2020年8月に日本でもリリースされたInstagramの新機能「リール」。
動画のほうが訴求できる、バズりやすい、などと言われ興味を持っている人も多いのではないでしょうか。
いっぽうで、動画は難しそう、何を投稿していいか分からないといった理由から、興味があっても躊躇しがちな機能でもあります。また企業公式による活用事例はまだ少なく、活用イメージが湧きづらいと感じているかもしれません。
そこで、企業公式のアカウントでも「リール」を取り入れやすいアイディアをピックアップしてみました。難易度と共にご紹介します。
目次
Instagramのリールとは?
そもそもリールとは何なのか、よく分からない人も多いと思います。
簡単にご紹介すると、リールとは「15秒または30秒の短尺動画」を作成・共有できるサービスです。
リールはテンポ良く視聴できるので、スキマ時間でついつい見てしまいます。一本をじっくりというより、次々と効率よくコンテンツを探すもので、コンテンツが溢れる今の時代に合ったスタイルと言えるでしょう。
Instagramのリールをなぜ企業が活用すべき?
Instagramのリールはなぜ企業が活用するべきなのでしょうか。主な理由は2つあります。
リールはフォロワー以外にもアプローチしやすい
1つめの理由は、リールはフォロワー外のユーザーに見てもらいやすいことです。
リールは通常のフィード投稿のようにタイムラインに表示されるのに加えて、ユーザー毎に最適化されたオススメ投稿が見つかる発見タブ、そして昨年新しく追加されたリールの専用タブにも表示されます。
縦長で動画であるリールは発見タブで目立ちます。リール専用タブでは、オススメリールがフォロー・非フォローに関わらず表示されますので、フォローしていない新たなアカウントとの出会いにも繋がります。
つまりリールをやっておいたほうが、新たなフォロワーとの出会いが増えるということです。
Instagramのリールはバズりやすい
2つめの理由は、リールはバズりやすいことです。
先ほど述べたように、リールには専用タブがあり、フォロー・非フォロー関係なく閲覧されます。投稿が少なかったり他の投稿が微妙だったりしても、1つのリールさえ良ければ、たくさん再生される可能性があるのです。
また、リールは専用タブが作られるほどに、Instagramが今一番推している機能です。今までの経験からも、新機能はリリースからしばらくは、リーチが伸びやすい傾向があります。Instagramとしても、満を持して公開した新機能は使ってほしいのでしょう。
実際リールを投稿してみたところ、フォロワー100人のアカウントでも、リールは1日で1000回以上再生されました。そもそもリールはフォロワー外にもリーチしやすい機能ですが、今は特に伸びやすいよう調整されている可能性もあります。
よって、Instagramを伸ばしたいなら、今すぐリールを使うべきです。とはいっても、何を投稿していいか分からないと思うので、企業アカウントで投稿しやすそうなアイディアを集めてみました。
以下の資料では、Instagramを活用してネット上で話題化するための具体的な9つのポイントを解説しています。Instagramを活用して、自社のマーケティングに役立てる方法を紹介しています。
Instagramのリールがユーザーに届く仕組みと要素
Instagramのリールを効果的にユーザーに届けるために、いくつかの仕組みと要素について知っておきましょう。
ここでは、Instagramのリールがユーザーに届く仕組みと要素を解説します。
ユーザーがリールを見れる場所2つ
Instagramのリールは、主に以下の2つを通じてユーザーに表示されます。
- リール専用タブ
- 発見タブ
リール動画をより多くのユーザーに表示させるために、「必要な要素」と「避けるべき要素」があります。
以下で、それぞれの要素について解説します。
リール動画で必要な要素6つ
Instagramのリールをユーザーに届けるために必要な要素には、以下の6つがあります。
|
つまり、「縦画面で撮影し、音楽やエフェクトのついた、Instagramでブームが起こるような面白くて楽しい動画」が推奨されているということです。
リール動画で避けるべき要素4つ
一方で、以下の要素が含まれている動画は、リールでおすすめ表示されにくくなります。
|
別のSNSで投稿された動画を再投稿したり、アプリのロゴや透かしが入っていたりすると、リールに表示されにくくなります。
他SNSに投稿されていないオリジナルコンテンツを投稿することが大切です。
企業アカウントで使えるリールの使い方4つ|難易度別
難易度★☆☆:ハウツーを紹介
ハウツーとリールはとても相性の良い組み合わせです。
通常投稿でもハウツー系は人気が伸ばしやすいのですが、短尺動画だとよりサクサク紹介でき、見られるコンテンツが作りやすくなります。
また、静止画での紹介が難しいテーマは特にリールの活用がオススメです。
トレンド服を安価で提供するブランド、神戸レタスでは、マフラーの巻き方を説明するリールを投稿しました。巻き方説明だけでなく、巻いた後形を整えるところを見せている点が参考になります。また、ただ撮影するだけでなく、引きのカットと寄せたカットを切替しながら説明することで、非常に見やすい動画になっています。
https://www.instagram.com/reel/CGzT1laANLY/
ところで、ハウツーにも色々あり、説明や解説を行うものばかりではありません。会社やお店で準備を行っている様子を見せるだけでも、興味深いコンテンツが作れる場合もあります。
都内のラグジュアリーホテル、ホテル椿山荘東京では、朝食のオムレツを作っている様子をリールで紹介しました。オムレツがきれいにまかれていく様子は見ていて気持ち良いですね。自分もこんなオムレツを作ってみたいと考える人も多く、たくさん再生されています。
https://www.instagram.com/reel/CL3shHPhLgE/
難易度★☆☆:ツアー・体験
ホテルや旅館、アクティビティなど、体験に価値がある商材の場合はリールを使った疑似体験が有効です。
こちらは企業ではなく個人の方によるものですが、福岡県の旅館で食べる最高の朝食体験を伝えるリールです。
扉を開けると船が待機しており、乗り込むとゆっくり出発します。船の上で頂くシンプルなおにぎりは、まさに最高の朝食!文化財である旅館のゆったりした空気感や、最高の朝食がおにぎりであるという”意外性”がよく表現されています。
https://www.instagram.com/reel/CNgWj4lnQWn/
体験以外にも、道案内などの場所紹介も、リールの得意分野です。
たとえばポップアップストアや催事に出店するときは、リールで行き方を紹介すると親切です。リールならストアへの道案内も、楽しく紹介できます。
資生堂は、海外の消費者も見ているInstagramアカウントで、ストアへの行き方を紹介しています。土地勘のない人にも分かりやすいので、まさにフォロワーファーストなコンテンツです。
https://www.instagram.com/reel/CEI2S9GBAop/
難易度★★☆:商品の魅力を表現
商品紹介は、企業公式アカウント投稿の代表です。
動画のほうが魅力が伝わりやすい場合も、リールの使用が有効なケースも多くあります。
企業アカウントには欠かせない商品紹介ですが、リールで商品紹介をする場合は少しコツがあります。「紹介する商品は1投稿1点」「アピールポイントも1~2点に絞る」ことです。
リールは尺が短く、また一時停止せずに閲覧されます。さらっと見ても内容が理解できるようにしましょう。
石鹸でオフできる化粧品で人気のETVOSは、クリアソープバーの紹介をリールで行いました。編集は速度調整くらいで、石鹸を泡立てるだけのシンプルな動画です。しかしみるみる内にきめ細かい泡ができていく様子は見ていて爽快感があり、たくさん再生されています。
https://www.instagram.com/reel/CNKadV-JaqC/
文具でおなじみのコクヨは、各商品のこだわりを紹介するInstagramアカウント「コクヨのぶんぐ」を運営しています。ノートやバインダーなどの文房具は普段何気なく使うもので、それぞれの良さを改めて考える機会は少ないですよね。
しかしこのアカウントでは、そんな何気ない商品のこだわりを紹介しているのが面白いところです。このリールで紹介しているのはシンプルなポーチなのですが、便利なポイントを絞って紹介していることで、その便利さ・良さが伝わる動画になっています。
https://www.instagram.com/reel/CLD-G1XpFOx/
難易度★★★:観て楽しいミーム系
短尺動画であるリールは、じっくり見るというより、さらっと楽しく眺めるのに向いています。スピーディな展開や、音楽の効果を利用して、爽快感のある動画は特に伸びやすいです。
こうしたリールの特徴を活かすコンテンツを作ることが出来れば、一気に再生数が伸びる可能性もあります。
エイジレスでアイデンティティを失わない全ての女性の為のブランド、riendaでは、同じ上着を色んなコーデに合わせるリールを投稿しました。しかしただコーデを映すだけではありません。
先に着た人が上着を投げる→別の人がそれを受け取って着る→更に次の人に上着を投げる→……とループするような構成になっています。このような動画は、見ているだけで楽しいですよね。
https://www.instagram.com/reel/CIp_qjPjAkV/
こうしたスタイルのリールにはひらめきと編集を要するため、少し難易度は高くなります。しかし上手くいけば、多くの人に気に入ってもらい、”バズる”リールになる可能性も高いです。
また先日はリールの新機能として、好きなリール動画とコラボできる「リミックス」ができるようになりました。(参考:https://about.fb.com/ja/news/2021/04/remixtool/)企業公式からキャッチ―で真似したくなるリールを投稿すれば、多くの人がコラボして、大きく話題化できるかもしれません。夢のある機能ですね。
以下の資料では、Instagramを活用してネット上で話題化するための具体的な9つのポイントを解説しています。Instagramを活用して、自社のマーケティングに役立てる方法を紹介しています。
再生されるリールづくりのポイント
多くのリール投稿を見ていると、「フォロワーが多いアカウントなのにあまり伸びない」リールがある一方で、「フォロワーは少ないのに、たくさん再生されている」リールがあることに気づきます。
今回多くのリールを閲覧して発見した、伸びるリールの特徴は2点です。
スピーディな展開が人気
1つは、スピーディでテンポが良いこと。のんびりした動画よりも、内容がすぐに把握できるスピーディな展開が人気です。
リールをInstagramアプリで撮影する場合、速度を簡単に変えられます。動きがゆっくりしている動画を取る場合は、ぜひ速度を調整しましょう。
内容を絞って分かりやすく
2つ目は、内容が分かりやすいこと。たとえばアパレルブランドが洋服を紹介する場合、春の新作を次々紹介しているリールよりも、同じトップスの着回しバリエーションを紹介するリールや、同じワンピースを色んな身長の人が着用して丈感を紹介するリールのほうが、断然再生数が伸びます。
まとめ
動画づくり、というと難しく感じますが、実はリールは簡単です。
じっと眺めていたくなる瞬間を、15秒に切り取るだけで良いコンテンツが作れます。たとえば、動物の赤ちゃんや、高速でたこ焼きがひっくり返される様子のように、ずっと見ていられるものってありますよね。
そんなじっと眺めていたくなる瞬間は、実は身近に隠れています。
本記事で解説した、下記のポイントを参考に考えてみましょう。
- 何気ないハウツーを紹介
- ツアーや体験
- 商品の魅力的なポイント
どんな企業でも、リールの材料になるものはきっと見つかるでしょう。
日本でのリリースからまだ1年足らずのリールは、まだ企業アカウントによる活用は少ない状況です。競合が少ない今だからこそ、リールを取り入れてみてはいかがでしょうか。
リールを取り入れたInstagram運用をしてみたいが、どうしていいか具体的なアドバイスが欲しい方は、是非弊社にご相談ください。