マストバイキャンペーンは、数あるキャンペーンの中でも「商品の購入促進」につながるマーケティング施策のひとつです。
キャンペーン施策を実施するにあたって、マストバイキャンペーンを検討している方もいるのではないでしょうか。
当記事では、マストバイキャンペーンの目的や購入証明の種類、事例について紹介します。応募率を高める方法についても解説するので、ぜひ参考にしてください。
マストバイキャンペーンとは
マストバイキャンペーンは、商品やサービスの購入・利用を促すキャンペーン施策のことです。消費者が商品やサービスを購入することを応募条件となっています。
■マストバイキャンペーンの例
- 購入後のレシートをアップロードして応募するキャンペーン
- 購入した商品のパッケージに記載されているシリアルナンバーを入力して応募するキャンペーン
- 購入した商品に付属するシールを集めてはがきで応募するキャンペーン
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いずれの場合も、商品を購入した証明を応募に用いる必要があります。
企業が実施するキャンペーンには、大きく分けて「オープンキャンペーン」と「クローズドキャンペーン」の2つがあります。
マストバイキャンペーンは、クローズドキャンペーンに分類されます。
たとえば、「指定商品を購入する」「〇〇円以上購入する」などといった、購入を前提条件とするタイプがマストバイキャンペーンです。
マストバイキャンペーンは「クローズドキャンペーン」の一種
マストバイキャンペーンは、「クローズドキャンペーン」の一種と言われています。
クローズドキャンペーンは、主催者側から提示された条件を満たすユーザーが参加できるタイプのキャンペーン手法を指します。
たとえば、「指定の商品を購入する」「メルマガを受け取る」「会員登録をする」などの条件が一般的です。
その中でも、商品の購入を条件としたキャンペーンが「マストバイキャンペーン」と呼ばれます。
オープンキャンペーンとの違い
オープンキャンペーンは、応募規約に同意すれば誰でも参加できるキャンペーンです。
一方で、クローズドキャンペーンは、商品やサービスの購入が必須となっていることが条件となっています。
また、オープンキャンペーンには景品の上限額は定められていません。しかし、クローズドキャンペーンでは、「景品表示法」で景品の上限額が定められている点にも違いがあります。
マストバイキャンペーンを行う目的・メリット
マストバイキャンペーンは、商品・サービスの購入が必須条件となっており、おもに商品購入の促進が目的です。主に、以下のようなメリットがあります。
- 売上アップや集客につながる
- 自社商品やブランドの認知度が向上する
- 既存顧客のリピート率が高まる
ここでは、それぞれのメリットについて解説します。
売上アップや集客につながる
マストバイキャンペーンを実施することで、消費者のアクションを促せるため、売上アップや新規顧客の獲得につながるのがメリットです。
「限定性」をアピールすることで、一時的な売上アップを実現できるうえに、認知度向上やリピート購買によってLTVが向上する効果も見込めるでしょう。
新商品や期間限定商品の発売や、低迷している商品の打開策として活用するのも有効です。
キャンペーンによって購買意欲を高めることで、キャンペーンをきっかけに初めて店舗に訪れたり、商品を手に取ってもらえる可能性が高まるでしょう。
自社商品やブランドの認知度が向上する
マストバイキャンペーンを行うことで、自社商品やブランドの認知度向上が図れるという点もメリットです。
キャンペーンが拡散されると、より多くのユーザーが自社商品を目にする機会が増えるため、宣伝やプロモーションにも効果的と言えるでしょう。
魅力的なマストバイキャンペーンを実施すれば、競合商品より選ばれやすくなります。キャンペーンをきっかけに自社商品を知り、商品やサービスに価値を感じてもらえれば、ポジティブな印象とともに認知度が向上します。
既存顧客のリピート率が高まる
マストバイキャンペーンは、新規顧客だけでなく既存顧客のリピート率向上にも役立ちます。特典や割引を提供することで、既存顧客のリピート購買を促すことができます。
企業に対するロイヤリティが高まりやすく、長期的な関係性構築につながるという点もメリットです。
マストバイキャンペーンによって、よりお得に商品やサービスを利用できるようになれば、既存顧客の満足度向上につながります。
そして、既存顧客の満足度が向上すれば、口コミや紹介を通じて新規顧客を獲得するきっかけにもなるでしょう。
マストバイキャンペーンの種類【応募方法】
マストバイキャンペーンの応募方法は、下記の3種類に分かれます。
近年は、SNS応募、Web応募、はがき応募を組み合わせたマストバイキャンペーンを実施する企業も多く、幅広いターゲット層にリーチすることができます。
SNSで応募
TwitterやLINEなどのSNSを活用して応募を受け付ける方法です。
SNS上での応募は、特に若年層やデジタルネイティブなユーザーに向けて効果的です。
SNSのフォローや友だち追加を条件とすることで、自社のファン育成・獲得や、新規顧客の開拓などにつなげやすいメリットがあります。
Webで応募
企業のWebサイトや特設ページを活用して、応募を受け付けます。
Web応募はインターネットを利用した一般的な方法であり、スマホとPCの両方に対応できるため、気軽に応募できるメリットがあります。
はがき応募
従来型の応募方法で、はがき(郵便葉書)を使って応募を受け付けます。
WebやSNS応募に馴染みがない50~60代などの層をターゲットにする場合に有効な方法です。
従来の手書きの応募に慣れている方々にとっては、手間を感じることなく参加できる手段であるためです。
マストバイキャンペーンの購入証明の種類
マストバイキャンペーンでは、商品やサービスを購入した証明を必須としているのが一般的です。
ここでは、購入証明の種類について紹介します。
レシート本体
商品を購入した際のレシートをハガキに貼付したり、レシートの写真を撮影して登録したりする購入証明の方法です。
メリット |
- 応募シールを作成したり集計する手間がかからない
- レシートによって購入店舗を特定できるため、流通タイアップで活用しやすい
- OCR機能を利用すれば集計・確認を自動化できる
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デメリット |
- 商品自体に応募シールが付くわけではないので、店頭でのキャンペーン認知につながりにくい
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レシートに印刷されたQRコードやシリアルナンバーを使って、Web上で登録する方法もあります。
応募シールを作る必要がなく、購入した店舗を特定できるため、店舗限定のキャンペーンで利用しやすいことがメリットです。
■関連記事
レシートキャンペーンとは?成功事例10選やキャンペーンシステムも紹介
商品パッケージの切り抜き
バーコードやマークなど、商品パッケージの一部を切り抜き、ハガキなどに貼って応募する方法です。
メリット |
- 応募シールを作る手間やコストを抑えられる
- 定番のキャンペーンでは、期間外にも商品を購入してマークを貯めてキャンペーンに備える人もいる(長期のリピート購買につながる)
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デメリット |
- POP・シール・パッケージなど店頭での告知が必須
- 現物が必要になるのでWeb応募には不向き
- 切り取るのに適さないパッケージでは使えない
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キャンペーンのために改めて応募用のシールなどを作る必要がなく、コストが抑えられるメリットがあります。
また実施期間以外に商品を購入し、バーコードやマークを貯めて、次のキャンペーン開始に備えるといった行動も見られ、長期のリピーター獲得にもつながります。
商品貼付シール
商品に貼り付けられたシールを、ハガキなどに貼って購入証明とする方法です。
メリット |
- 店頭で商品を並べたときにシールがアイキャッチになるため、キャンペーンを認知してもらうきっかけとなる
- 通年同じシールを貼っている場合は、長期のリピート購買につながる
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デメリット |
- シールの制作や貼付けにコストがかかる
- シールを貼り付けて応募する場合は、Web応募には不向き
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キャンペーン専用のシールを作るケースや、期間に関わらず同じデザインのシールを活用するケースがあります。
シール自体がキャンペーン実施のアイキャッチとなり、キャンペーンを知ってもらうきっかけになる点がメリットです。
また商品パッケージの切り抜き同様、長期のリピーター獲得にもつながります。
商品貼付コード(QRコード)
商品にシリアルナンバーやQRコードを印刷したシールを貼付して、Web上で読み取ってもらうことで購入証明とする方法です。
メリット |
- Web上でポイントを加算する「マイレージ型」キャンペーンを利用できる
- その場で即時抽選が行われる「インスタントウィン」も実施可能
- その場で当たる景品として、デジタルギフトを提供できる
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デメリット |
- シリアルナンバーやQRコードを封入する際の制作コストがかかる
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応募した時点で抽選が実施され、その場で当選結果がわかる「インスタントウィン」キャンペーンが実施できます。
またポイントを加算していく「マイレージ型」のキャンペーンを実施することも可能です。
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マイレージキャンペーンとは?メリットや成功事例、ツールも解説
マストバイキャンペーンの成功事例5選
ここからは、マストバイキャンペーンの事例について解説します。
1. 株式会社キリン|マイレージ型マストバイキャンペーン
株式会社キリンでは、購入ごとで発行したポイントで参加できる「OWNLYマイレージ型マストバイキャンペーン」を実施しました。
キャンペーン対象商品を購入すると、ポイントが付与され、貯めたポイントに応じてプレゼントを贈呈するキャンペーンです。
OWNLYでは、LINE・Twitter・Facebookアカウントで参加可能なため、参加ハードルが低く多くのユーザーに参加してもらうことができます。また、様々なインセンティブを用意し、ユーザーに希望コースを選んでもらうことが可能なので、ユーザーの参加意欲を高め、幅広い層の人に参加してもらえるでしょう。
参加方法も簡単で、レシートを撮影してアップロードすることで簡単に応募可能。加えて、期間内に複数回の購入が期待でき、長期リピーターの獲得やエンゲージメント向上を実現できます。
2. 新潟茶豆|たくさん食べてごちそうを当てようキャンペーン
参照:OWNLY導入事例
JA全農にいがた/にいがた園芸農産物宣伝会では、新潟茶豆のPRを目的に「新潟茶豆 たくさん食べてごちそうをあてよう!キャンペーン」を実施。
対象商品を購入したレシートを撮影し、メールアドレスまたはLINEでエントリーすると応募できるというもの。また、はがき応募にも対応することで、幅広い層からの応募を狙いました。
レシート応募によって購買を促し、豪華賞品をプレゼントにすることで新潟茶豆の認知拡大にもつながっています。
3. グランツリー武蔵小杉|LINEレシートキャンペーン
引用元:OWNLY導入事例
グランツリー武蔵小杉のLINE友だち登録キャンペーンです。LINE友だち・新規友だち限定で抽選で100名に商品券がプレゼントされるという内容です。
応募期間中に対象店舗で3,000円以上のレシートを撮影し、トーク画面のメニューから「お応募する」ボタンを押して、レシート写真を送信すると応募できます。
LINEの友だちであればレシート1枚につき1回参加できるため、友だち登録数増加にくわえて商品の販売促進につながる点が大きなメリットです。
4. 株式会社フリュー|人気アイドルとのコラボ型キャンペーン
参照:https://skz-stayjapan.com/s/n104/news/detail/11151?ima=0000&link=ROBO004
Stray Kidsでは、株式会社フリューとコラボしたマストバイキャンペーンを実施しました。
キャンペーン期間中にクレーンゲーム機に500円投入ごとに、キャンペーン限定のグッズをランダムでプレゼントするキャンペーンです。
人気のアーティストとアミューズメント施設を組み合わせることで、若い世代に効果的な施策となりました。
5. エスフーズ株式会社|LINEレシート応募キャンペーン
エスフーズ株式会社では、マインドフリー株式会社が提供するLINEレシートキャンペーンを用いて、マストバイキャンペーンを実施しました。
LINE公式アカウントに購入レシートを送信するだけで簡単に応募できる方法で、気軽に参加できるメリットがあります。
従来のハガキを使用したキャンペーンでは、40代・50代の参加者が中心となっていましたが、LINEキャンペーンを実施することで、若年層の参加者が倍増したそうです。
マストバイキャンペーンで応募率を高める5つの方法
マストバイキャンペーンは購入促進に効果的な施策のひとつです。
しかし、昨今では数多くのキャンペーンが実施されているため、ただ実施するだけでは成功に辿り着きにくいでしょう。
ここでは、キャンペーンの応募率を高める方法について解説します。
1. SNSを活用して話題化する
SNSを活用して、キャンペーン情報を拡散させて話題化させることは、キャンペーン実施において重要なポイントです。
広告に比べて、より多くのユーザーをキャンペーンに誘導できるため、応募数の向上につながりやすくなります。
キャンペーン期間中に拡散してもらいやすいよう、写真や情報を拡散してもらいやすい仕組みを作りましょう。
2. 懸賞品をトレンドに合わせる
マストバイキャンペーンでは、懸賞品選びも重要です。
担当者の好みに偏らず、ターゲットのニーズに寄り添えているか・トレンドを押さえられているかなど、懸賞品の分析も行いながら選定しましょう。
またデジタルインセンティブを懸賞品とすることで、配送や受け取り、再配達の手間を感じることなく、当選の喜びを味わってもらえます。
3. 複数の懸賞品を設定し収集してもらう
複数の商品を懸賞品として設定することで、商品を収集してもらう方法です。
マイレージ型のマストバイキャンペーンで多く用いられており、リピーター獲得につながりやすいメリットがあります。
同時期にキャンペーンを実施する場合は、景品の上限額について十分注意しましょう。
4. インスタントウィン型(当たり外れ)にする
抽選結果がすぐにわかるインスタントウィン型にすることで、ユーザーの参加意欲を向上させるのも効果的です。
インスタントウィン型は、キャンペーンに応募した時点で抽選が実施され、その場ですぐに当選結果がわかるシステムです。
演出を工夫することで、当たり外れに関わらずユーザーにとって再び応募したくなるような楽しみ方ができるでしょう。
5. ダブルチャンス型にする
一度外れても当選する機会を残しておく、「ダブルチャンス型」のキャンペーンも効果的です。
ダブルチャンス型にすることで、一度外れた方でもモチベーションが下がりづらく、何度でも参加してもらいやすいメリットがあります。
6. 応募しやすい方法を選ぶ
マストバイキャンペーンでは、ユーザーが応募しやすい方法にすることも重要です。
ただし、応募しやすい方法と言っても、年齢や性別、趣味嗜好などのターゲット属性によって異なるため、親和性の高い応募方法を選ぶ必要があります。
たとえば、10~20代のZ世代を中心としたターゲット層の場合は、WebサイトやSNSから応募できる形がおすすめです。
反対に、50~60代以降のユーザーをターゲットにする場合は、昔から馴染みのあるハガキ応募にも対応するといいでしょう。
もちろん応募方法は1つに絞る必要はなく、WebやSNS、はがきなど複数の応募方法を組み合わせることで、幅広いユーザー層からの応募が期待できます。
マストバイキャンペーンでは「景品表示法」を遵守する必要がある
景品表示法とは、一般消費者を保護することを目的に制定された法律で、正式名称は「不当景品類及び不当表示防止法」と言います。
景品表示法では、企業が生活者に対して景品を提供する懸賞は以下の3つに分類されるとしています。
参照:景品規制の概要|消費者庁
マストバイキャンペーンは「共同懸賞」「一般懸賞」に該当し、キャンペーンを通して生活者に提供する景品の上限金額が定められています。
■一般懸賞
懸賞による取引価額
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景品類限度額
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最高額
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総額
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5,000円未満
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取引価格の20倍
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懸賞に係る売上予定総額の2%
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5,000円以上
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10万円
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出典:景品規制の概要|消費者庁
たとえば、定価200円の商品購入を条件としたマストバイキャンペーンを行う場合は、一般懸賞となります。
商品1点購入で応募できる景品の価格は「取引価格の20倍」と定められているので、4,000円までです。商品20点購入で応募できる景品の価格は8万円までとなります。
商品26点以上になると取引価格は5,000円を超えるので、景品の価格は10万円までになるということです。
■共同懸賞
景品類限度額
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最高額
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総額
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取引価格にかかわらず30万円
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懸賞に係る売上予定総額の3%
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出典:景品規制の概要|消費者庁
複数の事業者が合同でキャンペーンを開催する場合は、共同懸賞となります。共同懸賞の場合は、商品の単価や個数に関わらず、景品の上限額は30万円です。
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