新たなゲームを開発した際、どのようにして多くのユーザーに知ってもらうかは大きな課題です。魅力あるアプリを開発しても、適切なプロモーションがなければ認知されず、プレイされないまま埋もれてしまう可能性もあります。
「効果的なプロモーションを実施したい」とお考えの方もいるのではないでしょうか?
本記事では、プロモーションの重要性や代表的な手法10選、さらに実際に成果を上げた成功事例4選を紹介します。
ゲームプロモーションの重要性
米国の調査会社Sensor Tower株式会社のレポートによると、2024年上半期、日本のモバイルゲームのダウンロード数は前年同期比で2.5%増加しました。

参照:PR TIMES「2024年日本のモバイルゲーム市場インサイト」
モバイルゲーム市場は拡大傾向にありますが、App StoreやGoogle Playでは毎月数百本もの新作アプリがリリースされており、ユーザーに見つけてもらうことは容易ではありません。
どれほど魅力的なゲームを開発しても、効果的なプロモーションなしではユーザーの目に留まりにくく、ダウンロード数も伸び悩みます。
ただ広告を出すだけでは成果は期待できず、ターゲット層やゲームの特徴に合った施策が求められます。
そのためには、SNSの活用やインフルエンサーとの連携、体験イベントの開催など、多角的なアプローチが効果的です。
ゲームプロモーションの代表的な手法10選
ここからは、ゲームプロモーションの代表的な手法を紹介します。
- SNSキャンペーン
- プレイアブル広告
- プロモーションビデオ(動画広告)
- ASO(アプリストア最適化)
- インフルエンサーマーケティング
- テレビCM
- プレスリリース
- リアルプロモーション
- プレスリリース
- 事前登録プロモーション
ここでは、それぞれの手法について解説します。
1. SNSキャンペーン
X(旧Twitter)やInstagram、TikTokなどのSNSを活用したキャンペーンは、拡散力とユーザーとの接点を活かした効果的な手法です。
例えば、フォロー&リポストでゲーム内アイテムをプレゼントする形式は、多くの人にリーチしやすく、認知拡大につながります。
さらに、参加型の企画にすることで、ファンとの接点を深め、コミュニティ形成にも役立ちます。自社の世界観やユーザー層に合わせた企画設計が重要になるでしょう。
2. プレイアブル広告
プレイアブル広告とは、ゲームの一部を広告内で実際に体験できる形式の広告です。
静止画や動画とは異なり、操作感やゲーム性を事前に知ってもらえるため、ゲームへの理解度と期待感を高めやすいという特徴があります。
実際に触れてもらうことで、興味を持ったユーザーの離脱を防ぎ、質の高いインストールにつなげることが可能です。
特に操作性やゲームシステムに強みがある作品には効果的な手法でしょう。
3. プロモーションビデオ(動画広告)
ゲームの魅力を視覚的に伝える手段として、プロモーションビデオ(PV)や動画広告は欠かせません。
ストーリー性や世界観、キャラクターの個性を伝えることで、ユーザーの感情を動かしやすくなります。また、映像と音楽の組み合わせによって印象に残りやすく、SNSやYouTubeなどでの拡散も狙えます。
再生時間は短くても、初見で惹きつける構成が求められます。広告用とファン向けで動画の内容を分けるのも効果的です。
4. ASO(アプリストア最適化)
ASOとは「App Store Optimization」の略で、App StoreやGoogle Playにおいてアプリの検索結果で上位に表示されるよう最適化を行う施策です。
タイトルや説明文に適切なキーワードを入れること、魅力的なアイコンやスクリーンショットを用意することがポイントになります。
検索流入を増やすためには、ユーザーが検索するキーワードを理解し、実際の検索ニーズに合わせた対策が必要です。広告とは異なり、長期的な効果が期待できるのも特徴でしょう。
5. インフルエンサーマーケティング
YouTuberやストリーマーなどのインフルエンサーと連携し、ゲームの魅力を発信してもらう手法です。
信頼性のある人物が紹介することで、視聴者の興味を引きやすく、実際のプレイシーンを見せることでダウンロードへの導線を作ることができます。
フォロワーの属性が自社のターゲットと一致していれば、より高い効果が得られるでしょう。インフルエンサーの選定と企画内容の工夫が成功の鍵となります。
6. テレビCM
テレビCMは、短時間で多くの人にリーチできる大規模なプロモーション手段です。
特に全国放送の場合、幅広い年齢層や地域にアプローチ可能で、知名度の向上に効果があります。
近年では放送と同時にSNSやYouTubeなどに連動した展開を行うことも一般的で、クロスメディア戦略としても活用できます。
制作コストや放映料は高額ですが、その分、大きな話題を呼ぶ可能性を秘めています。
7. プレスリリース
ゲームのリリース情報やアップデート内容、新イベント開催などをメディアに知らせる手段として、プレスリリースの配信があります。
主にゲーム関連メディアやニュースサイトに掲載されることを目的とし、信頼性のある情報源として認識される点が強みです。
記者の目に留まるように、情報の新しさや話題性を意識した構成にすることが重要です。定期的に情報を発信することで、ブランドの信頼感も高まるでしょう。
8. リアルプロモーション
イベント会場や商業施設など、実際の場所を活用して行うリアルプロモーションは、ゲームの世界観を体験として届けることができる手法です。
限定ノベルティの配布やポップアップストアの開催など、ユーザーの五感に訴えることで強い印象を残せます。
参加者同士の交流やSNS投稿の促進にもつながり、オンラインでは得られない体験価値を提供できます。
9. Web広告
Web広告は、検索エンジンやSNS、動画サイト、アプリ内などで表示されるオンライン広告の総称です。
ユーザーの年齢、性別、興味関心に合わせて細かくターゲティングできるため、効率よく情報を届けられます。
バナー広告、リワード広告、ネイティブ広告など種類も多く、目的や予算に応じた運用が可能です。効果測定もしやすく、改善を重ねながら精度を高められる点も魅力です。
10. 事前登録プロモーション
正式リリース前にユーザーの関心を集める手段として、事前登録プロモーションは非常に有効です。
登録者数に応じてゲーム内報酬を提供する形式が一般的で、SNSやアプリストアを通じて事前の話題づくりを行います。
ゲームへの期待感を高め、リリース初日に多くのダウンロードを促すことができます。また、登録者のデータをもとに今後のマーケティング施策にも活用できるでしょう。
ゲームプロモーションの成功事例4選
ここからは、ゲームプロモーションの成功事例を紹介します。
1. ラグナロクオンライン|SNS投票キャンペーン
人気オンラインゲーム「ラグナロクオンライン」では、新たに実装された職業「拡張4次職」の認知拡大を目的としたSNS投票キャンペーンを実施しました。
現役ユーザーだけでなく、かつてプレイしていた休眠ユーザーにもアプローチする内容となっており、Xを活用した拡散力の高い仕組みが特徴です。
キャンペーンでは、公式アカウントのフォローと、好きな職業を選んでポストするだけで応募完了となる手軽な参加方法が採用されました。
さらに、賞品にはゲーム内で使えるアイテムに加え、ファン心をくすぐる等身大ぬいぐるみを用意。顧客体験の質を高め、エンゲージメントの強化を図っています。
特設ページには「今すぐ遊ぶ」「ログイン」などの行動喚起ボタンが配置され、新規ユーザーと既存ユーザーの両方に対して、次のアクションを促す設計も効果的です。
2. 超探偵事件簿 レインコード|屋外広告連動キャンペーン

出典:4Gamer.net
『超探偵事件簿 レインコード』では、ゲームの世界観と親和性の高い「謎解き」を活用したプロモーション施策を展開しました。
東京都内8駅12カ所に掲示された屋外広告に暗号を忍ばせ、すべての暗号を解読して正解にたどり着いたユーザーに、ゲームキャラクターの目覚ましボイスをプレゼントする内容です。
本キャンペーンの狙いは、ユーザーにゲームの推理要素を実体験として味わってもらうことにあります。屋外広告とデジタル要素を組み合わせた体験型プロモーションは、ゲームファンの没入感を高め、作品への愛着や話題性を作るのに効果的です。
オンラインとオフラインをうまく融合させ、エンタメ性と参加意欲を引き出す要素をうまく組み込んだ魅力的なプロモーション事例といえます。
3. コトダマ勇者|SNS動画広告
スマートフォン向けゲーム『名前でたたかうRPG コトダマ勇者』では、ゲームの最大の特徴である「名前によってキャラクターの能力や職業が変化する」という独自性を活かし、プロモーションビデオ(PV)を通じてその魅力を伝える施策を展開しました。
このPVでは、名前を入力することでまったく異なるキャラが誕生するという要素を前面に打ち出し、プレイヤーが感じるワクワク感や意外性を視覚的かつ音声的に表現しています。
静止画では伝えきれない操作方法やゲームのテンポ感、演出の雰囲気などを動画で補うことで、初見ユーザーの理解と興味を高める狙いがあります。
4. ガーデンスケイプ|プレイアブル広告

出典:ガーデンスケイプ (Gardenscapes)
『ガーデンスケイプ』は、パズルを解きながら庭を改装していくスマートフォン向けゲームです。
新規ユーザーの獲得を目的として、ゲーム内容の一部を実際に体験できる「プレイアブル広告」を活用したプロモーションを展開しました。
広告では、壊れた椅子やホースを修理しながら庭を改造していく流れを再現。ユーザーはアプリをダウンロードしなくても、その場で操作体験ができるため、ゲームの魅力や操作感を直感的に理解することができます。
実際に行われたテストでは、Instagramのストーリーズ広告やダイナミック広告と比較して、インストール単価(CPI)を約50%削減することに成功しました。広告効果を数値で確認できる点も、プレイアブル広告の強みです。
まとめ
ゲームプロモーションは、単に認知を広げるだけでなく、ユーザーとの最初の接点をつくり、ゲームの魅力を体験として届ける大切な役割を担っています。
限られた予算と時間の中で最大の効果を出すためには、自社に合った戦略的な設計が欠かせません。
OWNLYでは、SNSキャンペーンの設計や体験型プロモーションの企画運用まで、幅広い手法に対応しています。実績豊富なチームが、プロモーション設計から実行までワンストップでサポートいたします。ゲームの魅力を正しく、効果的に届けたい方は、ぜひOWNLYにご相談ください。