所有しているマンションや戸建てなどの不動産を売却するのであれば、少しでも高値で売りたいと誰もが考えます。
そのために欠かせないのが、仲介業者選びと売却査定の重要性です。
マンション売却のコツを知っておくことで、売却価格が数百万円単位で違ってくることもあります。
実際に筆者の実家を売却するときにもA社は1,450万円という査定をしましたが、B社は1,870円という査定を出してくれ、その後1,980万円で売却することができました。
この時にもしA社が出した査定を鵜呑みにしていれば、きっと500万円近く損をしていたことでしょう。
売却査定は必ず複数の業者から取り寄せて、本当に適切な価格を見つけだしましょう。
家やマンションを高く売るために必要なことは?

戸建てもマンションも同じなのですが、高く売るために必要なことは以下の3つです。
- 買取業者より、個人に仲介で売る方が高く売れる
- 売却査定はできる限り早めにやっておくこと
- 複数の仲介業者で査定額を比較する
業者に買取りをお願いすれば簡単に現金化できますが、一般的な仲介での売却よりも3割ほど安くなるので、少しでも高値での売却希望であれば業者買取はおすすめしません。
また、売却計画があるのでしたら査定を早めに取り、早い段階で売りに出すようにしましょう。
売りに出す期間が遅くなれば、売り急いで不要な値引き交渉に応じなければならなくなります。
そして一番大事なことが「売却査定は最低3社以上」に出してもらい比較することです。
1社だけの売却査定では、本当にそれが適切な売却価格なのか判断のしようがないからです。
マンション売却で人気の仲介業者ベスト5

実際にマンションを売却するにあたり、人気が高い仲介業者を5社紹介します。
選定に当たっては、年間の売買取扱数やオリコンなどの人気度調査に加え、ポータルサイトややSNSでの口コミ評価なども加味し、総合的に判断しています。
ランキングは定期的に更新していますので、ぜひ参考にしてください。
第1位:SRE不動産

賃貸における敷金や礼金、売買における両手仲介を得るための囲い込みなど、日本の不動産業界には古くからの悪い慣習が根強く残っています。
そんな古い体質にメスを入れるべく立ち上がったのがSRE不動産です。
SRE不動産では不透明な売買をなくすため、売主と買主の両方を自社で斡旋する両手仲介という売買方式を全面的に撤廃し、100%売主の味方となり売却のサポートをしてくれるエージェント制度を導入しています。
これによりSRE不動産では、すべての不動産売買が売主か買主だけを専属サポートする片手仲介となっています。
さらにSRE不動産が独自開発したAI(人工知能)を駆使し、マンション売却時の査定価格を算出するサービスが利用できます。
これらAIレポートサービスと売主専属のエージェント制度を組み合わせることで、少しでも早く高く売りたいという売主の希望に沿った売却活動を展開してくれます。
ただし、現時点でSRE不動産の対応エリアは「東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、京都、奈良」に限定されています。
第2位:野村の仲介+

インターネットによる集客に力を入れており、野村不動産グループが全面的にマンション売却をバックアップしてくれます。
野村の仲介+が運営している不動産情報サイト「ノムコム」は、13年連続で利用者数は業界NO1を獲得しており、契約に至る割合でもインターネット経由からが50%を超えています。
不動産情報サイト「ノムコム」では、物件写真を最大30枚、周辺写真は12枚で合計42枚の画像を掲載することができ、それとは別にパノラマ動画で物件の魅力を伝えてくれます。
そして他の不動産サイトでは見かけない「オーナーレポート」が好評です。
オーナーレポートとは、売主の想いやコメントを物件情報内に掲載することができ、実際に住んでいるからこそ、物件の特徴やアピールポイントなどの信憑性も高まります。
野村の仲介+の顧客満足度は93.3%と高い評価を得ています。
第3位:東急リバブル

1972年に開業し、今年で創立50周年を迎える大手不動産会社でも老舗です。
首都圏を中心に高い知名度があり、東急沿線の物件を多く所有しています。
とくに中古マンションの売買に自信をもっており、2020年度の年間売買仲介件数は25,000件を超えています。
AI査定をはじめ、「リフォーム」「家具演出」「売却保証」の3つがセットになったアクティブ売却パッケージ「アクセル君」など、東急リバブル独自のサービスが多数用意されています。
東急リバブルで売却する際には、無償で水周りのクリーニングや壁や床の補修サービスが受けられます。
第4位:長谷工リアルエステート

分譲マンションの施工販売業者として知名度がある長谷工リアルエステートですが、不動産売買の窓口となっているのが「長谷工の仲介」です。
全国に38の支店がありますが、28店舗が首都圏に集中。残りの店舗は関西に9店舗、名古屋と福岡に1店舗です。
一般的に個人同士のマンション売買だと、売却後の保証は長くても3ヵ月~6ヵ月程度です。
しかし、多少の条件はありますが長谷工の仲介によって売買された建物に関しては、長谷工リアルエステートが10年間の建物保証をしてくれます。
中古マンションに10年間もの保証というのは業界初ですし、買主側も安心して購入できる大きな特典だと言えます。
第5位:三菱地所ハウスネット

菱地所グループにおいて不動産の仲介業務をおこなっているのが三菱地所ハウスネットです。
大手ならではの膨大なデータを蓄積していて、正確な査定額を提示してくれると評判です。
中古マンションでも1年間の設備・建物保証、24時間緊急対応サービスなどを付けることができ、売主と買主の双方が安心して売買できる仕組みが整っています。
こうしたサービスが高く評価され、オリコンの「不動産仲介 売却 マンション 総合ランキング」において3位に選出されています。
家の売却で人気の仲介業者ベスト5

続いては戸建ての家を売る場合におすすめの仲介業者を5社紹介します。
選定基準はマンションの時と同じですが、戸建てに強い不動産業者もいるため、順位は多少異なってきます。
マンション版のランキングと合わせて参考にしていただければと思います。
第1位:SRE不動産

SRE不動産は、国内初の「エージェント制度」を導入したことで高い注目を集めています。
原則、片手仲介のみしか行わないため、売り主に有利な売却活動をしてくれると高い評価を得ています。
SRE不動産という名前にあまり聞き覚えがないかもしれませんが、旧社名はソニー不動産で2018年6月に社名変更しました。
ソニー不動産という名前でもわかるように、親会社は大手家電メーカーのSONYです。
あなた(売主)専属のエージェントがついて売却のサポートをしてくれますし、悪い不動産会社に多くみられる物件の囲い込みなどで売主が不利益を被ることもありません。
売主と買主を同じ不動産会社が斡旋する両手仲介には多くに批判が寄せられていました。
そんな不動産仲介の仕組みに一石を投じ、独自のサービスを展開しているSRE不動産はテレビや雑誌など、多くのメディアでも紹介されています。
ただし、現時点でSRE不動産の対応エリアは「東京、神奈川、埼玉、千葉、大阪、兵庫、京都、奈良」に限定されています。
第2位:三井不動産リアリティ

三井不動産グループの中でも個人用物件の売買仲介を得意としているのが三井不動産リアリティです。
テレビCMなどで馴染みが深い「三井のリハウス」も三井不動産リアリティが手掛けています。
35年連続で全国売買仲介取扱件数No.1という確かな実績と信頼があります。
注目したいポイントは、売主も買主も対象の「360℃サポート」です。
360°サポートでは、売買契約の前に三井不動産独自の基準で無償にてシロアリや設備・建物などの調査を実施してくれるので安心した取引が行えます。
お引渡し後に給湯器などの設備故障や、雨漏りや給排水管の故障など建物の契約不適合が見つかった場合、その修理費用や駆除費用は三井のリハウスが負担してくれます。
第3位:住友不動産販売

三井のリハウスに次ぐ実績を持つのが住友不動産販売で、仲介物件数と店舗数では業界NO1です。
全国に250以上ある営業所や店舗には膨大な物件データや顧客データが蓄積されており、効率の良い販売活動が期待できます。
自社の不動産情報サイトもありますが、SUUMOやアットホームなどの大手不動産ポータルサイトとも積極的に連動しているので、幅広い集客に繋がっています。
また、関西圏では業界最大手でもある三井のリハウスを凌ぐほどの人気です。
第4位:みずほ不動産販売

みずほ不動産販売は、みずほフィナンシャルグループに属する大手信託銀行系の不動産会社です。
首都圏や近畿地方を中心として、北海道から九州に49の支店やセンターがあります。
みずほ不動産にて媒介契約を締結した物件については、建物の状況調査(インスペクション)を受けることができ、その費用はみずほ不動産販売が負担してくれます。
その他にも売却後の「住宅設備保証サービス」を利用することができ、それらの費用もみずほ不動産販売が負担してくれるので、安心してマイホームを売却することができます。
第5位:ピタットハウス

テレビCMでもお馴染みの不動産会社ですが、これまで紹介した大手不動産会社のように直営ではなく、その多くがフランチャイズ契約している加盟店です。
今回ピタットハウスを紹介しようと思ったのは、あまり聞きなれない面白い売却サービスを実施しているからです。
それが「オークション方式」のマイホーム売買です。
その名の通りオークション形式で入札して頂き、一番高値を付けた購入希望者と売買に向けて交渉することができるシステムです。
わずらわしい値引き交渉もなく、透明性が高いシステムですので売主も納得して売却することができます。
売る物件に適した一括査定サイト活用法

マンション売却時には、複数の業者から売却査定を取ることが大事なのですが、直接不動産会社に足を運び1社ごとに査定をお願いするのは時間が掛かります。
そこでおすすめしているのがインターネットの一括査定サービスです。
一括査定サイトを利用すれば、一度の申し込みだけで複数の業者から査定見積りを取り寄せることができますし、しつこい営業電話などの対策にもなります。
ネットで「マンション・一括査定」などの単語で検索すれば多くの一括査定サイトがヒットしますが、それぞれのサイトによって得意分野があったりするので、人気が高い一括査定サイトの特徴を簡単に説明しておきます。
大都市に住んでいる場合
東京や大阪などの大都市や、人口の多い県の都心部にマンションを持っているのであれば、「SUUMO」や「すまいvalue」というサイトがおすすめです。
「SUUMO」はご存じの通り、日本最大級の不動産ポータルサイトで、運営もリクルートなので信頼性は抜群です。
大手の仲介業者から地元密着型の業者まで、幅広く査定を比較することができますので、高く売れる可能性が増えます。
日本全国がサービス対象地域なので、査定を比較するならまず「SUUMO」が候補に挙がります。

「すまいvalue」の方はあまり聞いたことが無いかもしれませんが、下記の不動産大手6社が共同で運営しているサイトなので、信頼性で言えばトップクラスです。
やはり大手の会社の方が、都心部に住んでいてお金を持っている富裕層のリストを豊富に持っているので、そこに集中してアピールできる「すまいvalue」はぜひ活用したいところです。
・東急リバブル
・三井のリハウス
・三菱地所ハウスネット
・住友不動産販売
・野村の仲介プラス
・小田急不動産

※地域限定だけど優位性が高い「SRE不動産」
一括査定サイトではありませんが、もしサービス対象地域に住んでいるならおすすめしたいのが「SRE不動産」です。
(SRE不動産はソニーグループの企業1つで、もともとは「ソニー不動産」という名前でした)
この「SRE不動産」の強みは、不動産の売買時に「エージェント制」を採用し、絶対に両手仲介をしないと宣言していることです。
これは売主からすると非常に有利なことで、高値で売却できる可能性が大幅に増えます。
日本でこの「エージェント制」を採用している不動産業者ほとんどなく、SRE不動産だけといってもいいくらいなので、対象地域に住んでいる人は必ず一度相談してみましょう。
※サービス対象地域(2022年7月現在)
東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、大阪府、兵庫県、京都府、奈良県

地方に住んでいる場合
地方には大手不動産の支店がないことも珍しくありません。そのため地方のマンションを売却する場合、大手不動産に仲介をお願いできないと思っている人が多いようです。
しかし実際には支店がなくても、仲介を受けてくれる大手不動産業者は多くあります。
それを調べるに時に役立つのが、先ほど紹介した「SUUMO」や「すまいvalue」です。
地方物件の場合、都心に住む人がセカンドハウスや投資目的で購入するケースもあるので、地元不動産だけではなく、なるべく広い範囲で買主を募集する方が売れる可能性が高くなります。
どちらか一方だけではなく、両方使って幅広くアピールしていきましょう。
戸建てや土地を売りたい場合
戸建てや土地を売却したいという場合も、やはり大手ポータルサイトである「SUUMO」が強いです。
日本最大級のポータルサイトということは、それだけ売主も買主もよくSUUMOを見てるいるということなので、まずはSUUMOで査定を依頼してみるのがよいでしょう。
その他のサイトとしては、NTTデータが運営する「HOME4U」もおすすめです。
HOME4UもSUUMO同様に大手のポータルサイトなので、多くの業者と提携しており、その中の戸建て売買に強いイエステーション、ハウスドゥ、センチュリー21などが加盟しているからです。
もちろんNTTグループなので、信頼性も高いです。

訳あり、今すぐ売りたい場合
何かしらの理由があり早く現金化したい物件など、いわゆる訳あり物件の売買に強いのが「いえカツLIFE」です。
もちろん通常の仲介としても売却査定を依頼することはできますが、即日買取に対応してくれる業者からの査定や、業者買取後に売主が住み続けることができるリースバックにも対応しています。
一般的な仲介での売却、即日現金化できる業者買取、売却後もそのまま住み続けることができるリースバックサービスという3つのプランから、自分たちに一番適している売却方法を比較検討することができます。

一括査定サイトにデメリットはある?
一括査定サイトを利用することで考えられるデメリットについても解説します。
想定できるデメリットとして、やはり一番気になるのは「たくさんの営業が来てしまうのではないか?」という点だと思います。
これは実際にその通りで、一括査定を申し込む以上、ある程度の営業は来てしまいます。
しかし一括査定を申し込んだからといって、いきなり自宅に複数の不動産業者が押しかけるといったことはありません。
インターネット上から申し込むのは、あくまでも「簡易査定」なので、この段階で業者が直接家に来るということはありえないからです。
こちらは簡易査定の結果を見て、気になるところにだけ返事をして、その先の「訪問査定」に進めばよいだけなので、そこまで過度に心配する必要はないと思います。
特にこのページで紹介しているのは、すべて運営歴があって信用のある企業が運営しているサイトなので、悪質な業者はほぼいないはずです。
万が一、しつこい営業をかけてくるような業者があった場合は、一括査定サイト側に連絡すれば対応してくれるので、トラブルになる可能性は低いでしょう。
一括査定サイトを使うことで、多少の手間がかかることは事実ですが、家やマンションがちょっとで高く売れることを考えれば、明らかに使うメリットの方が大きいと思います。
不動産の売却査定で注意すべきポイントは?

家やマンションを売却するときに欠かせないが「売却査定」です。
これはその家やマンションがどれくらいで売れるのかを事前に見積りしてもらうことです。
あくまでも査定なので、その見積価格で必ず売れるという保証はありませんが、やはり少しでも高い査定額になってほしいというのが売主側の心情だと思います。
そこで当ブロックでは、売却査定時の注意点をいくつか触れていきたいと思います。
必ず複数(最低でも3社以上)の最低額を比較する

当記事でも再三お伝えしていることなのですが、売却査定は必ず複数の業者から取ってください。最低3社、理想としては4社~6社です。
1社だけの査定見積りでは、その金額が本当に売却価格として適正なのか判断のしようがありません。
一括査定サイトを利用して5社から査定見積りが届いたとします。
これだと5社の査定額を比較することができるので、より信憑性の高い売却査定価格を知ることができます。
悪質な業者の中には、わざと高い査定額を提案することで、自社で売却活動するための「媒介契約(仲介業者と売主が交わす契約)」を取ろうと企む業者もいます。
ですので、極端に高い査定価格や逆に極端に安い査定価格を提示してくれる業者には注意が必要です。
ちなみに査定価格を安く提示するのは、業者買取として安く買い取りたいという狙いがあるためです。
査定は早めに取った方が高く売れる可能性アップ!
売却することが決まっているのであれば、査定はなるべく早く取ることをおすすめします。
その方が高値での売却率も格段にアップするからです。
売却するための準備期間もそうですし、実際に売却中の期間もスケジュールに余裕があった方が有利に交渉することができます。
例えば子供の学校の問題などもあるので、なるべく4月までに売却したいという希望があったとします。このとき4月までの期間が短いと買主側の無茶な値下げ交渉にも応じなければならなくなります。
その点、スケジュール的に余裕があればそうした無茶な値引きをしてくる買主には強気に断ることもできるので、売主側のペースで売買を進めることができる点は大きなプラス材料となります。
知り合いの業者に頼むのはNG
血縁の親族が不動産会社を経営していたり勤めているのであれば良いのですが、親戚や友人が不動産会社にいるので売却の相談をするという人が多くいらっしゃいます。
しかしこれはおすすめできません。
とくに友人や知人が不動産会社にいるというケースは絶対に相談しない方がいいです。
不動産売買というのは動くお金も大きいので「売っておしまい」という商品ではありません。
売却後に「雨漏りの話は聞いてない」や「契約書の内容と違う箇所がある」など、売主と買主の間でトラブルになってしまうケースもあります。
とくに契約書に関するトラブルは多く、その理由の多くは不動産業者の調査ミスや記載漏れなどによります。
このように業者に不手際があったとき、仲介してくれた業者に責任を取ってもらうことになるのですが、その業者や担当者が知り合いであるがために言いたいことも言えなくなってしまいます。
高額なお金が動く不動産売買だからこそ、友人や知人などに頼ることはやめておくのが賢明な判断です。
査定にきた営業マンをしっかり採点しよう
一括査定サイトの簡易査定では家の中を見せたりすることはありませんが、その後の本査定(訪問査定)では、実際に担当者が物件を訪問して細かくチェックすることになります。
簡易査定をしてくれた全社に本査定を依頼してしまうと、本査定時の立会いなど売主の負担が大きくなってしまいますので、実際に家まで来てもらう本査定は2社くらいに絞って依頼するようにしましょう。
この訪問査定では、傷の有無、管理状況、景観など細かくチェックされるのですが、売主はただ査定が終わるのを待つだけではダメです。
査定に来てくれた営業マンを逆にこちらが採点するくらいの心構えでいましょう。
営業マンの態度や相性はもちろん、不動産に関する知識だったり、素人にもわかりやすく説明できるかなど、業者選びの判断基準の1つになるはずです。
最低限の掃除はしておくこと
購入希望者の内覧ではなく、業者による査定なので部屋の掃除は関係ないと思われる人も多いのですが、やはり査定調査員の心象としては綺麗に清掃してある物件の方が印象良く見えます。
散らかったままのお部屋よりも、綺麗に掃除してある部屋の方が売却に対しての姿勢や覚悟を見せることができ、結果としてプラス査定となるはずです。
査定の段階で清掃業者にお願いするほど綺麗にしておく必要はありませんが、汚れが目立ちやすい水まわりを清掃したり、部屋を広く見せるため不要なものはなるべく収納スペースにしまっておくようにしましょう。
売却するまでの流れとスケジュール

マンション売却の相談をしてから、実際にマンションが売れて買主に引き渡しをするまでの期間ですが、平均すると4か月~6か月くらいを考えておくと良いでしょう。
もちろん早い物件だと2ヵ月くらいで引き渡しまで終わってしまうこともありますし、なかなか買い手がみつからないと軽く1年を超えることも珍しくありません。
ここではマンション売却の流れとスケジュールについて話をしていきます。
売却完了までの目安期間は?
売却までの簡単な流れと期間は以下のような感じになります。
・売却査定と仲介業者選び 約1ヵ月
・売却開始~購入者が決定 約2ヵ月
・売買契約~引き渡しまで 約2ヵ月
このように約6か月くらいが売却検討~引き渡しまでに必要な期間となります。
ですので、子どもの学校がはじまる来年4月の新学期までに売却したいから、年が明けてから売却に向けて動こうと考えているようでは少し時間不足だと思います。
新年度の4月までの売却を目指すのであれば、10月くらいから売却に向けた動きをしておくようにしましょう。
ただし、業者買取を利用するのであれば、売却の相談から引き渡しまでは長くても1ヵ月あれば終わりますので、どうしても早急に売却する理由がある人は業者買取という選択肢もあります。
売却にあたって必要となる書類
マンション売却の相談をする前に準備しておきたい書類がありますので書き出しておきます。
※マークがついている書類は必須になります
・※売主の身分証明書(免許証や保険証)
・※印鑑と印鑑証明(名義人全員分)
・※固定資産税評価証明書、または納税通知書
・※マンションの管理規約
・※マンションの管理費と修繕積立金の支払い状況がわかる書類
・※住宅ローンの残高証明書(支払い済みの場合は不要)
・マンションを購入したときの売買契約書や重要事項説明書
仲介業者から要求される書類はこれくらいですが、もし用意できるのであればマンション購入時のパンフレットや販促チラシ、マンションの耐震診断や住宅性能評価書などがあれば更に良いです。
それとマンションの良さをアピールするための資料などを自主作成しておくと内覧時などのツールとして役に立つのでおすすめです。
具体的な流れ、スケジュール
先ほどマンション売却までを3つのカテゴリに分けて紹介しましたが、具体的な内容を簡単に紹介しておきますので参考にしてください。
ただし仲介業者によって内容は異なりますので、あくまでも一般的な流れとして紹介します。
売却査定から仲介業者選び
ここはマンション売却までの準備の段階です。
実際にマンションがどれくらいで売れるのか査定をしてもらったり、安心して売却をお願いできる仲介業者を探すための期間だと思ってください。
目安期間は1ヵ月~2ヵ月
・住宅ローンの残債務を確認する
・家族に売却の意思を確認する
・必要な書類を準備する
・マンションの査定を依頼する
・仲介業者を決定する
売却開始から購入者が決定
信頼できる仲介業者に出会えたのであれば媒介契約を結びます。
媒介契約にも複数の種類があるので、物件の状況を考えながら最適な内容の媒介契約を選ぶようにしましょう。
売り出し価格は、売却査定を参考にしながら最終的には売主が決めなければなりません。
値引き交渉されることまで考えた価格設定にしておくことをおすすめします。
目安期間は2ヵ月~3ヵ月
・仲介業者と媒介契約を結ぶ
・売り出し価格を決める
・売却開始
・内覧客を迎える
・値引きや引き渡し時期などの交渉
・買主の決定
売買契約から引き渡しまで
売買契約を交わすとすぐに物件の引き渡しだと思っている人が多いのですが、実際にはここから銀行へ住宅ローンの申し込みをしたりするので、ローン審査の時間などで最低でも1か月ほど掛かります。
ローンの契約と同時に残金の支払いと移転登記などをすませてから物件の引き渡しとなります。
目安期間は1ヵ月~2ヵ月
・売買契約
・住宅ローン本審査
・物件の引き渡し準備
・代金の決済と登記関連の手続き
・物件の引き渡し
家やマンションの売却でよくある質問

家やマンションの売却に関して、今回紹介しきれなかった部分や、ネットなどで良く質問されている内容などをまとめてみました。
査定を依頼したらすぐ売らないといけないの?
査定をお願いしたからと言ってすぐに売却する必要は一切ありません。
家やマンションの売却査定を依頼される人のなかには、以下のような理由の方も多くいらっしゃいます。
・売却するか査定額を見てから決める
・売却するか賃貸として貸すか迷っている
・今は売却の考えはないけど、将来一戸建てに住み替えるかも
・将来相続するマンションだから価値を知っておきたい
契約した仲介業者が頼りない、どうすればいい?
媒介契約をして売却をお願いしたけど、どうもその仲介業者が頼りないというケースも珍しくありません。
例えば
・内覧には多くの人が来てくれるのに、一向に買い手が決まらない。
・当初聞いていた売却活動と内容が違っている
・担当者のレスポンスが遅い、説明がわかりづらい
・媒介契約の内容で決められている定期報告をしてくれない
このように仲介業者や担当スタッフに不信感を抱いたまま、高額な不動産の売却は任せておけません。
このような場合は、素直に仲介業者に不満を打ち明け媒介契約の解除を求めるようにしましょう。
もし違約金などが発生する契約内容になっているのであれば、媒介契約の期限が満了した時点で他の仲介業者に変更することをおすすめします。
媒介契約の期限は最長で3ヵ月までと法律で決まっています。
一般媒介と専任媒介はどちらがいいの?
一般媒介と専任媒介のどちらで契約しようか迷われる売主さんも多いことだと思います。
どちらも一長一短があるので、売却を考えている物件の状況に応じて考えることをおすすめします。
例えば築浅マンションや駅近マンションのように好立地の人気物件であれば、一般媒介契約で複数の仲介業者に依頼することで早期売却を期待できます。
逆に築古や立地面に問題があるマンションであれば、お金をかけてしっかりと宣伝活動をしてくれる専任媒介の方が効果的だと思います。
媒介契約については別ページ専任媒介と一般媒介ではどちらがお得か?で詳しく解説していますので参照ください。
マンションを売却する際の費用や税金はいくら?
マンションを売却するときに大きな出費となるのが業者へ支払う仲介手数料です。
これは物件価格の「3%+6万円+消費税」という計算で、おおまかな金額を知ることができます。
例えば2,500万円でマンションを売却した場合の仲介手数料は以下のようになります。
2,500万円(物件価格)×3%+6万円+消費税=891,000円
それとマンション売却後の税金(譲渡所得税)を気にされている人も多いようですが、こちらはあまり気にする必要はありません。
譲渡所得税というのは、マンションを売却したときに得た利益に課せられる税金のことです。
つまり利益が出なければ、この譲渡所得税を払う必要はありません。
利益が出るというのは、例えば10年前に3,500万円で購入した分譲マンションだった場合、この4,000万円で売れれば500万円の利益、3,000万円で売れれば500万円の損益となります。
東京の人気エリアでは新築時よりも高値で売買されている中古マンションが一部あるようですが、一般的に新築時よりも中古マンションが高値で売買されるということはありません。
ただ1点だけ気をつけておくのが相続したマンションです。
購入時の価格がわかればそれほど問題ではありませんが、親や祖父などが購入した物件なので購入時の価格がわからなくなっているケースがあります。
このように購入時の価格がわからない場合、物件の購入価格は一律5%とみなされてしまいます。
もし2,000万円で売却したのであれば、購入費は5%なのでわずか100万円ということになってしまい、1,900万円が利益として課税されます。
マンション売却時の費用や税金については、別ページで詳しく解説していますので参照ください。
築50年の古いマンションでも売却できる?
築50年ほどの古いマンションになってくると売却そのものが出来るのか不安になってきます。
人気のエリアであれば築古マンションでも価格次第ではすぐに買い手がみつかる可能性が高いのですが、地方になるとそうはいきません。
特に築50年となれば旧耐震構造なので、地震などの災害面の心配も出てきますし、管理費や修繕積立金が高額になっているマンションも少なくありません。
築50年のマンション売却を真剣に検討するのであれば、多少価格は安くなってしまいますが再販業者に買取りしてもらうのが現実的ですし、一番確実な方法だと思います。
業者に買取してもらうことで、売却後の契約不適合責任(瑕疵担保責任)を売主が負うこともありませんし、仲介手数料を払う必要もありません。
築古マンションの売却については、別ページの築50年マンションを保有リスクとは?にて、詳しく解説していますので参照ください。
近所に知られずに家やマンションを売ることはできる?
普通に家やマンションを売却すると、不動産会社の立て看板を設置されたり、新聞の折り込みチラシに物件が掲載されるので近隣の人や会社の同僚など、マイホームを売却していることを知られたくない人の目についてしまう可能性は否めません。
近所の人や知人にマイホーム売却を知られたくないのであれば、仲介してもらう業者と入念に打ち合わせをしておくことで表立った販売活動を縮小することは可能ですし、一切販売活動をしないで欲しいという要求を出すことも可能です。
ただし、この場合は不動産会社が抱えている顧客にしか営業活動ができないので、当然ですがマイホームが売れる可能性は大幅に低下しますし、かなりの好条件の物件でなければ現実的に買主が見つかるのは難しいと思います。
もう1つ誰にも知られずにマイホームを売却する方法が業者買取です。
業者買取であれば、その業者が直接物件を購入してくれるので、マンションを売却するための販促活動は必要ありません。
ただし、業者買取の場合は市場相場の65~70%程度の買取価格になるので、高値での売却は諦めましょう。
マンションを売る前にリフォームした方がお得?
マンションをリフォームしていた方が「高く」「早く」売れるのは間違いありません。
しかし、リフォームに300万円かかったとしても、その300万円を売却価格にまるまる上乗せするのは難しく、回収できたとしても50~70%くらいだと考えておくのが良いでしょう。
つまり300万円分のリフォームをして売りにだしても、売却価格に反映できるのはせいぜい150~200万円くらいなので、100万円も損をしてしまうことになります。
それにリフォームは個人の感性による部分が大きく、自分の美的センスが必ずしも買主に響くとは限りません。
自分が良かれと思って交換した壁紙の柄も、買主にしてみればまったく趣味とは異なる可能性だってあるのです。
ですので、マンションを売却するからといって高額な費用をかけてまでリフォームをすることには反対です。
それでしたら「壁紙の交換費用分くらいを値引きサービスします」と提案してあげるほうが買主側も喜んでくれる気がします。
まとめ
マンションを高値で売りたいのであれば、売却査定を複数社に依頼して適正な売却相場を把握することです。
マンション売却のカギを握っているのは、間違いなく仲介業者の選定ですので、そこを間違えなければ大きく損をすることはありませんので、物件の状況に見合った業者を選ぶようにしましょう。
また相談~売却~引き渡しまでの期間も皆さんが思っている以上に時間が掛かります。
無用な値引き交渉などに巻き込まれないためにも余裕をもったスケジュールで売却するようにしましょう。
どうしても早急に売却して現金化したい、築50年を超えているマンションでなかなか買い手が見つからないという場合は業者買取も視野に入れて再検討することをおすすめします。
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