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“家庭科のドラゴン”がネットミーム化したのは、偶然の産物ではない--SNSと企業アカウントと僕らの青春

“家庭科のドラゴン”がネットミーム化したのは、偶然の産物ではない--SNSと企業アカウントと僕らの青春

毎度おなじみ、いぬゆなことスマートシェア株式会社の沼田宗一朗でございます。

突然ですが、2025年6月24日、弊社スマートシェア株式会社は株式会社サンワードと共同トークウェビナー「家庭科のドラゴンが、僕らに教えてくれたこと」を開催しました。

家庭科のドラゴンって、これです。

【最初のバズはグッズ通販】

見たことあるって人も多いんじゃないでしょうか。いまや完全にネットミーム化した家庭科のドラゴン。その“中の人”こと株式会社サンワード取締役・上田一郎氏に、なんでこんなにバズったのか、いやそもそもなんでこんなかっけー柄が家庭科の時間の裁縫とかの素材として採用されたのか、根掘り葉掘り伺ってみました。

この記事を読めば、家庭科のドラゴンのすべてが理解できます。そしてもうあなたもドラゴンフレンドです。

家庭科のドラゴン、誕生の背景

いぬゆな

本日はよろしくお願いします。
そもそもサンワードさんって、Xだとドラゴンの飼育員みたいな謎の存在だと思ってる人も多そうなんですが、会社の業務としてはキャラクターのデザインや管理が中心なんですよね?

サンワード上田

はい。ドラゴンだけじゃないです(笑)お菓子や文房具、子供用食器、銀行の通帳などにデザインされているリトルボブドッグという犬のキャラクターが看板キャラですね。他にも70種類以上のキャラクターがいて、さまざまな用途に使っていただいています。

 

【リトルボブドッグ、見たことありすぎる】

サンワード上田

実は中国では子供服や日用品をはじめさまざまな分野で採用頂いたり、パッケージやテレビ番組で起用され、定番キャラクターだったりします。

いぬゆな

リトルボブドッグ、めっちゃ見たことあるけど名前を知らないあの犬!(笑)日本でも知名度自体はかなり高いですよね。ドラゴンとまったくデザインが違うので絶対に結びつかない………幅広すぎ。

僕は今年41歳なんですが、正直、家庭科の時間に選べる裁縫箱とかエプロンにドラゴン柄があった記憶ってあんまりないんです。ドラゴンの直撃世代って30歳~40歳の間くらいなんですかね?そもそも家庭科の時間にあんなあからさまにかっけードラゴン出てくる必要あります?

サンワード上田

そうですね。1990年ごろから小学校で弊社のデザインを採用していただきはじめて、ドラゴン柄は2001年に誕生しました。いまの30代を中心に、その前後くらいの方々がドラゴンの直撃世代だと思います。

 

それまで、家庭科の時間に選べるデザインはどちらかというと可愛らしいものが中心でした。そこにあらわれた、男子の心をくすぐるようなかっこいいドラゴンは非常にウケがよかったようです。

 

ちょうど現在ネットに慣れ親しんでいる年齢層が直撃世代ということもあり、懐かしさで反応していただいたということかなと。

男子の好みを狙いドラゴンをメーカーさんにご依頼いただき、力強くデザイン提案したものだったのですが、まさか時を経て大バズりするとは、社内みんなびっくりしております。

いぬゆな

ドラゴン全盛期から20年以上経った現代、SUZURIでグッズ販売をされていたのが急にバズったんですよね。その後、コミケに出展するということでさらに話題になりました。「昔使ってた!」って人も「いま子どもが使ってる!」って人もいて、ドラゴンは世代を超えるんだなと思いましたね……

 

【コミケ出展の告知ポスト】

サンワード上田

以前コミケの会場に別の業務でお邪魔する機会があって、「今日はここでお仕事です」ってポストをしたんです。そのときに「サンワード、コミケ出展あり」というリアクションをいただきまして。確かに、じゃあ一回やってみようかということで、すぐにコミケの企業ブース出展抽選申し込みを行いました。

いぬゆな

神速のドラゴン。

サンワード上田

おかげ様でめでたく当選させていただいて、机1つ分の最小単位での出展だったのですが、大いに賑わいました。たくさんの方々にグッズを購入いただきましたし、通りすがりの方々もブースを注目していただき、写真撮影をしていく方々も多くいらっしゃいました。
ドラゴンの翼は世代も飛び超えますね。

家庭科のドラゴン、拡散の秘話

いぬゆな

サンワードさんの公式アカウントは、いわゆる”中の人アカウント”のような運用をされていますね。

ico_speaker--01

あまりカタい運用をしても広がっていかない感覚はありますが、逆に柔らかすぎてもよくないとは思っています。みなさんの口コミで育てていただいているコンテンツですから、よいバランスをとってコミュニケーションを取ることを意識しています。なかなか個別にリプライなどをする時間は取れていないのですが、エゴサーチとお礼の意味も込めたいいね・リポストは日課になっていますね。

いぬゆな

そしてコミケ終了後2か月して、3600万インプレッションを叩き出した大バズポストが生まれます。こちらです。

 

【光り狂う裁縫箱】

いぬゆな

もう何から何まで意味わかんないんですが、何が起こったんですかこれは。

サンワード上田

BBコリーさんという方が、以前ドラゴンっぽい裁縫箱を同じように改造していらっしゃったんですね。そのXのポストを見てご連絡して、製作協力いただきました。それなりにウケると思ってはいましたが、まさかここまでバズるとは驚きました。

いぬゆな

これもXがつないだ縁がきっかけってことですね。

サンワード上田

そうですね、Xがつないでくれた正にご縁ですね。ドラゴン裁縫箱の動画は、BBコリーさんの動画を踏襲しつつ、あえて少し雑な感じでの動画になっています。あの雑さがよかったと思ってます。リアルすぎると逆に冷めちゃうかなと。

いぬゆな

X向けの動画ですよね。拡散されやすい余白みたいなものがある。


このポストがバズった瞬間の通知画面の動画を見せていただきましたが、凄まじいですね。引用ポストを読んでる間に次の引用が来るし、1秒に数十件いいねリポストされて、まさに通知が鳴りやまない状態。

サンワード上田

バズっていることは、投稿してから数時間後に気づきました。リロードするたびに数字が増えていってパニック状態です。このレベルの凄まじいバズは初めての経験でしたが、通知が多すぎることでスマホの処理能力を超えてしまい、熱を発してかなり高温になってしまうほどでした。

社内も、普段Xを見ない社員も含めておおわらわ。何が起きてるのかって電話はたくさん来るし、社内連絡ツールでもみんなどうするどうするって感じでした。ただ自分は「この熱狂を今後にどう繋げたらいいか」と割と冷静に考えていましたね。なのでその瞬間も動画に収めていたっていう。運よくバズって終わりではもったいないですから。

いぬゆな

SNSでバズったときもですけど、トラブルがあったりしたときにどうするか?っていうのを何となくでもイメージしたり、社内体制として決めておけるといいですよね。

サンワード公式アカウントはこのバズのあともコンスタントに発信を続け、カフェとのコラボで青黒いドラゴンをイメージしたカレーを期間限定メニューとして販売してみたり、イーロン・マスクに「今度、スペースXのドラゴン(宇宙船の名前)に "家庭科のドラゴン "を乗せてください」とリプライしてみたり、プロレスへの参戦を発表してみたり、かなり意図的に仕掛けまくってましたね。

 

【ドラゴンマスクがプロレスに参戦】

サンワード上田

熱を冷まさないように仕掛けました。ドラゴンの炎のように
とはいえアカウントの“中の人”としては、バズ狙いばかりではなく、人間味を出すように意識しています。エゴサしてお礼のリプライを送ってみたり、日常の投稿をしてみたり、偏りすぎないようにバランスを取りながら発信しています。

いぬゆな

ドラゴンの存在自体が偏りに偏ってる気もしますが、なるほど。

サンワード上田

その後もわかさ生活さんとコラボさせていただいたり、

 

【リトルボブドッグとブルブルくんとドラゴンと馬】

サンワード上田

ドデカミンさんとのコラボではデザインだけではなく味も最強にしていただいたり、

 

【ぼくの考えた最強のドデカミン】

サンワード上田

新進気鋭のロックバンド、超能力戦士ドリアンさんは、家庭科のドラゴンをモチーフにした曲で超絶かっこいいMVを作ってくれました。

 
いぬゆな

『ドラゴンの裁縫セット(笑)』ってめちゃ笑われてるじゃないですか。曲が良いのも始末に負えないし、いつの間にか20万回以上再生されている。

サンワード上田

ここでは紹介しきれないくらい多くのコラボをさせていただきましたし、今後もおかげさまでまだまだ発表が控えています。ドラゴンやリトルボブドッグと一緒に何かをしたい、という問い合わせを常にいただいていて、最近では他のサンワードのキャラクターにも注目頂きだして本当にありがたい限りです。

 

わたしがサンワードのアカウント担当を引き継いだのは2年前なのですが、そのころのフォロワー数は660でした。そこから今は2万1000以上の方にフォローしていただいています。バズによるところが大きいですが、継続的な発信をしていることで底上げがされているようなイメージです。

いぬゆな

バズやその後の投稿によって露出が増えて、会社の知名度だけでなく売り上げにも寄与してるってことですよね。

家庭科のドラゴン、仕掛け人の秘話

いぬゆな

順番が前後する気もしますが、上田さんのぶっ飛んだ発想ってどこから出てくるんですか?

サンワード上田

そんなにぶっ飛んでますか?あんまり自覚ないです。

 

サンワードの取締役に就任する前は、大手広告代理店で働いていました。企画だけではなく現場も含めて多くの仕事に関わらせて頂きました。そこで得た企画の経験や現場の空気を感じる肌感覚、発想力というのはベースになってるのかなと思います。


また、今の仕事と関係があるのかはわからないんですが……数十年前、アーケードサッカーゲームの全国大会で優勝したことがあります。人と対戦するときは相手の心理を読むのも大切になるんですよ。相手は1点勝ってるから積極的には攻めてこないだろうな、それならこんな風に崩してやろう……みたいな。


特に初めて対戦する相手は、プレイスタイルや癖などを探りながら試合を進めていかなくてはいけませんし、もしかするとそこで培った想像力みたいなものは仕事に役立っているかもしれませんね。

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eスポーツプロゲーマーのハシリみたいな感じじゃないですか。全国優勝はすげえ。サッカーお好きなんですよね。

サンワード上田

サッカーは元々好きで、いまもよく観ます。サッカーやスポーツのお仕事もたくさんしていきたいですね。先日はリトルボブドッグがFC今治のホームゲームにお招きいただきました。

 
いぬゆな

すご。というかリトルボブドッグって立体化してたんですね。

サンワード上田

お呼びいただけたらどこにでも馳せ参じます。(宣伝)

いぬゆな

あとツッコミそこねてたんですが、ずっとドラゴンのマスクかぶってますよね。趣味ですか

サンワード上田

ミステリアスなビジネスマンを演出しております。常にドラゴンとともにあるという姿勢の表れでもあります。スターウォーズも好きですし、スタートレックも好きですよ。

ちなみに、現時点で最新のドラゴングッズ「家庭科のドラゴン 変形フィギュア」がカプセルトイで登場しております。ご好評につき各所で売り切れ続出なのですが……買えなかった方は申し訳ありません。

 
いぬゆな

小気味良い宣伝。でもこれすごいですね。最近のカプセルトイは本当に精巧でレベルが高い。

最後に

いぬゆな

今日いろいろお話を聞いて、「バズを狙う」ことも大事ですが、「バズを資産化してその後につなげる」発想が大事だと感じました。これからSNSを活用したい企業にメッセージをお願いします。

サンワード上田

バズるかどうかというのは、正直わからないものだと思います。渾身の投稿でもリアクションが薄いこともあるし、逆もまたしかり。でも、発信し続けないと可能性はゼロです。また、ほとんどのバズは、数日で沈静化する。でも、そこで発信をやめてはいけないのだなと。継続は力なりということだと思います。あとはコミュニケーションツールとしてXを楽しむことだと思います。そうじゃないと続かないと思います。

いぬゆな

続けることの大切さですね。これからもおもしろ企画どんどん出しまくってください!


購買意欲を高めるため、企業が注力すべきマーケ施策とSNSはどれ?