企業ブランディングとは、企業のイメージや価値を高めるために、競合との差別化を図るためのマーケティング手法です。
「企業ブランディングの事例を知りたい」「企業のブランディングを効果的に行う戦略とは?」とお考えの方もいるのではないでしょうか。
本記事では、企業ブランディングの目的やメリット、ブランディング企画立案の手順、成功事例などを解説するので、ぜひ参考にしてください。
企業ブランディングとは
企業ブランディングとは、企業が自社のイメージや価値を明確にし、それを顧客や市場に伝える活動のことです。
特定の商品やサービスを見たときに、その企業の製品やサービスを思い浮かべることができれば、ブランディングは成功していると言えるでしょう。
また、ブランディングが強い企業は、競合との価格競争に巻き込まれにくく、高い値段でもそのブランドに価値を感じて選んでもらいやすくなります。
さらに、企業のブランディングは社内の従業員にも影響を与えます。自社のブランドに誇りや愛着を持つ従業員は、より高いモチベーションで仕事に取り組めるでしょう。
製品ブランディングとの違い
企業ブランディングは、企業全体のイメージや価値を顧客に伝える活動です。一方、製品ブランディングは特定の製品やサービスに焦点を当て、製品の魅力や価値を顧客に伝えることを指します。
たとえば、スマートフォンメーカーが企業ブランディングで「技術革新」と「信頼性」を強調しているとします。
一方で、そのメーカーが新しいスマートフォンを発売する際には、カメラ性能やデザインなどの特長を強調する広告を展開することが製品ブランディングです。
このように、企業全体のイメージ作りが企業ブランディングであり、個々の製品の魅力を伝えるのが製品ブランディングとなります。
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インナーブランディングとの違い
インナーブランディングは、企業の内部、つまり社員に対して企業の価値観やビジョンを共有し、理解してもらう活動のことです。
これに対して、企業ブランディングは外部、つまり顧客や社会に対して企業のイメージや価値を伝えることに焦点を当てています。
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企業ブランディングの目的
企業ブランディングの目的は、顧客や市場に対して会社のイメージを明確に伝えることです。
ブランディングを通じて認知度が上がれば、顧客が商品やサービスを選ぶ際に、まずその企業の名前が思い浮かぶようになります。
また、ブランディングによって信頼性が高まると、顧客は安心して商品やサービスを利用することができます。その結果、リピーターが増え、長期的な関係を築けるようになるでしょう。
市場には多くの競合他社が存在しますが、独自のブランドイメージを持つことで他社と差別化し、顧客に選ばれる理由を提供できます。
企業ブランディングのメリット6つ
企業ブランディングのメリットには、以下のようなものがあります。
- マーケティング戦略の成果が上がる
- 競合他社との差別化につながる
- 顧客ロイヤリティが高まる
- 人材を採用しやすくなる
- 資金調達しやすくなる
- 従業員のモチベーションがアップする
ここでは、それぞれのメリットについて順に解説します。
1. マーケティング戦略の成果が上がる
ブランディングで認知やブランド価値を高めることで、マーケティング戦略の成果が上がるという点がメリットです。
たとえば、顧客が商品を選ぶときに、「この食品ならこのブランド」といったイメージをもとに商品を購入してもらえます。
購入の後押しもできるので、商品・サービスの売上アップにつながるでしょう。ブランディングを構築することで、ターゲットに対してマーケティングが刺さりやすくなります。
2. 競合他社との差別化につながる
企業ブランディングは、マーケティングにおいて、競合他社との差別化につながるという点においても大きなメリットがあります。
製品がコモディティ化してくると価格競争に陥りやすくなりますが、企業ブランディングを強化することで、ブランド自体が差別化につながります。
ブランド価値が高まれば、値段が高くても申し込みされやすく、プライシングにおいて有利になるのもメリットです。
3. 顧客ロイヤリティが高まる
顧客はブランド価値が高い企業に対して、継続的に購入・申し込みしやすい傾向にあります。
企業ブランド自体にファンになってもらえれば、企業が提供する製品やサービスに対しても愛着を持ってもらえるようになるためです。
そのため、他社でより安い価格の類似品が提供されたとしても、乗り換えることなく自社士製品・サービスの利用を続けてくれるでしょう。
企業ブランディングは、リピート率を高めるためのマーケティングにも役立ちます。
4. 人材を採用しやすくなる
企業ブランディングは、採用活動に役立つというメリットもあります。
企業のブランド価値が高く、ブランドアイデンティティが明確であるほど、企業の理念や価値観に共感してくれる人材も増えるでしょう。
優秀な人材は、ブランド価値の高い企業に集まりやすいため、人材採用においてもブランディングは重要な役割を担っています。
5. 資金調達しやすくなる
企業のブランド価値が高まることで、資金調達しやすくなるのもメリットです。
企業にとって、資金調達は重要な課題と言えます。自社ブランドの価値観やビジョンを明確に提供することで、投資家や金融機関からの信用が高まるでしょう。
新しい製品やサービスを開発するにあたって、スムーズに資金調達しやすくなります。
6. 従業員のモチベーションがアップする
企業ブランドの方向性を明確にすることで、企業で働く従業員のモチベーションアップにつながるというメリットがあります。
ポジティブな企業ブランドを策定すれば、従業員が誇りや愛着感を持ってもらえるため、企業に対する価値を提供できるようになります。
従業員のモチベーションがアップすれば、業務効率が高まり、組織全体の生産性向上にも寄与するでしょう。
企業ブランディングの成功事例
株式会社湖池屋は、競合との違いを出しにくいポテトチップス業界で低価格競争に直面し、製品がコモディティ化するという課題を抱えていました。
そこで、競合との差別化を図るために企業のリブランディングを決断しました。
2016年には企業ブランドの再編を決定し、ロゴや社屋、スローガン、社章、名刺などを一新し、ポテトチップスの老舗としての地位を確立しました。
2017年に新発売した「KOIKEYA PRIDE POTATO」は、これまでになかった高級路線のポテトチップスを打ち出し、競合との差別化を図ることに成功しています。
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企業ブランディングの企画立案の手順
企画ブランディングの企画立案は、以下のような手順で進めましょう。
- 自社の現状を分析する
- ブランドの方向性を決める
- 方向性をもとに計画する
- 効果検証・分析する
- 継続的にブランディングする
ここでは、それぞれの手順について解説します。
1. 自社の現状を分析する
まずは、ブランディングを行うにあたって、自社がどのようなポジションにいるか現状分析を通して把握しましょう。自社の商品やサービス、競合と比較した場合の立ち位置を確認します。
たとえば、4C分析・PEST分析・SWOT分析などのフレームワークを使い、自社や競合他社について分析し、STEP分析で市場における立ち位置を特定するのがおすすめです。
自社・競合他社を分析することで、浮き上がってきた課題から企業ブランディングの方向性を決めるといいでしょう。
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2. ブランドアイデンティティを決める
次に、現状把握を通じて他社にない自社の課題・強みを把握したら、自社ブランドの魅力やコンセプト、ビジョンなどのブランドアイデンティティを決めましょう。
ブランドアイデンティティは、企業が顧客に伝えたいブランドイメージのことです。
顧客が認識するブランドイメージと企業が理想とするブランドアイデンティティを近づけるには、戦略を立てて実行する必要があります。
3. ブランド戦略を計画・実行する
決定したブランドアイデンティティをもとに、ブランド戦略を計画・実行します。自社のターゲット層に対してブランドの特徴をアプローチしましょう。
ターゲットに対してどのようにブランド価値を提供するのか、どう伝えるのかもあわせて検討します。
主に、Webサイトのメディアや自社商品・サービス、SNS、店舗におけるコミュニケーション、広告活動などが挙げられます。
実際にブランド戦略を策定したら、運用を進めていきます。このとき大切なのが、経営者から従業員まで全員が同じ方向を向いて動くことが重要です。
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4. 効果検証・分析する
ブランド戦略を実行したら、実際に効果検証・分析を行いましょう。
市場の変化やユーザーのニーズは変化に応じて変わっていくので、常にニーズを追いながらブランド力を高めていくことが必要です。
思うような効果が出ていなければ、企業ブランディングのPDCAを回しましょう。
5. 継続的にブランディングする
企業ブランディングを確立することは、短期間の運用では難しいので、粘り強く長期的かつ継続的に実行する必要があります。
たとえば、アンケート調査を実施して、自社の認知度やイメージを答えてもらうなど現状を把握しましょう。
課題が見つかれば、伝達手段を変更したり、ブランドやポジショニングを見直すことが重要です。
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