長年愛される「湖池屋ポテトチップス のり塩」をはじめ、「カラムーチョ」「ポリンキー」「湖池屋プライドポテト」を含むさまざまなスナック菓子を発売している株式会社湖池屋に、マーケティング方針やSNSマーケティングツール「OWNLY」を活用したSNS戦略についてお話を聞きました。
導入の決め手 |
- バズを狙いたい、認知だけを拡大させたいだけでなく、お客さんに近づき、愛着を持ってもらうために、手元にある全てのものをどのように生かすかを考えると、SNSを横断して利用できるOWNLYが適していると感じました。
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導入後の効果 |
- フォロワーを100万以上まで増やしたため、営業活動の際にSNSでの情報拡散をする提案ができるようになり、Twitterアカウントがセールスポイントの1つになっている
- SNSキャンペーンを実施した際に「パッケージを見て購入しました」といった写真付きの投稿が多く寄せられ、SNS起点で売り場が動いていることが分かる
- 可視化した客様の声(UGC)を商品に関わっている担当者に共有し、商品開発とプロモーションのヒントになっている
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お客様との接点を持ちながら商品を広めるためにSNS運用開始
— 貴社の事業概要を教えていただけますか?
堀崎氏:湖池屋はポテトチップスの量産化に日本で初めて成功した会社として、長年愛される「湖池屋ポテトチップス のり塩」をはじめ、「カラムーチョ」「ポリンキー」を含むさまざまなスナック菓子を発売しました。2016年には佐藤 章が社長に就任し、「湖池屋プライドポテト」など高い付加価値を訴求する商品の展開に力を入れ、「食でくらしをゆたかに。」をテーマに掲げ、スナック菓子の領域を広げていくことに注力しています。
60年以上愛され続けている
「湖池屋ポテトチップス のり塩」
新生湖池屋を象徴する
「湖池屋プライドポテト」
— 貴社がTwitterに注力するようになったきっかけはなんですか?
堀崎氏:最初はお客様とコミュニケーションを図るためにTwitterアカウントを開設しました。2012年、湖池屋ポテトチップスの50周年を盛り上げるために、キャラクター公募が行われ、「ムッシュ・コイケヤ」が選ばれました。Twitterを通じてフォロワーと会話をしながら、地道にファンを増やしました。その後、もうひとつの公式アカウントも新商品認知拡大を目的に開設しました。
2017年に湖池屋がリブランディングを行い、フラッグシップ商品である「湖池屋プライドポテト」を発売した頃からSNSに可能性を感じ、Twitterに注力して取り組みを始めました。限られたプロモーション予算の中で、SNSはテレビCMの効果を最大化するための補完的な役割を果たしていました。お客様との接点を持ちながら、情報を広め、認知度向上につなげるために、積極的な運用を行っていました。
この2〜3年間で、「SNS」起点のPRというワードが若い世代の社員から頻繁に耳にするようになり、商談の際にもSNSの話がよくでてくるようになりました。会社の考え方やマーケティング方針も、以前よりもSNSに重きを置いてきています。
(左)株式会社湖池屋 広報部 堀崎様
(右)株式会社湖池屋 広報部 池田様
— 貴社はTwitterのほか、FacebookとLINEも展開しておられますが、各SNS公式アカウントの使い分けについて教えてください。
池田氏:Twitterアカウントは2つ運用しています。公式アカウント(@koikeya_cp)は新商品などの認知度向上の目的で使用し、主にキャンペーンを実施しています。もう1つは「ムッシュ・コイケヤ」(@MonsieurKoikeya)というキャラクターが担当しております。
公式アカウントはキャンペーンを通してお客様と交流していますが、ムッシュ・コイケヤはお客様ともっと密なコミュニケーションを取っています。2013年から広告を一切使わずに、定期的な投稿とお客様からのリプライ一つ一つに丁寧に返信をしているおかげで、ロイヤリティの高いファンが多くいらっしゃいます。
Facebookは、他のSNSと比べてユーザーの年齢層が高い傾向がありますが、できたてを味わえる「湖池屋工場直送便」など高付加価値商品に興味を持っていただける層が多いです。こちらでは主にEC限定商品の告知を投稿しています。
Instagramは情報を蓄積する場として活用しています。他のSNSでは新商品情報などは簡潔な文章にしていますが、こちらではあえて読み応えのあるプラスαの情報を入れて投稿しています。
また、オンラインショップの会員向けにはLINE公式アカウントも運用しています。
夢はのり塩パッケージ表にのること
コイケヤポテトチップスの公式キャラクター「ムッシュ・コイケヤ」
商品ごとの背景をふまえた上で最適な施策を選定
— キャンペーンを開催することによって、フォロワーの増加や売上、話題性の向上など、良い効果がありましたか?
堀崎氏:Twitterのフォロワーが100万人※を超えたことで、営業活動の際にSNSでの情報拡散をする提案ができるようになりました。また、取引先のアカウントと一緒にキャンペーンを開催するなどの活動も行っており、Twitterアカウントがセールスポイントの1つになっていると実感しています。
人間は商品を複数回目にすることで初めて認知して、購入の意欲を高めるものと言われています。SNSはその側面からプッシュする効果があります。TVCM放映と連動しキャンペーンを実施したり、店頭でパッケージを見ていただくことで、湖池屋というブランドを意識していただけるようになります。
特に2017年2月に湖池屋プライドポテトを発売した際には、SNSの動き方が明らかに違うと感じました。キャンペーンを実施した際に「パッケージを見て購入しました!」といった写真付きの投稿が多く寄せられ、SNS起点で売り場が動いていると実感しました。
SNS上の口コミを通して「湖池屋プライドポテト」を知り、購入してくださった方々が多かった印象です。今後は徐々にSNS上のUGCを増やしていく予定です。また、SNSと実店舗の売上を直接的に結びつけることはまだ難しいため、今後はマストバイ施策やECストアへの誘導など、SNSの効果を可視化する取り組みも進めていきたいと考えています。
※インタビュー時点(2023/06/07)のフォロワー数です。
— 月に2回以上、Twitterキャンペーンを高い頻度で実施しておられますが、開催タイミングについて意識していることやマンネリ化対策はありますか?
池田氏:マンネリ化対策よりも、商品ブランドごとの特徴を考えた上で施策を企画しています。この商品がどのような目的で作られたのか、どのようなターゲットに届けたいのか、そしてどのような気持ちで食べてほしいのかをマーケティング部に聞き取りを行います。それに基づいて、最も効果的なアプローチの仕方を選定します。このようなプロセスを踏むことで、自然と色々なキャンペーンの方向性が生まれてきます。
—SNS施策の選定や、SNS運用で工夫していることを教えてください。
堀崎氏:お客様の声に向き合うために、UGCを毎日確認することが譲れないポイントです。お客様にとって自分事として捉え、自分のための商品だと思って選んでいただくことを第一に考えています。正解はお客様の中にあると思いながら、その考えに基づいて全ての施策を企画しています。
フォロー&リツイートとインスタントウィンの企画は拡散力があり、フォロワーを増やすのに効果的です。しかし、それに偏ってしまうと、キャンペーンに寄りすぎるユーザーが集まり、湖池屋ならではの情報を届けられなくなってしまうと考えています。今後も各商品ごとに適切な届け方を考えてやっていきたいと思っています。
仲間たちの思いが込められた商品は、湖池屋からお客様へのラブレターです。お客様が望む最高の形でラブレターを届けることは、広報部の私たちの仕事です。