Twitterの運営会社「X(エックス)」は、ブランド名とロゴデザインをXに変更しました。従来から親しまれてきた青い鳥のロゴが廃止され、黒と白を基調としたロゴに新調されたことが大きな話題になっています。
担当者の中には、「なぜXに変わったのか」「Xに変更されたことによる影響」について気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、TwitterがXに名称変更した内容や理由、企業アカウントへの影響などについて解説するので、ぜひ参考にしてください。
以下の資料では、企業公式アカウントの運用における始め方と注意点から、Twitterの運用効果の具体的な測定方法を解説しています。
- 興味を持ってもらえるプロフィールを作りたい
- 投稿が見てほしいターゲット層に届かない
- 企業公式アカウントの運用における始め方と注意点が分からない
上記でお悩みの方は是非ご参考ください。
Twitterが「X(エックス)」に名称変更
Twitterは2023年7月、「Twitter」のサービス名を「X(エックス)」に変更し、ユーザー間でも衝撃が大きく、さまざまな波紋を広げています。
TwitterがXに名称変更するにあたって、大きく変更されたのは次の2つです。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Twitterの象徴「青い鳥」が廃止に
Xへの名称変更と共に、旧Twitterを象徴する「青い鳥」のロゴが廃止されました。
イーロン・マスク氏は7月22日、「まもなくTwitterというブランドと、全ての鳥(Twitterのアイコン)に別れを告げる時が来る」と投稿。
日本時間の24日には、Twitterの公式アカウントのユーザー名「@Twitter」も「X」に切り替わり、新たなロゴを披露しました。
マスク氏は「今後、優れたXロゴが投稿されれば、明日世界中で公開される」と言及。
また、22日には「黒く塗りつぶせ(Paint It Black)」とツイートし、「プラットフォームのデフォルトの色は黒と白のどちらがいい?」とアンケートを実施しました。
そして24日に発表されたロゴは、ブラックを基調とした白色の文字となりました。
投稿を表す「ツイート」という言葉が変更に
Twitter公式アプリのiOS版は7月31日にバージョンアップされ、TwitterからXに変更になりました。
iOSアプリでは、Twitter投稿を表すツイートは「ポスト(Post)」に、リツイートは「リポスト(Repost)」という表現に変更されています。
Twitterユーザーの中には、今後も「ツイート」「リツイート」と変わらず呼び続ける人も多いようです。
企業においても特に何か使い分けたり、今すぐ対応することはないかもしれませんが、名称が変わったことを把握しつつ利用するといいでしょう。
Twitterはなぜ「X」に変わったのか
旧Twitter社は「X」に名称変更する以前の2023年4月に、イーロン・マスク氏が保有する「X社」に統合されており、既に企業として存在していませんでした。
それではなぜ、TwitterはX社に統合されることになったのでしょうか。
スーパーアプリを目指すため
マスク氏がいわゆる「スーパーアプリ」と呼ばれる、複合的なサービス「X」を開発したいといった野望があったことは、一部の業界では有名な話だったようです。
とくに、マスク氏が買収を決断した2022年10月には、「Twitter買収はXの開発を加速させる」と投稿しており、Twitterを買収した本音が隠されています。
そもそもスーパーアプリは、中国を中心に13億人以上の月間アクティブユーザーを抱える「WeChat)」のようなアプリのことです。
元々はテキストメッセージのみだったWeChatですが、今ではビデオ通話、電子商取引、決済、ニュースへのアクセス、公式政府による発表、宅配、交通など、多様な機能を利用できます。
マスク氏がイメージするスーパーアプリが実現するかは現状では不透明ですが、今後のSNSの動向に大きな注目が集まっています。
リブランディングで広告主を呼び戻すため
米ニューヨーク・タイムズは2023年6月、Twitterの米国での広告収入が1年前に比べて約6割減少したことを報じました。
2022年10月にイーロン・マスク氏が買収して以降、広告主のTwitter離れが広がっているようです。
当時広告主が離れるのは一時的なものと考えられたため、APIの有料化やTwitter Blueの強化によって、広告収入以外の収益を確保していました。
しかし、マスク氏によると、2023年7月時点でも広告収入は半減したままで、依然としてキャッシュフローはマイナスとなっているようです。
Twitterブランドを維持するよりも、新しいブランド「X」として再スタートすれば、広告主が戻ってくる可能性があると判断したのでしょうか。
早速「X」は広告料金を値下げして、広告主を呼び戻そうとしています。
また、広告料金の値下げとともに、大手企業向けに付与した金色の認証バッジを「広告支出が一定基準に達していない企業からは剥奪する」と発表もしています。
ライバルのSNSに対抗するため
Meta社が7月頭に公開した新SNS「Threads」は、累計1億人を超える登録を集め、Twitterに対抗するサービスとして話題になりました。
Meta社が運営するInstagramやFacebookは、すでに通話機能やECなどさまざまな機能が統合されており、現時点でマスク氏が構想するスーパーアプリに近いと言えます。
そしてザッカーバーグ氏はスーパーアプリに先手を打つ形で、Twitterに対抗する「Threads」をInstagramに連動させる形で公開しました。
また、ザッカーバーグ氏が11年ぶりにツイートした画像が挑発的なものであったりと、明確なライバル意識があるようにも見えます。
またThreadsは、マスク氏が好む黒をロゴのカラーに採用。「黒色のSNSがThreadsである」というイメージが浸透してしまうリスクを感じていた可能性もあるかもしれません。
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Twitterから「X」への変更による企業への影響
Twitter→「X」に変更となり、直接企業にどのような影響が出るのでしょうか。
- ロゴやリンクの差し替え
- 1日に送信できるDM数の制限
- 長文ポストのハッシュタグ表示
- 認証マーク表示を選択可能に
- 動画のダウンロードが可能に
ここからは、企業が確認しておくべき影響について解説します。
ロゴやリンクの差し替え
Twitterが「X」にロゴを変更したことに伴い、「企業で表示しているサービス名やロゴの差し替えが必要になるのでは?」と気になった方も多いはずです。
現在URLは「twitter.com」「x.com」の両方からアクセスすることもできます。
しかし、XはすでにMetaとMicrosoftが商標登録しているため、権利問題があるという話もあります。
今のところXという名称は一般的に浸透しきっておらず、Xというバナーを見てもピンとこない人も多いかもしれません。
そのため、Xのシステムで運用するにあたってドメインが変更されたり、ユーザーに浸透し始めたタイミングで差し替えや併用を行うことがおすすめです。
1日に送信できるDM数の制限
2023年7月14日、TwitterはDMのスパムを減らすためにメッセージ設定の変更や、未認証アカウントのDM数の制限をすると言及しました。
今回DMが制限されたことによって、企業によるTwitterキャンペーンに影響を及ぼす可能性があります。
今回の変更によって認証バッジを持たない企業の設定は一括変更され、メッセージリクエストを自動的に拒否している状態になっています。
未認証ユーザーが企業アカウントに問い合わせをしたい場合、メッセージリクエストを贈ることができません。DMでの問い合わせに対応する場合は「すべてのアカウントからのメッセージリクエストを許可する」に設定を変更する必要があります。
また、1日あたりのDM送信上限数を考慮することも大切です。
長文ポストのハッシュタグ表示
Twitterで長文ツイートをする際は、140文字(半角280文字)を超えると内容が省略され、「さらに表示」をクリックすると全文に切り替わります。
内容が省略された箇所にハッシュタグが含まれる場合は、Twitterのハッシュタグ検索にヒットしなくなります。
Twitterキャンペーンを実施する場合は、省略箇所に含めるとハッシュタグを検知しなくなるため注意が必要です。
長文ポストを活用する際は、ツイートの最上部にハッシュタグを含めるようにしましょう。
以下の資料では、Twitter上でキャンペーン施策を行う際の設計手順・注意事項を中心に、キャンペーンから自社サービスへの遷移率を高める方法を解説。
SNS運用担当者様や広告代理店様は、ぜひ資料をご参考ください。
動画のダウンロードが可能に
2023年7月25日、Twitter Blueの認証ユーザー向けに、動画を添付したツイートから動画ファイルをダウンロードできる機能を実装しました。
ツイートした動画のダウンロードを拒否する設定も用意しており、動画のアップロード後に動画の「編集」→「設定」メニューから動画ダウンロードの許可/不許可を切り替えることができます。
動画をダウンロードできるようにするとトラブルにつながったり、権利関係の問題に発展する可能性もあるので、ダウンロードの設定を見直すのもよいでしょう。
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Twitterの「X」への変更による影響を把握しよう
Twitterはマスク氏が構想する「スーパーアプリ」として選ばれるようになるかは、これからの手腕が問われると言えるでしょう。
マスク氏の「ユーザーファースト」に反しているとも言える判断によって、ユーザーから大きな反感を買っている点もどう影響するかも注目されます。
企業にとっても、Twitterをどのように活用していくべきか悩ましい点も多いでしょう。当サイトでは、今後もTwitterの動向に注目しつつ、企業アカウントへの影響についても追っていきます。