自社の商材名を認知しておらず、具体的な商品のイメージも持っていない状態である「滞在層」に向けたマーケティング施策は、新規顧客において非常に重要です。
「滞在層に効果的なマーケティング施策を知りたい」「具体的なマーケティングの事例は?」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。
本記事では、滞在層に有効なマーケティング手法や、滞在層と顕在層の違い、SNSの活用事例なども解説するので、ぜひ参考にしてください。
目次
滞在層と顕在層の違い
まずは、滞在層と顕在層の違いについて把握しましょう。
滞在層とは?
滞在層とは、自社が扱う商材そのものへの顕在的なニーズはないものの、関連する商品やテーマについて興味関心を抱いているユーザーを指します。
自社の商材名を認知しておらず、具体的な商品のイメージも持っていない状態です。
- ニーズを自覚していない
- そもそもニーズ自体が生まれていない
- 自発的に情報を収集していない
このように、滞在層の中でも度合いはさまざまです。そのため、各フェーズにいる滞在層を細分化して、最適なアプローチ方法を検討する必要があります。
顕在層とは?
顕在層とは、悩みやニーズが明確化しており、解決する方法を探しているユーザーのことを指します。
ニーズを満たすための具体的な商品・サービスを比較検討している段階にいるため、問い合わせや購入など、売上につなげるためのアクションを起こしやすいのが特徴です。
インターネット検索では具体的な商品・ブランド名をキーワードに含めることが多く、検索段階から購入することを前提としています。
滞在層に効果的なマーケティング手法
滞在層に効果的なマーケティング手法として、以下が挙げられます。
- SNSマーケティング
- コンテンツマーケティング
- ディスプレイ広告
ここでは、それぞれの手法について解説します。
SNSマーケティング
SNSを活用して、SNS広告やマーケティング施策を打つことも有効です。
SNS広告は、タイムラインやストーリーズなど普段目にする投稿と同じスタイルで掲載でき、自然に届けやすいメリットがあります。
精度の高いターゲティングがおこなえ、拡散力が高いことも強みです。
また、SNSキャンペーンなどの施策を通して、新たなユーザーや見込み顧客を獲得するきっかけを作ることもできます。
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コンテンツマーケティング
コンテンツマーケティングとは、動画や写真などの価値あるコンテンツを提供し続けることでユーザーエンゲージメントを生み、最終的な収益に繋げるための一連のマーケティング手法です。
マーケティング手法は「読者にとって価値あるコンテンツの制作・発信」「見込み顧客のニーズを育成」「最終的にファンとして定着させる」という3ステップに及びます。
コンテンツマーケティングとは段階的なマーケティングプロセスを構築するための考え方のことであり、ある単一のツールや手法を指し示す言葉ではありません。
コンテンツの配信が即購買に結びつくのはまれで、ファンを増やして長期的な顧客を獲得するのが主な狙いとなっています。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、ニュースサイトやポータルサイトなど各種WebサイトやSNSの表示区画に掲載される広告のことです。
Webサイトの広告枠に画像や動画、テキストなどで表示されるため、サイトに訪れたユーザーからの認知拡大が見込めます。
ディスプレイ広告の種類はさまざまですが、滞在層にアプローチするものとして、DSPや純広告が挙げられます。
滞在層に向けたマーケティングの成功事例4選
ここからは、滞在層に向けたマーケティングの成功事例について紹介します。
1. X(Twitter)マーケティング
株式会社湖池屋では、「ピュアポテト ブランド芋くらべ」シリーズの発売を記念して、X上で診断キャンペーンを実施しました。
数種類のピュアポテトの特徴を発信しつつ、ユーザーの投稿を効果的に促進し、SNS上でのブランドに関する投稿(UGC)を増加させたいという意図がありました。
診断キャンペーンを実施することで、まだ商品を知らない人や手にしたことがない滞在層に興味関心を持ってもらえるきっかけになります。
2. Instagramマーケティング
小島屋乳業製菓株式会社では、Instagramアカウント運用開始後、3ヶ月でフォロワー1,000人以上が増加しました。2024年8月時点では、フォロワー数は4,000人を超えています。
以前までは、商品の写真をそのままSNS投稿に使用したり、紹介文はキャプションに記載することが多かったところ、Instagram運用代行を導入することに。
商品の写真を加工し、インパクトのある見出しを入れることでユーザーの目を引いたり、商品の紹介文を写真に載せることで、商品の魅力が一目瞭然になりました。
製造現場のリール動画を投稿することで、商品とブランドに対する愛着を深めてファン化を促しています。
3. 北欧、暮らしの道具店|コンテンツマーケティング
北欧雑貨を販売するECサイトの「北欧、暮らしの道具店」では、ECサイトが一つのメディアのようになっていて、商品やライフスタイルにまつわる様々なコンテンツが配信されています。
「北欧、暮らしの道具店」のWEBサイト
常に様々な特集が組まれていて、取り扱い商品に直接関わる特集はもちろん、スタッフの愛用品紹介コラムや、著名人の仕事論に迫るインタビュー、レシピや収納術などのライフスタイルに関わる特集など、多彩なコンテンツが存在しています。記事の内容もや写真も丁寧に作り込まれていて、読み物として価値のあるものになっています。
さらに、取り扱い商品1つ1つの詳細ページでも、その商品が使われるシーンやサイズなどの詳細な説明が写真とともに紹介されていて、購入意欲を促進します。
サイト全体が北欧雑貨のようなあたたかく柔らかいイメージで統一されており、自社で運用しているFacebookページやInstagramアカウントも同様に徹底したブランディングがされています。
4. GoPro|YouTubeの動画マーケティング
ウェアラブルカメラメーカーのGoProは、動画コンテンツを使って成功を収めた企業の一つです。
商品の魅力そのものを伝えるのではなく、ユーザー体験を通して魅力を伝えることに注力し、Youtubeを駆使したコンテンツマーケティングを展開しています。
GoProのYouTubeアカウントには460 万人のYouTube登録ユーザー(2017年2月時点)が存在し、カメラを装着したユーザーの体験動画がたくさん投稿されています。
また、Youtube以外の自社のSNSアカウントでも多数のファンを抱えていて、動画コンテンツが広く拡散される仕組みを持っています。
まとめ
コンテンツマーケティングは、ユーザーにとって有益なコンテンツを配信することで、潜在的な顧客をファンとして定着させるマーケティング手法です。
コンテンツは資産として長期にわたって効果を発揮し、SNSでの拡散によってブランドの認知拡大に大きな効果をもたらすことができます。
ブランド力の向上に役立つコンテンツマーケティングを積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。