口コミマーケティングは、SNSが広く普及した現代において重要なマーケティング手法のひとつです。消費者が商品やサービスを購入検討する際には、口コミが重要視されるようになってきました。
企業のマーケティング担当者の中には、「口コミマーケティングにはどんな種類があるの?」「具体的な成功事例を知りたい」とお考えの方もいるでしょう。
この記事では、口コミマーケティングの重要性やメリット、代表的な手法、成功事例について解説するので、ぜひ参考にしてください。
口コミマーケティングとは?
口コミマーケティングとは、企業が消費者の口コミやレビューを利用して、自社の商品やサービスの認知拡大を図ったり、購買意欲や利用を促進する手法です。
たとえば、SNSの情報発信やファンサイト、アプリ、ECサイトのレビューなどが該当します。
消費者は、企業が発信する広告や宣伝よりも、宣伝目的ではない一般ユーザーからの口コミを受け入れやすい傾向にあります。
そのため、購買においては「信頼性が高い」と判断される消費者の口コミが最終的な決め手となるケースは多々あるようです。
マーケティングにおいても、ポジティブな口コミが発生しやすい環境を構築することが重要と言えるでしょう。
口コミマーケティングの重要性
口コミマーケティングはなぜ重要視されているのでしょうか。
ここでは、アジャイルメディア・ネットワーク株式会社が実施した「SNSのクチコミが生活者の購入・来店に与える影響」の調査を引用して解説します。
調査によると、SNSの口コミ経由での購入・来店者のうち、若年層を中心に2人に1人が購入・来店後に自身もSNSで口コミをしていることが分かりました。

引用:SNSのクチコミが生活者の購入・来店に与える影響の調査
また、口コミを見て来店・購入した後、継続利用している人の割合は62%という結果になっています。このことから、口コミを通じて商品理解や信頼性が生まれやすく、リピートや継続利用につながりやすい傾向があることが推測されます。

同調査によると、モノやサービスの購入検討時に最も影響を受けるのは、「SNS検索」で偶然見つけた投稿であるようです。
そのため、一般の商品やサービス利用者による口コミの有無や評判の形成は、消費者の購買行動において大きな影響が生じていることが分かります。
口コミマーケティングを実施するメリット4つ
口コミマーケティングを実施するメリットは、次のとおりです。
- 幅広いユーザー層にリーチできる
- 購買行動を後押しできる
- 消費者からの信頼を得られる
- 高い費用対効果が見込める
ここでは、それぞれのメリットについて順に解説します。
1. 幅広いユーザー層にリーチできる
口コミマーケティングを実施することで、幅広い消費者層にリーチを広げられるというメリットがあります。
一般消費者が口コミを投稿し、さらに投稿が拡散されれば、自社のことを知らない顧客にもリーチすることができます。
たとえ口コミを広げる企画を辞めたとしても、継続的に認知度を拡大できるのが口コミマーケティングのメリットです。
2. 購買行動を後押しできる
SNSの口コミが購買検討時に与える影響は非常に大きく、購入を迷っているユーザーに対して後押しできる点もメリットです。
一般ユーザーからの情報は説得力や信頼性があり、購入するか迷っているユーザーに対しての判断材料となります。
良質な口コミを広げることができれば、購買決定を強く後押しできるでしょう。
3. 消費者からの信頼を得られる
近年はWebサイトやSNS、アプリなどを利用していると広告が表示されます。そのため、明らかに広告と分かるものには、あまり目を通さないようにするユーザーも多くいます。
企業側の宣伝よりも、自分と同じ立場となる消費者が投稿した口コミであれば、信頼されやすいのです。
また、商品やサービスを選ぶときに、実際の口コミを参考にする人も増えてきており、自然な形で拡散することができます。
4. 高い費用対効果が見込める
マーケティングには多様な手法がありますが、中には高額なコストをかけたのにもかかわらず、良い成果が得られなかったケースも珍しくありません。
口コミマーケティングは、消費者が情報を発信・拡散してくれるため、広告宣伝コストを抑えて効果的に商品やサービスを広げることができます。
口コミを拡散する仕組みを上手く活用すれば、会社全体の生産性向上につながるでしょう。
口コミマーケティングの代表的な手法5つ
ここからは、口コミマーケティングの代表的な手法を5つ紹介します。
- SNSキャンペーンの実施
- インフルエンサーの起用
- モニター施策
- ファンコミュニティの活用
- レビューの活用
ここでは、それぞれの手法について解説します。
1. SNSキャンペーンの実施
SNSキャンペーンは、TwitterやInstagram、LINE、FacebookなどのSNSを活用してキャンペーンを実施するマーケティング手法です。
一定の期間を設けて、クーポン配信や抽選でプレゼントや景品を配布し、商品やサービスの宣伝を行います。
たとえば、Twitterのキャンペーンにおいて、「自社の商品を利用した写真や口コミを投稿する」という参加条件を設けることで、口コミが生まれやすい環境を作れるでしょう。
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2. インフルエンサーの起用
インフルエンサーとは、各SNS上で情報発信を行っており、フォロワーに対して大きな影響力を持っている人物のことを指します。
インフルエンサーを起用して、商品に関する感想やレビューを投稿してもらうことで、ファンに対して商品の認知や理解を促進することが可能です。
厳密に言えば広告宣伝になりますが、投稿内容はインフルエンサーに委ねられるので、インフルエンサー自身の意見に近い形で訴求できます。
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3. モニター施策
モニター施策とは、WebサイトやSNSなどを通じて、新商品やサービスを実際に使った感想を集めて、口コミを投稿してもらう施策のことです。
モニターは自社商品やサービスの感想を知るために用いられますが、モニター募集の際にSNS投稿を条件とすれば、確実に口コミを投稿してもらうことができます。
ただし、商品やサービスの品質が低ければ、ネガティブな口コミが広がってしまう可能性もあるので注意が必要です。
4. ファンコミュニティの活用
ファンサイトなど、企業のファンとなった顧客が交流できるコミュニティを構築することも有効です。
ファン同士の交流の場であることはもちろん、新商品企画の参加プログラムや、商品を用いたコンテストなどのイベントを開催できます。
ファンコミュニティを活用すれば、ファン同士の交流を活性化でき、ポジティブな口コミの拡散を狙うことができるでしょう。
5. カスタマーレビューの活用
カスタマーレビューとは、主にECサイトで利用されるもので、商品購入後の感想や使用感を投稿することです。
自社ECサイトを運用している場合は、カスタマーレビュー機能を実装すると口コミを効率良く集めることができます。
また、SNS上にあるレビューをECサイトの商品ページに自動で設置するといったように、二次利用することで購買促進することも可能です。

【SNS】口コミマーケティングの成功事例
ここからは、SNSで実施された口コミマーケティングの成功事例を紹介します。
ニトリデコホーム|UGCの二次拡散
初めに紹介するのは、ニトリが展開するインテリア雑貨「ニトリ デコホーム」公式Twitterアカウントによる口コミマーケティングの事例です。
Twitter上で投稿されている同社商品に関するツイートを引用リツイートで紹介し、口コミを二次拡散しています。
引用リツイートでは、商品詳細ページのURLを案内し、投稿に対して感謝の言葉を添えています。消費者目線のツイートとともに商品説明を加えることで、口コミを自然に活用している事例です。
こうした引用リツイートによる紹介は、ユーザーとのコミュニケーションにもなり、認知拡大だけでなくブランドイメージ向上、ファン獲得にもつながります。
カゴメ|ファンサイトの活用

出典:&KAGOME(アンドカゴメ)
続いては、カゴメ株式会社が運営するファンサイト「&KAGOME(アンドカゴメ)」の活用事例です。
カゴメ製品を用いたレシピ写真を投稿できたり、投稿に対するレビューができたりと、ファン同士のコミュニケーションを促しています。
また、コミュニティ内でファンと交流することによって、より良い口コミを拡散できる可能性も高まるでしょう。
また、ユーザーがファンサイトに登録してもらいやすいよう、プレゼントキャンペーンやモニター募集などお得な情報も掲載されています。
まとめ
口コミマーケティングは、インターネットやSNSが普及し、情報が拡散しやすくなった現代において非常に有効な手段です。口コミという信頼性の高い情報を拡散させることによって、自社商品やサービスを効率よく拡散することができます。
ポジティブな口コミが広がりやすい環境を構築できれば、消費者の購買促進や企業のブランドイメージ向上も狙えるでしょう。
しかし、使い方によっては企業のイメージダウンにつながる可能性も否めないので、運用方法には十分注意しなければなりません。
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