を確認する

開発会社の過去の実績や評判を確認することは重要です。

過去のプロジェクトの成功例や顧客の評価を参考にし、信頼できるパートナーを選びましょう。オンラインのレビューや紹介も有効です。

5.テストを繰り返して品質を確認する

開発プロセスの中で、定期的にテストを行い、品質を確認することが重要です。

バグや不具合を早期に発見し、修正することで、最終的な製品の品質を高めることができます。ユーザーテストも含め、多角的なテストを実施しましょう。

6.保守・サポート体制を確認する

システムの運用開始後も、保守・サポートが必要です。

開発会社がどのようなサポート体制を提供しているかを確認し、必要なサポートが受けられるかを事前に確認しておきましょう。緊急時の対応も重要です。

7.コスト管理を徹底する

プロジェクトの予算を管理し、コストが予定を超えないようにすることが重要です。

定期的にコストを見直し、必要に応じて調整を行いましょう。予算オーバーを防ぐための対策を講じることも大切です。

上記のポイントに注意することで、システム開発プロジェクトを成功に導くことができます。

8. 開発会社に丸投げしない

システム開発を進める上で、開発会社に全てを丸投げすることは避けるべきです。

外部の専門家に任せることで、効率的にシステムを作成できる面は大きな利点です。しかし、依頼者自身がプロジェクトの進捗を把握し、必要に応じてフィードバックを行うことも非常に重要です。

丸投げしてしまうと、求めているものと最終的な納品物にギャップが生じることがあります。特に、要件定義や開発の方向性については、定期的に確認を取りながら進めることが必要です。

また、テストや運用段階での改善点を積極的に指摘し、開発の過程に関わることで、より良いシステムが完成するでしょう。

受託開発を依頼するならスマートシェア

スマートシェアは、15種類以上のキャンペーンに対応する最先端のSNSマーケティングツール「OWNLY」を開発したノウハウを有しており、システム開発やアプリ開発、ヒットIPを起用したミニゲーム、ARを活用したプロモーションの開発にも実績がございます。

受託開発に関するご相談やサービス内容についてご興味がございましたら、以下のURLよりお気軽にお問い合わせください。