近年、駅構内やビルボードなどの屋外や、飲食店やクリニックなど幅広い場所において、デジタルサイネージ広告が活用されています。
動画による訴求力の高さや、柔軟にコンテンツを切り替えられる自由度の高さなどさまざまなメリットがあります。
「デジタルサイネージ広告の効果は?」「サイネージ広告を出稿する料金相場を知りたい」とお考えの方もいるのではないでしょうか。
本記事では、デジタルサイネージ広告の概要や種類、活用例、料金相場などを詳しく解説するので、ぜひ参考にしてください。
デジタルサイネージ広告とは?
デジタルサイネージ広告とは、電子POPや液晶ディスプレイ、LEDディスプレイなどに映し出す広告のことを指します。
音声や動画で視聴でき、通りがかる人に応じてターゲティングも行えるのが特長です。駅構内やビルボードなどの屋外や、公共交通機関、商業施設などさまざまな場所に設置できます。
デジタルサイネージ広告は、主に以下のような目的で活用されます。
- 商品・サービスの認知拡大
- ブランディング
- 販売・来店促進
- エンタメ
- 案内
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近年、デジタルサイネージ広告の市場規模は成長しており、2025年には1,083億円に到達すると予測されています。
実際に、あらゆる場所でデジタルサイネージを見かける機会は増えており、今後も市場成長が見込まれるといえるでしょう。
デジタルサイネージ広告の種類
デジタルサイネージ広告は、以下の種類があります。
ここでは、それぞれの種類について解説します。
オフライン型
オフライン型とは、インターネットに接続せずに広告を配信するタイプのデジタルサイネージ広告です。
スタンドアロン型とも呼ばれ、USBやSDカードを使用して情報を映し出すことができます。
インターネット回線が不要で、特別な技術や設定なしで配信できるため、初めて導入する企業でも扱いやすいのが特徴です。
ただし、配信コンテンツを切り替えるにはUSBやSDカードを交換する必要があるので、頻繁に更新したい場合には不向きと言えます。
オンライン型
オンライン型とは、インターネットに接続して広告を配信するタイプのデジタルサイネージ広告です。クラウド型やネットワーク型とも呼ばれます。
遠隔で操作でき、現場に行かずに社外からコンテンツを切り替えられるため、運用効率がよいといえるでしょう。
ただし、インターネット回線が必要になるので、オフライン型と比べてコストがかかる点に注意が必要です。
インタラクティブ型
インタラクティブ型は、タッチパネルやモーションセンサーなどの機能が備わったデジタルサイネージ広告です。
タッチパネルを操作できるため、駅構内や商業施設の案内や、店舗の注文パネルとして活用されるケースが多いでしょう。
また、インタラクティブ型はオンライン型でもあるので、ユーザーが操作したデータを閲覧・保管することも可能です。
ただし、一般的なオンライン型に比べてコストは割高になります。
デジタルサイネージ広告のメリット
デジタルサイネージ広告には以下のようなメリットがあります。
- 音声や動画によってインパクトを残せる
- 設置場所に応じたターゲットに訴求できる
- コンテンツの自由度が高い
ここでは、それぞれのメリットについて解説します。
音声や動画によってインパクトを残せる
デジタルサイネージ広告は、音声や動画などでインパクトを残しやすいメリットがあります。
ポスターなどの静止画よりも強い印象を与えられるので、ターゲットの目に入りやすく、記憶に残しやすいといえるでしょう。
動画だけでなく音声をつければ、視覚と聴覚の両方で訴求が可能になります。
設置場所に応じたターゲットに訴求できる
デジタルサイネージ広告は、設置場所のターゲットに適したコンテンツを配信できる点もメリットです。
テレビやラジオCMなど不特定多数に向けた広告に比べて、細かくターゲティングしやすいといえるでしょう。
たとえば、公共交通機関なら通勤・通学する人や観光客、高層マンションなら富裕層、ネイルサロンなら女性などがターゲットとなります。
設置場所からターゲットが想定できるので、効果的な広告配信が期待できるでしょう。
コンテンツの自由度が高い
デジタルサイネージ広告は、片手におさまる電子POPから、ビルボードなどの大型ビジョンまでさまざまな大きさがあります。
屋内・屋外のどちらも設置できたり、静止画や音声、動画を組み合わせたりと、コンテンツの自由度が高いことも特長です。
タッチパネルを使ってコミュニケーションを取れるものを使えば、よりコンテンツの幅を広げられるでしょう。
また、オンライン型のデジタルサイネージ広告なら、遠隔操作によってコンテンツを切り替えられるので、時間帯に応じて臨機応変に切り替えるのもおすすめです。
デジタルサイネージ広告のデメリット
デジタルサイネージ広告には多くのメリットがありますが、以下のようなデメリットも考えられます。デメリットを把握した上で導入を検討しましょう。
それぞれのデメリットについて解説します。
制作コストがかかる
デジタルサイネージ広告は、動画や音声などを組み合わせて映像を作るため、制作コストが高くなります。
費用が高額でもデジタルサイネージ広告を活用するメリットは大きいものの、費用対効果や自社の予算などをふまえて、慎重に検討しましょう。
また、初期の導入コストやランニングコストについて考慮することも大切です。
故障のリスクがある
デジタルサイネージ広告は、ディスプレイが故障したり、インターネット回線の不具合によって上手く表示されなかったりするケースが考えられます。
万が一の事態が発生した場合に備えて、対策を用意しておくといいでしょう。
デジタルサイネージ広告の活用例
デジタルサイネージ広告は、以下のような場において活用できます。
- 駅構内
- 電車内
- 商業施設
- 待合室
- タクシー
- ビルボード
それぞれの活用例を詳しく見ていきましょう。
駅構内
駅構内では、壁や柱などにデジタルサイネージ広告を設置できます。
以前までは、ポスターや看板などアナログなものが主流でしたが、デジタルサイネージ広告にすることで、短時間でもより強い印象を与えることが可能です。
通勤・通学中のビジネスマンや学生、旅行中の観光客など、時間帯や場所に応じて適したターゲット層に配信するのが適しています。
電車内
電車の乗車口や窓の上部にある画面上にデジタルサイネージ広告を出稿することも可能です。
駅構内と同様に、ほぼ毎日利用する学生や社会人がターゲットとなります。
路線や地域によっても利用者層は異なるので、エリアを考慮してターゲティングできます。
商業施設
大型ショッピングモールの壁や柱にデジタルサイネージ広告を設置するケースも主流です。
施設を利用する消費者をターゲットにするのが基本ですが、施設の立地によっては幅広い層にアプローチしやすいといえます。
たとえば、学校に近い施設なら学生、オフィス街に近い施設なら社会人がターゲットとなるでしょう。
時間帯や場所によっても利用する層は異なるので、コンテンツを切り替えるのが効果的です。
待合室
病院や銀行、美容クリニックなどの待合室にデジタルサイネージ広告を設置できます。
銀行であれば、自社で取り扱っている商品を宣伝したり、病院であればニュースや天気予報、テレビ番組などを配信して快適に過ごしてもらう工夫ができるでしょう。
また、美容クリニックなら、施術メニューや取り扱う商品の宣伝も有効です。
タクシー
タクシーにデジタルサイネージ広告を設置するケースも増加しています。
タクシーの場合は、運転席や助手席の背もたれの裏側に機器が設置され、乗客の目に留まりやすく見てもらえる可能性が高いといえるでしょう。
車内は騒音などで遮られず、長時間滞在するケースが多いため、魅力的なコンテンツを配信すれば最後まで見てもらえる可能性が高まります。
経営者や富裕層、ビジネスパーソンなどをターゲットにしたい場合に適しています。
ビルボード
屋外の大型ビジョンなどを活用したビルボードは幅広い層に訴求できます。
交差点のビルボードであれば、信号待ちの人の目に留まりやすく、見た人の印象に残りやすいのが特長です。
繁華街などであれば、お得な買い物情報や商品情報を記載することで、購買や集客につながる可能性が高まるでしょう。
デジタルサイネージ広告の料金相場
デジタルサイネージ広告の料金相場は、数万~数十万円と幅があります。
ディスプレイや機器、システムの導入費用の相場は以下です。
- ディスプレイ(屋内):10~30万円
- ディスプレイ(屋外):50~300万
- 再生機器(USB等):1,000~5,000円
- 再生機器(STB):3~20万
- 管理システム:数千~1万円/月額
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サイズや機器のクオリティによっても異なり、工事費用やコンテンツ制作費用なども上記から上乗せされると考えておきましょう。
導入の初期費用だけでなく、CMSなどのランニングコストも考慮して事前に予算を検討しておくことをおすすめします。
まとめ
デジタルサイネージ広告は、音声や動画を使って訴求できるので、より多くの人に情報を伝えたい、強いインパクトを与えたい場合に効果的です。
駅構内や電車内、商業施設、ビルボードなどあらゆる場所に設置・出稿できるため、目的やターゲットに合わせて最適な設置場所を検討しましょう。
また、タッチパネルやモーションパネルなどがあれば消費者とのコミュニケーションを取ったり、効果測定をおこなったりできます。
デジタルサイネージ広告を上手く活用し、自社に合ったPRや販促をおこないましょう。