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築50年マンションを保有リスクとは。売却に失敗すると「負動産」に

過去に中古マンションを購入した人や、親から築古のマンションを相続した人の間で最近問題になっているのが「手放せない負動産」です。

例えば築50年や60年を超える築古マンションでは、売ろうと思っても誰も買い手が現れず、維持管理費だけがずっとかかるという状況が発生しています。

このような築古マンションを持つことのリスクについて、将来的な予測を交えながら詳しく解説します。

目次

築50年マンションのリスクとは

老朽化

現状の日本においては、築50年以上の老朽化したマンションを保有することはかなりリスクが高いです。

単純にマンションが老朽化し、住宅としての安全性に不安が出てくるというだけでなく、資産価値の低下によって誰も引き取り手が見つからず、いわゆる「出口」が見つからない状態になってしまうためです。

具体的には以下の3つの問題点が指摘されています。

建物としての寿命、耐久性への不安

日本で最初の分譲マンションが建設されたのは、1950年代のことです。そのため2000年代後半から、築50年を迎えるマンションが出てきました。

アパートよりも規模の大きいマンションの場合、基本的にはRC造(鉄筋コンクリート)で作られているため、物件自体の寿命は約70年から80年程度と言われています。(※諸説あります)

逆算すると、日本で最初期につくられたマンションはこの寿命近くになっているため、建物としての耐久性については不安が出てきます。

築50年程度のマンションの場合、まだRCの寿命までは余裕がありますが、内部の設備、特に配管などは老朽化している可能性が高いです。

50年間の間にしっかりと計画的に修繕を行っているなら問題ありませんが、そうでないマンションだとあちらこちらに不備が出てきてもおかしくありません。

例えば外壁にできたクラック(割れ目)を補修せずに放置していた場合、そこから雨水が染みこんで内部を腐らせてしまうというトラブルが発生します。

築50年クラスのマンションになると、このような問題は多かれ少なかれ発生しますので、自分が所有しているマンションの管理がどうなっているかはしっかり確認しておく必要があります。

修繕費が高騰し、負の資産になる

築古マンションの大きなリスクの一つが、どんどん高額になっていく修繕費です。

自己所有のマンションの場合、毎月の家賃は借りませんが、管理費や修繕費などの維持費はかかります。

新築当初はあまり修繕する箇所もないので、特に負担には感じていなかったものも、築年数が経つとごとにどんどん補修しなければならないところが増え、それにともなって修繕費が高騰します。

大手不動産会社が管理する物件であれば、購入時に長期的な修繕計画を立て、それにしたがって修繕費用も計上しているはずですが、すべて予想通りに行くとは限りません。

築古になって思わぬ不具合が発生したり、マンション居住者の数が減って修繕費が集まらなくなれば、一人ひとりの負担額が予想よりも増えてしまう可能性があります。

せっかく家賃がかからないマイホームを手に入れたのに、毎月の修繕費が高額で思い描いていた未来と違ってしまった…このような状況を嘆いて、「負の資産(負動産)」という言葉まで生まれています。

これは自分の子どもたちに相続する際も大きなリスクになるので、修繕計画についてはしっかり調べておきましょう。

人口減により、どんどん売却が困難に

もう一つ大きな問題が、日本全体で問題となっている「少子化」です。

今築古マンションを所有している世代の人数に比べて、これから自宅を購入しようとする若い世代は人数が少なくなっています。

そのため、家やマンションが余る状態になってしまっているので、いざマンションを売って手放そうと思っても、なかなか買い手が見つからないという状況です。

これは数年前からすでに問題視されていて、いわゆる「空き家問題」が大きくニュースで取り上げられることもありました。

不動産業は日本の経済を支える大きな軸ですので、今でも常に新しいマンションや戸建ては造られ続けています。

しかしそこに住む人間の数がどんどん減っているというのが、今の日本の状態です。

コロナ禍の影響で出生率が大きく低下し、2020年度の新生児の出生数は約84万人と過去最少を記録しました。

団塊ジュニア世代と呼ばれる1971年から75年頃の出生数は200万人あったのに対し、驚くことに半分を大きく下回ってしまっていることになります。

これほど急速に少子化が進む例は世界を見渡してもないほどのレベルなので、今後の日本においては「家あまり」が加速するのはほぼ間違いありません。

このような状況下で、築古マンションを購入してくれる人はかなり少数のはずです。

よってこれから先、時間が経てば経つほど売却は困難になっていくと予想されます。

築古マンションを売却するためのプラン

築古マンションの売却

ここまで解説したとおり、築50年を超えるようなマンションは、今後リスクが加速度的に高くなっていきます。

もし相続などが理由で、自分では住まないのに所有権を得てしまった場合は、できる限り早く売却を考えた方が無難です。

例外として、「立地がものすごく良いマンション」であれば、この先も資産価値は変わらず、リノベーションを前提とした若い世代の買い手が期待できます。

しかしそれに該当しない物件では、売却するためのハードルはかなり高くなってしまっているので、通常の売却方法では買い手がなかなか見つからない可能性があります。

わかりやすい例が、バブル時代に人気を博したスキー場近くのリゾートマンションなどです。

現在では老朽化が進み、維持費がとても高くなっているため、1部屋「10円」でも誰も買い手がつかず話題になりました。(※「10万円」ではなく「10円」です)

このような負の資産になる前に、築古マンションは手放しておく必要があります。

以下に築古マンションを売るための3つのプランを解説するので、ぜひ参考にしてください。

買取専門業者に直接売る

もっとも可能性が高いのが、不動産の買取専門業者に依頼することです。

通常の売却の場合、不動産業者はあくまでも「仲介者」として、マンションが欲しい「買い手」との間をつないでくれるだけです。

この場合は、「売主」と「仲介業者」と「買い手」の3者の間で交渉が行われるため、どうしても決着がつくまでに時間がかかります。

ですが中には、不動産業者自体が「買い手」として、直接マンションを購入してくれるケースもあります。

売却先が「個人」ではなく「会社」になり、かつ2者間での直接取引になるため、売却がスピーディーに行われます。

また個人の買い手と違って、専門の買取業者は、購入したマンションをリフォームしてから再販売する目的で購入します。

そのため、築古物件であっても気にせず買い取ってくれるので、売主からすると非常に助かる存在です。

ただし当然デメリットもあり、通常の売却相場で売るよりもかなり安値になってしまうという欠点があります。

買取業者としては、できるだけ安く買ってリフォームし、高値で再販売するというのがビジネスモデルだからです。

どの程度の金額になるかは査定してみないとわかりませんが、一般的には「通常で売却する場合よりも3割程度安い金額」になると言われています。

これは大きなデメリットですが、そもそも築古マンションの場合は高額査定というのは元から期待できないので、3割安くなったとしても金額的には多額というほどは行かない可能性もあります。

売りたくても売れず、毎月の維持費が出ていくだけという状況が続くなら、思い切って専門業者に買い取ってもらった方が得かもしれません。

限界まで値下げしてスピード勝負

買取業者に依頼するのが嫌な場合は、一般の売却を検討することになりますが、やはりハードルが高いです。

築古マンションの売却で問題になるのが、「家あまりの状態なのでライバルが多い」という点です。

特にやっかいなのが、自分が所有しているマンション内で、別の部屋が複数売りに出されているケースです。

この状況になってしまうと、ほぼ「値引き勝負」でしか決着がつかないので、売り出し状況は常にチェックしておく必要があります。

先ほど書いたように、築古マンションの場合は高額での売却は難しいので、ある程度割りきって「最低販売価格」を決めておく必要があります。

最低販売価格とは、「この価格までなら値引きをしても仕方ない」という限界の価格のことで、目安としては相場価格から2、3割程度安いくらいが妥当でしょう。

もし首尾良く買主候補が見つかったら、この最低販売価格までの値引きはOKということを仲介会社に伝えておきましょう。

できるだけ早く売り抜けないと、他の部屋との競争によってずるずると売値相場が下がっていき、結果として当初の最低販売価格を下回る金額になってしまう可能性もあるからです。

しかし冷静に考えると、相場価格の3割まで値引きをOKとするなら、先ほど書いた買取専門業者に売却するのと大差はないかもしれません。

手間としては買取専門業者に頼んだ方が圧倒的に楽なので、この辺をどう考えるかが一つのポイントとなります。

一旦専門業者の買取査定を確認してみてから、どうするか決めるのがおすすめです。

部分リフォームしてから売却

築古の不動産を売却する際に、少しでも売れやすいようにとキレイにリフォームしてから売ろうと考える人もいると思います。

確かに築50年のマンションであっても、リフォームして環境を整えた後であれば売れる可能性は十分あります。

しかし、これには大きな問題があります。それはリフォームにかけた費用を回収するのが難しいということです。

例えばリフォームに500万円かけたからといって、売値にそのまま500万円を乗せることはできません。

乗せられとしても200万円から300万円程度だと思われるので、はっきり言って損をする可能性が高いです。

物件の状態が悪すぎてどうしても買い手がつかない場合なら最終手段としてありかもしれませんが、それならまず先に買取専門業者に依頼して、買い取ってもらえないか聞いた方がよいでしょう。

仮にほとんど値がつかなかったとしても、リフォーム代を負担して赤字になるよりは得だと思います。

築古マンションを建て替えやリノベーションすることはできるか?

築古マンションのリノベーション

ここまでは個々の部屋に関して売却する方法を解説しましたが、「古くなった分譲マンション全体を建て替え、あるいはリノベーションできるのか?」という点についても考えてみたいと思います。

自分が所有している部屋だけでなく、マンション全体を改装するとなると非常にハードルが高いと考えましょう。

金銭的なハードルが非常に高い

まずもっとも高いハードルは「建て替え費用」です。

マンション全体を建て替えたりリノベーションするのであれば、当然ですが住人全体に費用負担がのしかかります。

毎月積み立てている修繕費では到底足りない金額になりますので、各住人が追加費用を支払わなければなりません。

それがどれくらいの金額になるかは、これまでの修繕費がどれくらい残っているかによっても変わります。

マンションの管理組合がしっかり機能して、将来的な建て替え等を想定してお金をプールしているなら追加支払いは少額ですむかもしれませんが、そうでなければ多額の負担がかかる可能性があります。

マンションそのものを建て替えるとなると、数百万から1000万円といった高額な費用負担が発生するかもしれません。

住人間の同意を得ることが困難

分譲マンションの建て替えが難しいもう一つの理由は、住人間の同意を集めるのが難しいという点です。

賛成した人の部屋だけ建て替えるといったことはできませんので、建て替えに消極的な住人も説得して、全体の80%以上の賛成を得る必要があります。

部屋数が多くなるほど、また建て替え費用が高くなるほど、住人間の意思統一は困難になるでしょう。

そのため、今のところ日本では築古マンションを新たに建て替えたという例はごくわずかしかありません。

これら2つの大きなハードルがあるため、マンション自体の建て替えやリノベーションは相当難しいと考えておきまましょう。

自分自身は建て替えに積極的でも、他の住人の多くが同意してくれない限り、築古マンションを建て替えることはできないのです。

築古マンションに関するよくある質問

よくある質問

築古マンションに関するよくある質問をまとめました。気になる点があれば参考にしてください。

お金は要らないからとにかく処分したい

築古マンションを売却するのではなく、「お金は要らないからとにかく処分したい!」という人もいると思います。

これは親からの相続時であれば不可能ではありません。

不動産以外の財産も含めて、すべてを「相続放棄」する選択をすれば、マンションの所有権を得ないですむ可能性があります。

しかし一度所有してしまった場合は、例えお金は不要であっても、不動産を処分するのは難しいのが現状です。

立地の良い戸建てなどであれば、住んでいる自治体に寄付するという形で処分が可能かもしれませんが、古くなったマンションの一室だとこの手も難しいでしょう。

ですからできるだけ早く、買取専門業者などに依頼して引き取ってもらうことをおすすめします。

もし売るなら築何年を目安に売るべき?

不動産の資産価値は築年数が経過するごとにどんどん下がっていきます。

一般的に築30年を超えると、物件自体の資産価値はかなり下がってしまうので、あとは立地などの周辺環境によって評価が左右されます。

「売り時」という点で考えた場合、単純に高く売りたければ「市場相場が高くなっている時」が正解だと思います。

例えば2022年現在は、東京都内のマンションは高騰化しているため、売却するには良い時期だと思います。

一方で「負動産化を心配して売る」のであれば、やはり築30年を経過したくらいから計画を立てておいた方がよいと思います。

築30年を超え、築40年に近くなってくると、建物が老朽化して修繕費が高くなってくるので、「あなたの次の住人」からすると条件が悪いと感じてしまいます。

次の住人が、購入後に少なくとも10年から15年程度住むと想定すると、「築30年で購入する」くらいが判断基準になると思うので、それに合わせて売ると買い手は見つけやすいと思います。

地震がきたときの耐震性は大丈夫?

築古マンションに住んでいると、大きな地震など震災が来た時に倒壊しないか不安に関することもあると思います。

マンションの強度に関しては、1981年に耐震基準が改定され、現在使われているものと同じになっています。

よって、1981年より前に造られたマンションの場合は、旧耐震基準になっている可能性があるので注意が必要です。

新耐震基準と旧耐震基準の違いは下記のようになっています。

地震の強さ震度5強程度震度6~
旧耐震基準倒壊しない規程なし
新耐震基準軽微なひび割れにとどめる倒壊しない

この基準から判断すると、震度6~7の大地震がきてしまった場合、旧耐震基準のマンションは倒壊の可能性が否定できないということになります。

もちろん、旧耐震基準のマンションであっても、建築後に耐震性を高めるための対策をしていれば強度は上がりますので、不安な人は一度管理組合に確認してみることをおすすめします。

東京都内の築古マンションなら価値は維持できる?

日本全体でみれば人口はどんどん減っている状況ですが、東京などの主要都市に関しては逆に地方から人が集まってきて人口が増えている状態です。

それもあって東京のマンション価格は過去最高に高止まりしており、資産価値は非常に高まっているといえます。

ですので、東京都内で立地が良いマンションであれば、その土地にあるというだけで資産価値が安保されているので、将来的にも価値は維持できる可能性があります。

しかし東京といっても23区外で、かつ駅から遠い郊外にある場合はこの限りではありませんので、やはり買い手がつくうちに売却の検討はしておいた方が良いと思います。

まとめ

今回解説したように、日本においてはこの先急激なスピードで人口が減っていくため、「家あまり」の状況になる可能性が高いです。

そのため、築古マンションは売りたくても売れない「負動産」化してしまう恐れがあるので注意が必要です。

築50年や築60年を経過していて、かつ自分では住まないマンションを持っているなら、なるべく早めに買取業者などを呼んで、査定してもらった方がよいでしょう。

もしマンション内で大きな設備不良などが発生してしまうと、修繕費の支払いが発生し、金銭的な負担が重くなってしまう可能性があります。

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