近年、企業や店舗などがTwitterアカウントを運用するのは当たり前になりました。
でも、世間の流れに乗ってTwitterアカウントを開設してみたものの、イマイチどう運用していいか分からない、効果があるのかも分からなくて…と思ったことはありませんか?
弊社のお客様からも、
「SNSは色々活用できそうな気がするけど、どうしていいか分からない」
「Twitterの運用をするのが大変だけど、成果に繋がっているのか分からない」
といったご相談がよくあります。
企業がTwitterを運用するとなると、どんな発信をすべきなのか……自分個人のアカウントよりも責任を感じますよね。
ただ、ちゃんとポイントを押さえてTwitterをやれば、絶対にビジネスにとっていい効果を生むことができます。
うまくいった例も挫折してしまった例も見てきて感じた、ビジネスでTwitterをやるなら絶対に意識すべき、2つのポイントをお伝えします。

X(Twitter)でモノは売れる?特性を知ろう
そもそも、「X(Twitter)でモノは売れるのか」という疑問をお持ちの方は少なくないでしょう。
Xをはじめ、SNSプラットフォームをビジネスで活用する上で達成すべき大きな目的は、販売ではなく「ファンを増やし、ロイヤリティを高めること」です。
しかし、実際にXを運用しながらモノを売ることに成功している企業も数多くあります。
Xは、拡散性や即時性が高いSNSです。トレンドに上がっている話題はリアルタイムで拡散され、瞬く間に話題化します。
そのため、知らなかったものを新たに発見したり、元々知っていたものをXで再び目にしたりする機会が非常に多いことが特徴です。
また、Xユーザーが購入した商品・サービスに関する口コミ(UGC)を目にし、感想やレビュー情報を購入の決め手とする方も多くいます。
このように、Xは商品やその口コミなどに触れるきっかけが多く、セールや限定販売の情報をいち早くゲットできることから、購買につながりやすい傾向にあるのです。
X(Twitter)で売るためのマーケティング手法
X(Twitter)でモノを売るために効果的なマーケティング手法としては、以下が挙げられます。
- X(Twitter)キャンペーンを実施する
- X(Twitter)広告を出稿する
- UGCマーケティングを展開する
ここでは、それぞれのマーケティング手法について順に解説します。
1. X(Twitter)キャンペーンを実施する
X(Twitter)でモノを売るなら、X(Twitter)キャンペーンを実施するのがおすすめです。
Xキャンペーンは、Xユーザーを対象に、アカウントのフォロー・リポスト・写真やハッシュタグ付き投稿などの条件を満たすと参加できる懸賞企画です。
Xは、キャンペーンそのものがRPで拡散されやすく、商品の認知度アップやブランディング、クロスセルやアップセルなどの効果もあります。
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2.X(Twitter)広告を出稿する
X(Twitter)で売るために、X広告を出稿することもおすすめです。
X広告にはさまざまな種類がありますが、ユーザーが普段見るタイムライン上に表示されるため、自然な形で訴求しやすいというメリットがあります。
さらに、Xで出稿した広告がさらに拡散されれば、フォロワーのフォロワーへと広告が広がり、話題化や認知拡大を狙えるでしょう。
X広告の種類や出し方、ポイントなどについては、以下の記事で詳しく解説しているのでぜひチェックしてみてください。
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3. UGCマーケティングを展開する
UGCマーケティングも、X(Twitter)でモノを売る上で有効な施策のひとつです。
UGCとは、ユーザーが自発的に投稿する商品・サービスの口コミやレビューなどのことを指します。UGCを生み出すことで、ユーザーによる口コミを見た人が商品を購入するきっかけとなり、購買行動を促進できるのが大きなメリットです。
近年、ユーザーは購買の判断材料としてSNSを参考にすることが多く、今後はいかに上手くUGCマーケティングを展開していくかが求められるでしょう。
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ポイントその1:ブランドやサービスについてのUGCを増やす
ビジネスである以上、商品を購入してもらったり、サービスを利用してもらったりすることが最終目的。ただ、「Twitterを通して商品のお知らせをする」だけではうまくいきません。
なぜなのか?
その理由には、「SNSの仕組み」と、「モノを買うまでの消費者の行動」が関係しています。
「身近な人のオススメ」が消費者に一番響く
例えば、テレビCMを見てモノを買う場面を考えてみます。
- 偶然テレビCMを目にする
- なんだか良さそうだなと思う(認知)
- 店舗で見かけ、あっこれ知っているやつだ、試してみるかと購入(購買)
CMなどの広告は、見ようと思わなくても自然に目に入ってくるものです。日常でテレビを見ているうちに、自然に何度もCMを目にしています。すると、そのうち欲しくなることがあるかもしれません。
しかしSNSは、「自分の興味のあることを調べ、見たいものだけを選んで見る」ことが可能な場所です。広告を好んで見たいと思う人は、一般的には稀でしょう。
そこで、少しだけ違うケースを考えてみます。
- 偶然テレビCMを目にする
- なんだか良さそうだなと思う(認知)
- 一緒に見ていた家族が「あ、あれこないだ食べたけど旨かったよ!」と言う(推奨)
- じゃあ私も食べてみよう、と思う(購買)
CMは認知のきっかけになり、最終的には家族のオススメによって、購入を決定する。これならば、似たような経験ありませんか?
企業の発したメッセージよりも、家族のひと言のほうをより信頼する傾向は、実はデータでも明らかになっています。
下記のグラフは、日本で14歳以上の男女2083名に対し行われた調査の一部です。「面識ある人からの勧め」が商品やサービスの購入に影響を与えると答えた割合は、75%と最も高くなっています。

<出典 デジタルメディア利用実態調査2018日本編>
SNSで口コミ(UGC)が増えれば、購買を後押しできる
身近な人のオススメが、購入決定時に一番力を持っています。商品を買ってくれた人が、身近な人にオススメしてくれれば、商品が売れやすくなるということです。
そこで、SNSが重要になります!!あなたも、こんな経験したことはありませんか?
- 休み時間に入り、なんとなくTwitterを見る
- 友人がハンバーガーの写真を載せているツイートを目にする
- なんだか食べたくなったので、今日の昼食はハンバーガーだ(購買)
ほかにも、飲食店の口コミを見ているうちに店に行ってみたくなったり、友人が本の感想をツイートしているのを見て同じ本を読んでみたり……
企業の広告ではなく、SNS上の「誰かの言葉」は、購買を後押しする力が抜バツグンなのです。
ちなみに企業ではなく、一般のユーザーによる発信(ツイート、ブログ、インスタ投稿etc...)のことを「UGC」と呼びます。
User Generated Content(ユーザーが作ったコンテンツ)の略です。
Twitterでは、企業の広告はそもそもあまり見てもらえない。
周囲の人のオススメは、購入決定の強い後押しになる。
よって、Twitterでのプロモーションは、「ブランドや商品についてのUGCを増やすこと」によって行うのが、最も効果的ということになります。

つまり、商品に関する良いUGCが増えれば、モノがよく売れるということです!
UGCを増やすことが、Twitter運用の最も重要な目的になります。
UGCを増やすにはどうすればいい?
では、UGCを増やす為にはどうすればいいのでしょうか?
持っていることがアピールになるような商品なら、自然にUGCが存在しているかもしれません。
しかし世の中には、しょっちゅう話題に挙がる商品よりも、普段あまり話題にもあがらない商品やサービスの方が多いと思います。
すると、UGCを増やすための工夫が必要になってきます。
具体的には、以下のような取り組みを継続して行うことが重要です。
- 企業からの発信(ユーザーにRTしてもらえるとなお良い)
- 話題にしてくれた投稿があれば、引用リツイートして話題化を促進
- いいね・コメントを積極的に行い、コミュニケーションを取る
これらの行動により、今あるUGCをより拡散するとともに、新たにUGCが生まれやすい状況を育てることが不可欠です。
コツコツ続けていくことで、大手の有名企業でなくても、少しずつUGCを増やしていけるでしょう。
ポイントその2:ユーザーとの良いコミュニケーション
集客手段には、広告、メルマガ、公式サイト、オウンドメディア…などもありますが、これらの手段とSNSには、明確に異なる点があります。
SNSは「双方向のコミュニケーションが取れる」という点です。
何か欲しいものがあるとき、まず情報収集してみようと、Web検索することは多いと思います。
例えば最近、コロナ禍で急遽テレワークをすることになった人は、ダイニングテーブルで仕事をしようとして「座椅子 コンパクト」といったワードで検索したんじゃないでしょうか。
(私は検索しました…。)
検索すると、通販サイトやキュレーションサイト、ブランドやメーカーの公式サイトなどが表示されます。
検索結果から気になるものを見つけ、公式サイトをチェックしたりするのですが、いまいち判断できないときがあります。
公式サイトの説明と写真を見る限り良さそうなんだけど、例えば実際耐久性はどうだろうとか、素材が安っぽいんじゃないかとか、色はイメージ通りだろうかとか…。
するとそれらの懸念点を解消しようと、以下のような行動を取るでしょう。
- 実店舗に行って確かめる
- お問い合わせフォームから質問する
- 楽天やAmazonなどのレビューを探してみる
- SNSで探してみる
この中で、「実店舗で確かめる」に関しては、実際に足を運ぶ必要がある為ハードルが高いです。
近所に取扱店舗があればいいのですが、特に昨今のWithコロナ時代においては、対面での接客がしづらい状況です。
お問い合わせフォームも大切なのですが、こちらは心理的なハードルが結構高いと思われます。必要事項を入れて、文面を考えて問い合わせをするのが面倒だと感じる人は多いです。
また、「カバーは洗濯できる?」などのはっきり答えられる質問ならよいのですが、「インテリアの色と馴染みそうか?」といった質問をするためには向いていません。
すると重要になってくるのが、「SNSを使った情報収集」です。
ちなみに調査によると、日本における14歳以上の男女2083名のうち、約2割が1年以内にSNSで企業とやり取りした経験があり、電話よりも効果的と回答しています。(出典 デジタルメディア利用実態調査2018日本編)

では、SNSで情報収集をする検討中顧客に対して、公式Twitterアカウントでどんなことができるでしょうか。
公式サイトや広告では得られない、検討中の顧客に対するアプローチを考える必要があります。
Twitterアカウントでは「接客」を行うつもりで
例えば店舗で何かを購入するときには、下記のような理由が購入を左右することがあります。
- 店員の説明が丁寧だった
- 感じが良い店員で楽しかった
- お店の雰囲気がよく快適だった
店員の丁寧な説明、人柄の良さ、店の雰囲気の良さ、などを作っているのは、接客、すなわち売り手の買い手との良質なコミュニケーションです。
そこで、Twitterでは接客を行うと考えてみてはどうでしょうか。
例えばTwitterでユーザーからの質問に丁寧に答えているのを見ると、親切な会社だなと思います。
また、ツイートで作業の様子が語られていると、この人たちは信頼できるなと感じます。
そうして好感が持てる会社だなと思うと、ここで購入したいなという気持ちになるでしょう。
Twitterでユーザーとのやりとりを行い、働く人の思いを発信することでで、店舗で接客を行うのと同じように良質なコミュニケーションを行うことができます。
Twitterの文章は広告やWebサイトの文章と比べて、画面の向こうにいる誰かの存在、「企業の中の1人」の声だと感じやすい傾向があります。これは、Twitterはリアルタイムに近い発信である事が関係していると思われます。
Twitterの特徴を生かし、企業の中で働く人の思い、すなわち商品が作られ販売される背景を伝えることで、広告やWebサイトとは違った役割をもって購買に貢献することができるのです。
X(Twitter)でモノを売った企業の成功事例
ここからは、X(Twitter)でモノを売った企業の成功事例について紹介します。
株式会社トライフォース|レシートキャンペーン
株式会社トライフォースが運営する商業施設「ハマボール イアス」では、「ハマボールイアス HAPPY HOLIDAY レシート応募キャンペーン」を実施しました。
開催期間中にハマボールイアスで3,000人以上、または1,000人以上のレシート画像を公式LINEアカウントのトーク画面で送信すると、抽選で景品が当たるというものです。

参照:ハマボールイアス HAPPY HOLIDAY レシート応募キャンペーン|OWNLY導入事例
商品購入を前提とすることで、来店促進や売上アップを図ることができます。
また、LINEアカウントに友だち登録してもらうことによって、店舗のお得な情報やクーポンなど、販売促進につながるコンテンツを継続的に配信できるのもメリットです。
ホテル椿山荘東京|ハッシュタグ投票キャンペーン
ホテル椿山荘東京では、「記念日に特化した場所」のイメージを広く認知してもらい、UGC投稿を増やすために、ハッシュタグ投票キャンペーンを実施しました。
公式Xをフォローの上、キャンペーン投稿または特設ページ上で「記念日にしたい過ごし方」を選ぶと、あらかじめ設定した投稿画面でポストされます。
参加者は、ポストに添付された画像をタップすると、特設ページにアクセスして気軽にキャンペーンに参加することが可能です。
拡散性の高いハッシュタグ投票キャンペーンを通じて、商品やサービスを多くのユーザーに認知してもらうことを実現しています。
まとめ
- SNSは「見たいものを見る」ので、企業の広告は見られない
- 個人のオススメは購買を後押しする
- SNS上で、商品やサービスに関する良いUGCを増やすことが重要
- SNSと広告の違いは「双方向のコミュニケーション」
- 接客=良質なコミュニケーションは、購買の要因になる
- Twitterでユーザーとやりとりしたり、働く人の思いや声を届けたりすることで、良質なコミュニケーションを取る事が重要

SNSの運用には確かにある程度の時間や労力を要しますが、うまく利用すれば確実にビジネスにとって良い効果を生むことができます。
Twitterを広告手段の一つととらえるよりも、ユーザーの行動を助ける手段と捉えることで、より有効に活用していただければと思います。