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マンションを貸すメリット・デメリットを解説!貸出までの手続きや費用、税金はどうなるの?

転勤・住み替え・相続などで「住まないマンション」を所有した際、「マンションを貸す」という方法があります。

マンションを貸せば毎月家賃収入が入る上、いつか自分が住む選択肢もできます。「家賃をもらってマンションを維持できるなら、貸すのが一番!」と思う人も多いでしょう。

けれども、マンションを貸すのは簡単ではありません。

管理に手間と費用がかかって赤字になったり、入居者とトラブルになったりと、想像以上に大変な面が多くあります。場合によっては、貸すのではなく「売却」する方が向いている物件もあるでしょう。

今回は、マンションの貸出について解説します。

貸すための手順やメリット・デメリットはもちろん、貸出にかかる費用や税金についても詳しく説明します。

ぜひ参考にしていただき、賃貸経営について慎重に検討しましょう。

目次

マンションを貸すにはどうすればいいの?

「マンションを貸したいけど、なにから始めればいいのかわからない…」と悩む人が少なくありません。

初めてマンションを貸す人に向けて、賃貸経営を始める手順をわかりやすく説明します。

本当に貸すべきかどうかを確認する

マンションを貸す前にまず考えなければならないのが、「本当に貸すべきかどうか」という点です。

マンションを貸すと家賃収入が得られる反面、さまざまなデメリットがあります。

入念に収支のシミュレーションをしないと、賃貸経営が赤字になるケースも少なくありません。

そして一度貸してしまうと、「大変だから貸すのをやめよう」とは簡単にいかないことも認識する必要があります。

マンションを本当に貸すべきなのか、売却の方がいいのではないかなど、家族でしっかりと話し合いましょう。

家族間で意思確認をする際に注意すべきこと

家族間で意思確認をする際、以下のポイントについてはしっかりと話し合うことをおすすめします。

  • 入居者が見つからない場合、何ヶ月で売却に切り替えるのか
  • 入居者からクレームが来たときは、誰が対応するのか

空室期間が半年~1年と長期にわたると、借り手にとっては魅力的な物件ではないと考えられます。

入居者を募集し続けても見つかる可能性が低いのなら、どこかで見切りをつけて、売却に切り替える方が賢明です。

「空室期間が半年続いたら売却しよう」など、家族間で考えを共有しておきましょう。

また無事に入居者が決まった場合も、誰が入居者からのクレームを対応するのか決めておくのも大切です。

この点が曖昧だと家族同士で揉める原因になると同時に、入居者にとっても余計な混乱を招きかねません。

以上のポイントを含めてしっかりと話し合った上で、本当に貸すべきなのかを判断しましょう。

賃料の相場を調べる

マンションを貸すと決めたら、さっそく賃料の相場を調べましょう。

賃料相場は、査定サイトを活用するのがおすすめです。

中でも「マンション.navi」は、貸した場合の家賃相場だけでなく、売却価格の相場も調べられるのでとても便利です。

分譲マンションの家賃は賃貸用マンションと比べて、2割ほど高めに設定できます。

ペットOKの物件や、賃貸にはなかなかない4LDKなどの間取りにはさらに付加価値がついて、3~5割増くらいでも入居者が現れることも。

正確な収支計画をつくるためにも、家賃がいくらに設定できるのかを調べるのが重要です。

ローン返済を含めた収支計画をつくる

次に、マンションを貸すための収支計画をつくりましょう。

賃貸経営を行う上で「黒字にする(利益を出す)」ことは絶対条件です。

年間の家賃収入から、必要な経費(修繕費や管理費用など)を差し引いてプラスにならなければ、賃貸には向いていない物件だといえます。

項目1年目(A)2年目(B)3年目4年目5年目
収入家賃合計1,800,0001,800,0001,800,0001,800,0001,800,000
礼金150,0000000
更新料00150,0000150,000
収入合計1,950,0001,800,0001,950,0001,800,0001,950,000
支出固定資産税等125,000125,000125,000125,000125,000
管理費162,000162,000162,000162,000162,000
修繕積立費144,000144,000144,000144,000144,000
ローン返済額960,000960,000960,000960,000960,000
その他支出20,00020,00020,00020,00020,000
支出合計1,411,0001,411,0001,411,0001,411,0001,411,000
収支収支(年間)539,000389,000539,000389,000539,000
収支(月間)44,91732,41744,91732,41744,917
収支計画表

上記の表を例に考えてみましょう。

家賃15万円、ローン返済8万円で計算したものです。

空室期間なしの場合、礼金や更新料が入る年(A)はひと月に約44,000円、年間で約54万円の利益です。

礼金や更新料が入らない年(B)では、ひと月約32,000円、年間で約39万円の利益です。

もしも空室期間が4ヶ月発生すると・・・

項目(A)(B)
収入家賃合計(8ヶ月分)1,200,0001,200,000
礼金150,0000
更新料00
収入合計1,350,0001,200,000
支出固定資産税等125,000125,000
管理費162,000162,000
修繕積立費144,000144,000
ローン返済額960,000960,000
その他支出20,00020,000
支出合計1,411,0001,411,000
収支収支(年間)-61,000-211,000
収支(月間)-5,083-17,583
収支計画書(空室あり)

(A)の年はひと月に約5,100円の赤字、(B)の年は約17,500円の赤字です。

特に住宅ローン返済中のマンションは、もともとそれほど多くの利益は見込めません。

そのため少しの空室期間であっても、赤字になるリスクが大きいのです。

ローン返済を含めた上で収支計画をつくり、堅実な賃貸経営を目指しましょう。

不動産業者を探す

マンションを貸す場合、一般的には不動産業者に依頼して入居者を募集します。

そして、入居者が決まればマンションの管理も業者に任せるケースが多いです。

そのため、どの不動産業者を選ぶかはとても重要になってきます。

経験不足な業者だと空室期間が長く続いたり、入居者トラブルにうまく対処してくれなかったりと、さまざまな問題が起こる恐れがあります。

ネット上の評判だけでなく、実際に複数の業者と話してみてから比較しましょう。

入居者を募集する

業者に依頼すると、入居者募集に関する必要な業務は代行してくれるので、大家がやることはあまりありません。

一般的には、物件の写真・物件情報が記載された「マイソク」やホームページなどを活用して、宣伝活動を行います。

マイソクを作成するにあたって、大家だけが知っている宣伝に有効な情報があれば、業者へ伝えましょう。

マイソクとは?

参照:マイソクとは?マイソクを全面的に解説

「マイソク」とは、入居者を募集する際に使う広告のこと。

入居者を募集するためのとても重要なアイテムで、マイソクの出来によって空室期間が左右されるといっても過言ではありません。

マイソクを作るポイント

もし業者に依頼してもなかなか入居者が決まらない場合、大家自身が魅力的なマイソクを作るのも一つの手です。

作成のポイントは、以下の3つ。

  • マンションの外観や内装の「見栄えのいい写真」を使う
  • 部屋のアピールポイントを効果的に強調する
  • 初期費用や家賃を目立つところに記載する

部屋を決める際、多くの人は「部屋はきれいか」「間取りや設備は好みに合うか」「初期費用や家賃が予算内であるか」などを気にします。

借り手側が知りたい情報を網羅しつつ、魅力的に見せるデザインやキャッチコピーを用いるのが重要です。

家賃設定のポイント

入居者募集にあたっては、家賃設定も重要なポイント。

大前提として、「どのくらいの家賃収入があれば、賃貸経営を健全に行えるか」を考える必要があります。

もちろん家賃が安ければ安いほど入居者が見つかる可能性は上がりますが、長期的にみて利益が出ないのであれば、売却も検討するのが賢明です。

次に、築年数や間取り・周辺の環境などを考慮します。

近隣の家賃相場を調べてみるとわかりやすいので、「マンション.navi」などを活用するのがおすすめです。

分譲マンションは賃貸用マンションと比べて、2割ほど高い家賃に設定できます。

貸し出すマンションの付加価値を改めて考えて、家賃に反映しましょう。

審査後、賃貸契約を結ぶ

入居希望者が現れたら審査を行い、賃貸契約を結びます。

近年は大家が入居審査を行うことは少なく、保証会社が審査するケースが多いです。

保証会社と管理会社が問題ないと判断した入居者なら、ある程度安心して入居させられるでしょう。

しかし、最終的な決定権は大家にあります。

自分で審査しないと不安な人は、自身でじっくりと判断するとよいでしょう。

審査終了後、正式に賃貸契約を結ぶ際も大家は基本的には同席しません。

業者が用意した書類に署名捺印すれば、ほかの専門的な業務は代行してくれますので安心です。

その後の入居者対応について

マンションを貸し出すと、「入居者対応」をしなければなりません。

よくあるトラブルから無茶苦茶なクレームまで、さまざまな問い合わせが予測できないタイミングでくるようになります。

すべての入居者対応を大家だけが行うと、心身ともに疲れ果ててしまうかもしれません。

そのため、専門的な知識と経験がある管理会社に依頼するのが賢明でしょう。

しかし管理会社に依頼するとなると、管理費用(経費)が発生します。

収支をシミュレーションする際、管理会社へ支払う費用もしっかりと含めて計算しましょう。

マンションを貸すときのメリット・デメリット

次に、マンションを貸すときのメリットとデメリットを解説します。

「今は使わないからとりあえず貸しておこう」といった安易な気持ちで始めると、予想以上の大変さに後悔するケースも少なくありません。

メリットとデメリットをきちんと理解した上で、マンションを貸し出しましょう。

毎月の家賃収入が得られる

マンションを貸す最大のメリットは、毎月家賃収入が得られることです。

通常、不動産業者を探すところから正式な入居者が決まるまでは、さまざまな手間と時間がかかります。

けれども一度入居してしまえば、当面の間安定して家賃収入が得られるようになります。

マンションを売却するとまとまった収入が得られますが、少しずつでも毎月副収入が欲しい人には、賃貸経営が向いているでしょう。

物件を手放すことなく維持できる

マンションを手放すことなく維持できるのも、賃貸経営の魅力です。

「海外転勤などでしばらく住めなくなるけど、いずれは戻ってまた住みたい」という人もいるでしょう。

しかし住宅ローンのないマンションならともかく、住宅ローンを返済しながらもうひとつ家を借りるとなると、経済的な負担はとても大きいです。

誰にも貸さずにまた住むまで維持し続けるのは、よほど安定した高収入がない限り難しいかもしれません。

一方、マンションを貸せば毎月家賃収入が入るため、住宅ローン返済に当てられます。

賃貸経営がうまくいけば、マンションを手放すことなく効率的に維持できるでしょう。

空室による赤字リスクがある

賃貸経営で一番怖いのが、「空室」による赤字のリスクです。

入居者がなかなか決まらなくてマンションの空室が続くと、その間家賃収入は一切ありません。

ただし、管理費用などの経費はかかり続けます。

入居者が入れ替わるタイミングの一時的な空室は、どの物件にも起こり得ることですが、長期的な空室となれば賃貸経営は赤字になる一方です。

特に、住宅ローンが残っているマンションであれば、空室期間は死活問題。

空室による赤字リスクを想定した上で、「貸すのか売るのか」を検討する必要があるでしょう。

入居者とのトラブルリスクがある

マンションを貸すと、入居者とのトラブルリスクがある点も念頭に置かなければなりません。

入居者トラブルは、以下のようなものが考えられます。

  • 給湯器が壊れた
  • エアコンが効かない
  • 水漏れする
  • 上の階の住民の騒音がひどい
  • 入居者同士のトラブルが起きた

想定内のトラブルならまだしも、入居者が無茶苦茶なことばかりいう「クレーマー」だった場合、その対応には骨が折れるでしょう。

このような問い合わせは日中のみならず、夜間も祝日も関係なくかかってきます。

「家賃を払っているから言って当たり前」と思っている人も少なくありません。

管理会社に入居者の対応を任せることもできますが、その分の管理費用を業者に払う必要があります。

収支シミュレーションで微々たるほどしかプラスにならないとしたら、トラブルなどの煩わしさを抱えるよりも、売却という選択肢を検討してみてもいいかもしれません。

管理の手間がかかる

マンション管理の手間も、賃貸経営のデメリットのひとつ。

初めて貸し出す前はもちろん、入居者が入れ替わるたびにハウスクリーニングや壁紙の張り替えなどを行わなければなりません。

また室内の設備は経年劣化するので、定期的なメンテナンスも必要です。

マンション1室だけを貸す人は、本業のかたわら賃貸経営を行うと予想されますが、想像以上に手間と時間がかかることを覚悟する必要があります。

総合的に考えると売却が向くケースも

マンションの貸出には、さまざまなメリットとデメリットがあります。

場合によってはデメリットの方が大きく、貸すよりも売る方が適していることもあるでしょう。

収支のシミュレーションがあいまいで、貸し始めたのはいいものの赤字が続いてしまうケースも少なくありません。

管理の手間や入居者トラブルなど、金銭面だけでなく精神的にも大変な問題がたくさんあります。

さらに、賃貸経営がうまくいかなかったからといって、簡単にはやめられないという点も忘れてはいけません。

その上でメリット・デメリットをしっかりと考慮し、貸し始めるのが大切です。

入念な収支計画をつくり、堅実に不動産を活用しましょう。

賃貸が適しているケースは?

では次に、売却よりも賃貸が適しているケースを紹介します。

貸すか売るかの判断がつかない場合は参考にしてみてください。

立地がよく、収益物件として有望な場合

「立地がいい」という付加価値のある不動産は、賃貸経営に有利な物件です。

内装や設備のメンテナンスなど、マンションの管理をしっかりと行えば、入居者は比較的早く見つかる見込みがあります。

便利な場所はその分定住しやすいと考えられるので、長期間住んでくれる可能性も少なくありません。

同じ入居者が長く住んでくれれば、入退去時にかかる経費(ハウスクリーニングや壁紙の張り替えなど)は抑えつつ、安定して家賃収入が得られます。

立地がいい物件は、収益物件として有望だと考えてよいでしょう。

一定期間の海外転勤などで不在にする場合

海外転勤などで一定期間は住まないけれど、転勤が終わればまた戻ると決まっている場合は、賃貸に適しているといえます。

賃貸には「定期借家契約」という方法があり、「2年・5年・10年」などの期間限定でマンションの貸し出しが可能です。

もし転勤期間が延びてしまっても、入居者が引き続き住みたいと希望すれば、再契約して貸し続けることもできます。

このようなケースでは、大家にとって便利な定期借家で貸し出すのが適しているでしょう。

将来必ず戻ってきて住むと決めている場合

将来必ず戻ってきて住むと決めている場合は、売却ではなく賃貸一択になるはずです。

当たり前ですが、売却してしまうと所有権を失いますが、賃貸なら「自分の家」として維持できるメリットがあります。

収支計画では大きな利益がなくとも、いつか住むときまで賃貸を続けて維持する方が賢明です。

特にローンが残っている物件であれば、毎月の家賃収入がないと維持できなくなってしまうかもしれません。

戻る時までさまざまな工夫を凝らし、なんとか黒字で運用するのが望ましいでしょう。

マンションを貸す際の費用について

マンションの賃貸経営は、いつどんな費用がかかるのかを事前に把握して、経費として計算するのが重要です。

それでは、マンションを貸す際にかかる費用をみていきましょう。

部屋をきれいにするための修繕費・清掃代

マンションを貸し出すとき、部屋をきれいにしてから入居者を迎えるために「修繕費」と「清掃代」がかかります。

  • 修繕費・・・壁紙の張り替えや経年劣化によるリフォーム など
  • 清掃代・・・室内の汚れを落とすハウスクリーニングやエアコンクリーニング など

マンションの広さにもよりますが、おおよそ30~50万円かかります。

入居者を募集する際の広告費

入居者の募集は不動産業者に依頼するケースが一般的ですが、仲介手数料とは別に「広告費」を払うと入居者が早く見つかるケースがあります。

そもそも不動産業者は成功報酬制。

入居者を見つけられれば大家から仲介手数料を受け取れるので、「広告費は仲介手数料に含まれている」とも考えられます。

しかし業者からしてみると、仲介手数料は必ず受け取れる保証がありません。(他の業者が先に入居者を見つける場合もある)

利益の保証がないのに、広告に多くのコストをかけるのは難しいという面もあります。

そこで大家が広告費を払えば、その分広告や宣伝活動を積極的に行えるようになります。

物件情報が多くの人の目に留まれば成約率が上がりやすいので、入居者が早く見つかる可能性が高まるのです。

広告費の相場は、家賃の1~2ヶ月分ほど。

ちなみに仲介手数料は、宅地建物取引業法で「家賃の1ヶ月分」が上限と定められていますが、広告費の上限は定められていません。

広告費はいくらなのか、どのような広告を打つのかは事前にしっかりと確認しましょう。

管理会社を使う場合の管理手数料

マンションの管理や入居者対応を任せると「管理手数料」がかかります。

管理手数料の相場は、家賃の5~10%ほど。

どこまでの業務を代行してもらうのかによって、費用は変わります。

管理手数料はマンションを貸し出している間、毎月必ずかかる経費。

収支のシミュレーションを正確に行うためにも、管理会社と契約する前に契約内容をよく確認しましょう。

住人が退去したときのクリーニング代、修繕費

「クリーニング代」や「修繕費」は、初めてマンションを貸すときだけでなく、住人が退去するたびに発生します。

当然賃貸を始めて時間が経てば経つほど、内装や設備も経年劣化するので、その分修繕費やリフォーム代もかかるでしょう。

突発的なトラブルへの対応費

入居者から突然「キッチンが水漏れした」「給湯器が故障した」と、突発的なトラブルで連絡がくることも少なくありません。

その都度業者を手配しなければならず、新しい設備費用や工賃が発生します。

収支のシミュレーションをするときは、突発的なトラブルへの対応費も「予備費」として積み立てておくと安心です。

マンション貸出にかかる税金の計算方法

マンションを貸し出して家賃収入を得るのは、立派なビジネス。

賃貸経営で得られた利益には税金がかかり、確定申告をする必要があります。

ここでは、マンション貸出にかかる税金の計算方法を解説しますので、ぜひ参考にしてください。

給与と不動産所得の合計を出す

マンションを貸して得た家賃収入は「不動産所得」です。給与所得と同様、課税の対象となります。

《給与所得+不動産所得=総所得》

不動産所得は、家賃収入以外にも次のようなものが含まれます。

  • 共益費
  • 管理費
  • 駐車場代
  • 礼金
  • 更新手数料

これらについては、家賃収入と合算して不動産所得として申告する必要があります。

ちなみに敷金は、入居者に返還した場合は不動産所得にはなりません。

一方、原状回復費用などで返還しない場合は、不動産所得に含まれますので注意しましょう。

貸出にかかった経費を調べる

家賃収入は不動産所得になると説明しましたが、「家賃収入=不動産所得」ではありません。

不動産所得とは、家賃収入から「経費」を差し引いた金額を指します。

マンションの貸出にかかる経費には、次のようなものがあります。

  • 損害保険料(火災・地震保険など)
  • 管理会社に支払う管理手数料
  • 固定資産税
  • 都市計画税
  • 広告費
  • 修繕費や清掃費

たとえば家賃10万円のマンションを貸すとき、経費が年間で50万円かかったとすると、不動産所得は70万円です。

《120万円(10万円×12ヶ月)-50万円=70万円》

経費の金額が大きいと節税効果がありますので、かかったすべての経費を調べましょう。

所得税と住民税の税率を調べる

所得税と住民税は、それぞれ税率が異なります。

所得税の税率

課税される所得金額税率
195万円以下5%
195万円を超え 330万円以下10%
330万円を超え 695万円以下20%
695万円を超え 900万円以下23%
900万円を超え 1,800万円以下33%
1,800万円を超え 4,000万円以下40%
4,000万円超45%
所得税率表

所得税は、給与所得と不動産所得がある場合、合算した「総所得額」によって税率が決まります。

たとえば、給与所得500万円・不動産所得70万円だとすると、年間の総所得は570万円となり税率は20%です。

《570万円×20%=114万円》

総所得が570万円の場合、おおよそ114万円の所得税がかかります。

住民税の税率

所得割(標準税率)均等割(年額)
区市町村民税6%3,000円(3,500円)
道府県民税・都民税4%1,000円(1,500円)
合計10%4,000円(5,000円)
住民税率表

※()内の金額は、2014年~2023年の防災施策臨時増税後の額です。

参照:個人の住民税はいつ?いくら払うもの?計算方法から解説

住民税は、所得に応じて決まる「所得割」と、所得にかかわらず定額負担する「均等割」があります。

所得割の税率は、所得に対して「一律10%」とされています。

たとえば総所得が570万円の場合、住民税は57万円です。

《570万円×10%=57万円》

これに、均等割が加算されます。
均等割は、「一律4,000円(2014~2023年度は5,000円)」です。

確定申告をする

1年間で得た不動産所得と経費がわかれば、いよいよ確定申告を行います。

参照する書類などが揃っていれば、2~3時間程度で税務署へ提出する書類作成は完成するでしょう。

「初めての確定申告で、ちゃんとできるか不安…」という人は、税務署へ出向いたり電話したりすると詳しく説明してくれるので安心です。

また、どうしても苦手な人や時間がない人は、税理士に確定申告を代行してもらう方法もあります。

税理士へ依頼すると7~10万円ほど費用がかかりますが、これも経費として計上できるので覚えておきましょう。

よくある質問

賃貸経営についてよくある質問をまとめました。

初めてマンションを貸す人や、貸すべきか迷っている人は、ぜひ最後までご覧ください。

一定期間だけ貸し出すことはできる?

海外転勤などの理由でしばらく住めないけれど、また同じマンションに戻って住みたいと考える人もいるでしょう。

このようなケースでは、期間を限定して貸し出す「定期借家契約」が向いています。

通常の賃貸契約とは違い、初めから「2年・5年・10年」などと契約期間を限定できる方法です。

定期借家にすれば、住めない間だけマンションを貸せるので、戻ってからはまた自分の家に住めます。

大家にとっては便利で都合が良い契約方法ですが、反対に借りる側からすると不便な契約ともいえます。

通常の賃貸契約よりも入居者がつきにくいことは、念頭におかなければなりません。

通常契約の物件よりも家賃を下げたり、数ヶ月のフリーレントをつけたりするなどの工夫は必要でしょう。

家賃を高くする方法は?

家賃を高く設定するには、以下のような方法が挙げられます。

  • 敷金、礼金をなくす
  • フリーレント期間を設ける
  • 全室にエアコンを設置する
  • 和室から洋室にリフォームする

敷金や礼金をなくしたり、フリーレントを設けたりすると、借りる側としては引越しにかかる初期費用が抑えられるメリットがあります。

相場より多少家賃が高くても、魅力に感じる人もいるでしょう。

エアコン設置や内装リフォームも、家賃を高くする方法のひとつ。

けれども、家賃を高くするために費用をかけすぎて、結果的に赤字になってしまったら意味がありません。

事前に収支計画をしっかりと立てた上で、家賃を高く設定できるよう工夫してみましょう。

住宅ローンが残っているマンションでも貸せる?

住宅ローンが残っていても、マンションは貸せます。

また住宅ローン金利は、賃貸経営の「経費」として申請できます。(元本は経費にはなりません)

ただし、住宅ローンが残っている=支払っていると、別の住宅を購入するときに新たな住宅ローンを組むのは難しいと考えられます。

たとえ入居者が見つかったとしても、銀行からはリスクが高いと判断されてしまうケースが多いでしょう。

分譲マンションでも貸し出すことはできる?

分譲マンションでも貸し出せます。

なにより分譲マンションは、賃貸向けに作られたマンションよりも家賃を高めに設定できるのが強みです。

賃貸マンションは、比較的短い期間で入居者が入れ替わるのを前提に作られている住居。

一方分譲マンションは、購入した人が一生涯住み続けるのを前提に設計されています。

室内の設備だけでなく、共用スペースや管理サービスがしっかり整っている点も、分譲マンションならではの魅力。

質の高い分譲マンションを、賃貸で借りたいと考えている人も少なくありません。

まとめ

マンションを貸す際には、さまざまなメリットとデメリットがあります。

場合によっては、貸すよりも売却する方が向いている物件もあるでしょう。

賃貸経営は一度始めたら簡単にはやめられません。

黒字にするのはもちろん、管理の手間や精神的負担についても覚悟が必要です。

慎重に検討する上で、「マンション.navi」で貸し出す場合と売却した場合の相場を調べることをおすすめします。

相場がわかれば収支計画が立てやすくなり、貸すか売るかで悩んだときの判断材料になるでしょう。

また、貸し出すにしても売却するにしても、不動産業者選びはとても重要です。

特に、貸すと決めてマンション管理を任せると、数年~数十年の付き合いになると考えられます。

安心して任せられる業者を選んで、大切な資産を有効活用しましょう。

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